日本中古車輸出業協同組合がまとめた9月の中古車輸出台数は、前年同月比8.5%減の12万7409台だった。仕向け国別では、ロシアが2か月ぶりに首位となった。同国は、132.0%増の2万1801台。2位のUAEは、同11.8%増の1万6577台で続いた。3位はモンゴルで、輸出台数は同1.3%増だった。
上位20カ国で伸び率が高かった国は、ロシア、UAEの他、ウガンダ(1.2倍/2812台→3428台)などで、前月比較では5.2%減だった。
■ニュージーランド向け輸出の状況について
昨年10月の総選挙による政権交代から1年が経過し、経済の立て直しが図られているが、現状としては、政策金利の引き上げ(現在の政策金利は4.75%)に伴い、住宅ローン金利負担の増加や物価高などの影響を受けて、実質GDP成長率はマイナス成長となっている(前年比0.2%のマイナス成長/2024年 第2四半期)。そのため、景気は後退している。所得中間層以下の生活苦が中古車売買にも大きな影響を与えており、ニュージーランド向けの日本からの中古車輸出台数は減少傾向にある。現在、ニュージーランド向け輸出で比較的動きの良い車両は以下の通りである。
・現地で利用されるレンタカー用の車両(毎年8月~11月の期間に発生する入れ替え需要)
・新車割り当てが少ない車両
・現地正規ディーラーの中古車として販売される車両
・富裕層向け高額車両
今後の見通しとしては、ニュージーランドの主要貿易相手国である中国の経済減速の影響を大きく受けているため、景気回復のプラス要素が少なく、当面の間は厳しい状況が続くと予想される。
■モンゴル向け輸出の状況について
モンゴルの首都で最も人口が多い都市であるウランバートル市では、車両登録に規制(制限)がかかることから、モンゴル向けの日本からの中古車輸出台数は減少傾向にある。この規制(制限)の目的は、ウランバートル市の渋滞を緩和することであり、今年11月8日以降、輸入自動車の新規登録のナンバーを発行しない措置が開始された。ただし、いくつかの基準を満たす車両については新規登録が可能な猶予措置が取られることになっている。その中の1つとして「車齢が10年以内であること」が盛り込まれており、「車齢が10年以内でも、製造年が新しい車両が新規登録に優先される」という条件があるため、この影響で車両価格が上昇することが予想される。その結果、モンゴル向けの中古車輸出は全体的に鈍化していくかもしれない。