日本中古車輸出業協同組合がまとめた3月の中古車輸出台数は、前年同月比8959台減の10万7978台となった。仕向け国別では、アラブ首長国連邦が21か月連続で首位となった。同国は、同11.9%減の1万4360台。2位のニュージーランドは、同5.6%減の1万137台となった。3位はロシアで、輸出台数は同11%の減少となった。
全体の前年同月比では、7.7%の減少。上位20カ国で伸び率が高かった国は、パキスタン(5.6倍/341→1917台)、ガーナ(4.3倍/268台→1147台)で、アジア、アフリカ勢などで輸出台数を伸ばした。その一方で、タイ、バングラデシュ、南アフリカ共和国などが大きく減少した。前月(2月)比較では、3.7%の増加となった。
<新型コロナウイルスの海外市場への影響>
◆ニュージーランド
5月11日から警戒レベルが2に引き下げられる予定で、ユーザーとの対面での中古車小売りが再開される見通し。すでに4月27日から警戒レベルがロックダウンのレベル4からレベル3へと下げられており、感染予防のための条件下で港からの陸送や輸入車検場での輸入車検が再開されているが、ロックダウン期間中(約5週間)に滞留していた車両の処理(港からの車両の引き上げ⇒輸入車検の実施)が円滑に進んでおらず、対円のNZドル相場も状況が悪いため(2020年2月:71円台、現在:63円台)、NZ側は日本からの新たな仕入れに消極的な状態。
11月からクリスマス商戦、新学期商戦、アメリカズカップ(ヨットの世界大会)と3月までイベントが続き、NZ中古車市場が好転する要素がありますが、現在のところ、コロナウイルス収束後のデフレ予想が強く、小売事業者の中には、現在の厳しい経営状態と半年間の事業継続が困難な予想から、小売事業を売却したいという案件も出てきている。
(東アフリカ)
◆ケニア
4月6日からナイロビ首都圏のみロックダウン(交通の遮断と夜間外出禁止)を行っておりますが、中古車輸入は行っている状態。ただし、為替レートの悪化や商業活動の鈍化の影響で購買意欲は低下している。ケニアの国境封鎖の影響を受け、内陸国(ウガンダや南スーダン)への輸送が止まっている状況。
◆タンザニア
タンザニア自体は国境封鎖による問題は無いものの、同国から内陸国の国境封鎖影響を受けて荷量が減少している。
◆ジンバブエ
南アフリカージンバブエ間の国境であるBeitBridge (バイトブリッジ)の封鎖が解除されておらず、ストップしている状態。
◆モザンビーク
特に大きな影響が出ておらず、輸出前検査の廃止も重なって日本から同国への輸出量がやや増えている。
(オセアニア)
◆フィジー
フィジー到着日から遡って14日以内に海外に寄港した船は入港禁止の影響もあり、日本から同国への輸出量は大幅に減少している。
(南アメリカ)
◆チリ
1日5隻までの入港制限が出ており、かつ衛生検査強化と港で作業可能なスタッフの人員制限が出ているため、港での荷役効率が悪化。
また、同国から内陸国の国境封鎖影響を受けて日本から同国への輸出量が減少している。
(中東)
◆アラブ首長国連邦
コロナウイルスおよびラマダンの影響で港での荷役効率が悪化。UAEからの再輸出先国で輸入が止まっている国が多いため、UAE向け輸出業者もAAでの仕入れを控えている。
(アジア)
◆ミャンマー
左ハンドルの輸入規制のため、日本からミャンマーに直接輸出はできず、隣国のタイ(レムチャバン港)から輸入して陸路で国境を越えて輸入している。現在、タイーミャンマー国境の町であるメーソートまで陸送が可能だが、その先は国境封鎖の影響でミャンマーで輸入できない状態。