日本中古車輸出業協同組合がまとめた4月の中古車輸出台数は、前年同月比10.8%減の10万4726台だった。仕向け国別では、ロシアが2カ月振りに首位となった。同国は、25.3%減の1万1208台。2位のアラブ首長国連邦は、同36.4%減の1万699台で続いた。3位はニュージーランドで、輸出台数は同10.2%増だった。
上位20カ国で伸び率が高かった国は、アイルランド(4・3倍/412→1766)、英国(3.0倍/728台→2242台)、バングラデシュ(1.6倍/2381台→3721台)で、ヨーロッパ、アジア勢などで輸出台数を伸ばした。前月比較では、5.2%減だった。
◆オーストラリア向け中古車輸出解禁可否
期待されていた2022年7月からの中古車輸入の全面的な緩和は実施されず、2023年6月末まで現在の制度を維持することになった。現状は2021年7月から、スポーツカー、電気自動車、ハイブリッド車、年間生産500台以下の車両(トヨタのセンチュリーなど)、福祉車両などで一定の条件を満たしていれば、1モデル当たりの年間輸入台数制限台数の制限が撤廃されている。輸入に適合したモデルであると承認を受けた車種も徐々に拡大しており、市場拡大に向けた環境が整いつつあるが、現地新車販売事業者などへの影響を考慮し、中古車輸入の規制緩和を先延ばししてきた経緯がある。中古車輸入が解禁されれば、市場規模的には年間70~100万台の中古車輸入の可能性もあり、未だ関心は高い状態が続いている。
◆ニュージーランド市場
比較的好調だったNZ市場だが、5月のNZ中古車小売台数は非常に減少している。主な要因としては、世界的なインフレの影響は同国にも表れており、光熱費中心に生活費が上昇しており、先行き不安から財布の紐が固くなってきた点。コロナ規制緩和により、一般消費者のお金の使い先が「クルマ・家」から「旅行」にシフトした点が挙げられる。
2022年4月からの新ルール「Clean Car Standard(※)」により、車両購入費用が上昇している点は(インフレ環境もあり)国民の政府への不満は高く、現在の政権(労働党)の支持率は野党(国民党)に逆転されており、国民党は来年(2023年10月予定)の選挙で勝てば「Clean Car Standard」を廃止すると発表している。
※カーボンニュートラル施策の一環として、EV、PHEV、HV以外の純ガソリン車・純ディーゼル車のニュージーランドでの車両登録税が排気ガス排出量によって税金の金額が上がる新しいルール。
◆パキスタン向け中古車輸出について
2022年5月から外貨準備の枯渇を抑えるための緊急施策として、38品目の贅沢品の輸入を禁止しており、自動車も含まれている状態は続いている。パキスタン向け中古車輸出事業者の予想では、2022年9月からは輸入禁止措置が解除されるという読みもあるが注視が必要。
◆ウガンダの輸出規制変更の可能性について
2022年7月から年式規制が変更になると発表があった。(現在)製造年が15年(2007年)よりも新しい車両のみ輸入可。今年7月以降)製造年が9年(2013年)よりも新しい車両のみ輸入可。