中国の中古車販売事業者などの視察団が３月１１日（火）、ＪＵ埼玉オートオークション（小川逸樹会長・ＣＥＯ）を訪れた。中古車オークション（ＡＡ）会場で実際のセリの様子やポスコンピューター、出品車両などを見学したほか、小川会長・ＣＥＯを始めとする同社幹部によるレクチャーを受けた。視察団一行は、品質管理や相場形成の仕組み、コンプライアンスなど、世界最先端と言われる日本の中古車流通について学んだ。

　一行は、中国で中古車販売を手がける事業者など６７人。ＪＵ中販連のクレジット事業で連携するオリエントコーポレーションが招き、日本の自動車業界の理解を深めるための視察を行った。ＪＵ埼玉ＡＡには、中古車流通の要となっているＡＡ会場の役割や実際のセリの模様を学ぶために訪問した。

　視察団の来訪に際し、小川会長・ＣＥＯは「中国の新車市場は今や世界一の規模で、素晴らしいことだと思う。これからは中古車のニーズも急速に高まると思われますが、日本は過去４０年以上にわたって、JU中販連が中心となり、積極的な取り組みを進めてきた。日本の中古車流通は世界一と言われています」とあいさつした。

　続いて、商組の沼尾理事長があいさつし、歓迎の意を示した。その後、ＡＡ会場や設備、出品車両などの見学後に、質疑応答を行い、視察団からは、日本の登録制度や相場形成の仕組みなどの質問が相次いだ。また、小川会長・ＣＥＯは、走行管理システムの概要や車検証への走行距離記載など、中古車業界が主導し実現した日本独自の制度を説明、こうした公平性がユーザーの安心、信頼感の醸成に役立ち、業界の発展につながったことを強調した。「消費者保護と業界の健全な発展をめざすためには行政の窓口とした組織化が先決です。日本ではJU中販連という全国組織が法制・税制等を重点的に40年間、地道に中古車流通の円滑化を推進してきた事が結実したものです。従って、JU中販連の存在なくして日本の整然としたマーケットは実現しなかったと思います」と述べ、中国からの要望があれば日本の流通システムについて協力する考えも示した。

　一連の視察スケジュールを終えた後、小川会長・ＣＥＯへの記念品贈呈や記念撮影なども行い、日中業界間の交流を深めた。