日本中古車輸出業協同組合がまとめた7月の中古車輸出台数は、前年同月比12.3%減の12万5333台だった。仕向け国別では、ロシアが4カ月連続で首位となった。同国は、36.4%減2万1086台。2位のアラブ首長国連邦は、同14.8%減の1万5254台で続いた。3位はモンゴルで、輸出台数は同54.7%増だった。
上位20カ国で伸び率が高かった国は、マレーシア(2.1倍/2169台→4650台)、モンゴル(1.5倍/6998→1万823台)で、アジア勢などで輸出台数を伸ばした。前月比較では3.8%増だった。
◆中古車輸出の全体感について
コンテナを利用する海上輸送のコストが下がってきた。自動車専用船(Ro-Ro船)を利用するコストとほぼ変わらなくなってきたため、輸送手段をコンテナに戻す輸出業者が増えてきている。河瀬は円高傾向ではあるが、海上輸送コストが減少傾向である点と、AA相場が年末にかけて下落していく予想と合わせて、輸出台数は増加すると思われる。モンゴル・韓国・UAEを中心とした迂回型ロシア向け輸出は相変わらず台数が多い状態。ハイブランド輸入車の新車の限定車や入手困難車の日本の発注枠が増えているという情報もある。これは、中国を含む世界的な景気が良くない状況に入ってきていることを示している可能性があり、今後の景気動向を注視する必要があると思われる。
◆ニュージーランド市場について
昨年10月の選挙により政権交代となって、間もなく1年が経過する。自動車産業においては、税収改善のため、EV・HVなどCO2排出が少ない車両にリベートを出していた自動車販売の施策を中止したが、反面、気候変動対策として推進しているCO2削減施策は鈍化してしまっていた。政策金利の引き下げという消費に対してプラスの要素にあわせて、CO2排出削減を強化する政策案が出始めている。現時点においては、NZ国内の小売が全体的にはまだ回復していないことによるNZ国内の中古車の店頭在庫が多い状態から、在庫回転のために値下げしている中古車販売店も多く、小売相場が下がっている状況と、日本のAA相場がまだ比較的高い金額で推移しているギャップが生じているため、日本からNZ向けの中古車輸出台数の回復には至っていない。日本のAA相場の今後の推移にもよるが、早ければ10月後半、遅くとも2月頃からはNZ向け輸出が回復傾向に転じると思われる。