創業1920年(大正9年)、国内に4会場6開催(小山・小山バントラ・ベイサイド・ベイサイドBA・仙台・福岡BA)を運営する荒井商事(本社・神奈川県平塚市)。
オートオークション事業以外にも自動車用品販売、中古車輸出のワンストップサービス、提携先とのオートオークション会員への資金融資等、幅広い事業を手掛けている。
特に「アライオートオークション小山VT」は、トラック専門AAとして世界一の取り扱い台数を誇っている。その荒井グループの経営トップである荒井亮三氏に、同社のオートオークション事業の現状と今後の課題などについて聞いた。
‐AA市場について(東日本大震災の影響と今年度の実績見通し)-
当社は9月決算のため、平成23年度9月期においては、アライグループ4会場6開催の運営の中、3月の東日本大震災の影響もあり、小山4W・VTの休催や、本来は休催が長期化に渡りそうであった仙台会場で、6回の入札会実施など、変則的ではあったが、計290開催を行った。昨年が293開催のため、AAで言えば9開催の減となる。当然、出品台数においては台数減となったが、成約率は伸びた。2輪AAが95%前後と高成約率状況にあったが、4輪AA・VTAAの成約率が伸張し、グループ全体で、前期比5Pのプラスとなる。「商いの場」の原点に戻ったグループ全体の運営改善もあるが、震災復興支援として、会員様の力も借り、関東玉を中心に仙台会場に供給し、会員様が利益度外視で出品・成約頂いたことなども要因のひとつと言える。今後においても、まだまだ東北市場に対する供給を中心とした流れが続くことから、需要が上回る展開であると思う。
‐現在の円高の影響について‐
乗用車からトラック・建機・重機・産業機械・オートバイと輸出車両が何でも揃うオークション会場として認知されていることもあり、円高で輸出に不利になっている影響をあまり感じない。これは、供給ということだけではなく、輸出事業者に対する利便性や経費削減も兼ねさせる、輸出ワンストップサービス「A.Xi.S」や様々な中古部品販売等を行っている「外商部」や本年立ち上げた輸送会社「フォーカス」など、CS環境の構築による効果も大きい。確かに、高額なトラック・重機を中心に成約率の低下もあるが、輸出事業者はそれならば、低額の産業機械・農機の輸出と、会員様が自然に円高に負けない工夫により対処しているようである。
‐出品実績の推移と各会場の重点課題
小山VT会場は、『世界ナンバー1』の評価を磐石にするために、ハード・ソフト両面にわたり、全力を傾注してCS向上に当たる。特に、敷地の拡張、会場への搬入・搬出サービスの拡充、グループ会場からの映像出品「アライネットワーク映像コーナー」の強化に注力する。
小山4W会場は、地域密着を更に強化し、北関東在住の会員のご商売に役立つ車両の集荷に注力する。
ベイサイド4W会場は、輸出特化、を目指して、時々刻々と変化している世界各国のニーズの情報収集・分析力を強化しつつ、輸出検査・修理や輸出支援サービスが会場内で全て対応出来る全国唯一のオークション会場としての利便性を拡充する。
仙台会場は、東日本大震災で被災した会場だが、9月には会場の復旧が完了し、被災地の復興を支援する体制が整った。復興に必要なあらゆる車両が提供できる会場を目指して、従来からの4WとVT主体の出品構成から、小山VTやベイサイド2Wの支援を受け、他社で真似の出来ない、当社の総合力を活かした開催を通じて、被災地の一日も早い復興を支援していきたい。
2W事業は、ベイサイド会場と福岡会場を擁し、輸出に強く、2W業者だけでなく4W会員も参加できる国内唯一の現車会場である。陸送サービスも含めた輸出支援サービスも準備を進めており、日本国内の相場だけでなく、国際相場も反映した会場の魅力をアピールしている。
‐AI‐NETについて‐
機能強化及び会員増について業界では先駆となる平成10年よりインターネットAAを開始し、その後、KCAA・ベイオーク・BCN各社との共通会員化・インターネットAAの相互乗り入れを経て、平成19年にリアル機能も付加した「AI-NET」とし、リニューアルした。
その後、アイオークとの提携により、AI-NET会員がアイオークリアル接続会場に参加できる「AI-NETアイ」へと発展してきている。昨年から、会員様の要望も強かった流札在庫サービスを復活させる形で「AA在庫サービス」として再スタートしている。現在、AI‐NET会員は9000社近くになっているが、サービス強化を常に行っており、順調に会員数を増やしている。
今後については、例えば、当社のHP作成サービス「A‐imo」との連携、マンハイム・エクスポートトレーダーとのAI-NETを経由した提携など、会員のご商売の役に立つWEBサイトを目指している。
‐マンハイム提携について(NAAAナショナルオートオークション加盟)
昨年12月よりマンハイム傘下のエクスポートトレーダーと日本国内における独占販売契約を締結したわけだが、もともと弊社は平成9年にNAAA(ナショナルオートオークションアソシェーション)に加盟する前より、マンハイムオークションとは様々な展開を視野に入れていた。
マンハイムは世界19ヶ国135会場でオークション事業を行っており、年間出品台数は1000万台を超える。
ポスコンピューターの運営ではないが、「ECRレポート」という電子状態説明票や検査システム、「車両管理システム」、「サイマルキャスト」と呼ばれるインターネットオークションシステム、「マンハイムOVE.」という共有在庫システムなど、日本のオークション企業も見習う部分が多々ある。
現在はマンハイム傘下であるエクスポートトレーダーとの提携が中心であり、昨年より当社の会員が、北米・カナダのマンハイム会場およびマンハイムの提携している会場、計215会場の週間16万台の車両に対し、エクスポートトレーダーWEBサイトでアクセスし車両を購入すれば、購入後の車両を陸送~輸出地通関~海上輸送~輸入地通関までの一環したサービスを利用出来る。
特に、日本への輸入だけでなく、三角貿易、日本より注文して北米で購入~第三国へ輸出、というスキームも出来るので、ビジネスのカバーする地域を全世界に拡げることが出来る。今後は、8000社を超えるエクスポートトレーダー会員の当社オークションへの参加を準備中である。
‐自社の強み(他会場との差別化戦略)
「バントラのアライ」・「世界最大のトラックオークション」というのが当社の最大の強みではあるが、やはり2W・4Wを含めたグループ運営により28000会員に支えられている以上、会員が望む物は何でも揃う・買える会場を目指している。
AXIS・外商・フォーカス・エクスポートトレーダーを通じてビジネスの場を日本国内から海外のどこまでも拡げられるあらゆるサポートをしていく。
‐他AA会場との協力関係(提携)などについて‐
平成17年より、KCAA、ベイオーク、BCN各社との会員共通化やネット相互乗り入れなどの提携を行っているが、各地のJU商組の関係も深い。小山会場の本年関連協のリレーオークション参加が10年目となった。ベイサイド会場においても関連協リレーオークションには参加させて頂いている。
また、エクスポートトレーダーの日本各地の有力AA会場との接続を来年後半より開始を予定している。
さらに中国、台湾、韓国でのオートオークション事業の立ち上げ支援をしてきた長年の経験とノウハウを活かして、中古車事業が確立されていない地域・国への支援を行ってきている。
対象エリアは、中国、インド以外の周辺諸国や中近東、アフリカ諸国も視野に入れた事業性の調査・検討を行っている。
オートオークション事業以外にも自動車用品販売、中古車輸出のワンストップサービス、提携先とのオートオークション会員への資金融資等、幅広い事業を手掛けている。
特に「アライオートオークション小山VT」は、トラック専門AAとして世界一の取り扱い台数を誇っている。その荒井グループの経営トップである荒井亮三氏に、同社のオートオークション事業の現状と今後の課題などについて聞いた。
‐AA市場について(東日本大震災の影響と今年度の実績見通し)-
当社は9月決算のため、平成23年度9月期においては、アライグループ4会場6開催の運営の中、3月の東日本大震災の影響もあり、小山4W・VTの休催や、本来は休催が長期化に渡りそうであった仙台会場で、6回の入札会実施など、変則的ではあったが、計290開催を行った。昨年が293開催のため、AAで言えば9開催の減となる。当然、出品台数においては台数減となったが、成約率は伸びた。2輪AAが95%前後と高成約率状況にあったが、4輪AA・VTAAの成約率が伸張し、グループ全体で、前期比5Pのプラスとなる。「商いの場」の原点に戻ったグループ全体の運営改善もあるが、震災復興支援として、会員様の力も借り、関東玉を中心に仙台会場に供給し、会員様が利益度外視で出品・成約頂いたことなども要因のひとつと言える。今後においても、まだまだ東北市場に対する供給を中心とした流れが続くことから、需要が上回る展開であると思う。
‐現在の円高の影響について‐
乗用車からトラック・建機・重機・産業機械・オートバイと輸出車両が何でも揃うオークション会場として認知されていることもあり、円高で輸出に不利になっている影響をあまり感じない。これは、供給ということだけではなく、輸出事業者に対する利便性や経費削減も兼ねさせる、輸出ワンストップサービス「A.Xi.S」や様々な中古部品販売等を行っている「外商部」や本年立ち上げた輸送会社「フォーカス」など、CS環境の構築による効果も大きい。確かに、高額なトラック・重機を中心に成約率の低下もあるが、輸出事業者はそれならば、低額の産業機械・農機の輸出と、会員様が自然に円高に負けない工夫により対処しているようである。
‐出品実績の推移と各会場の重点課題
小山VT会場は、『世界ナンバー1』の評価を磐石にするために、ハード・ソフト両面にわたり、全力を傾注してCS向上に当たる。特に、敷地の拡張、会場への搬入・搬出サービスの拡充、グループ会場からの映像出品「アライネットワーク映像コーナー」の強化に注力する。
小山4W会場は、地域密着を更に強化し、北関東在住の会員のご商売に役立つ車両の集荷に注力する。
ベイサイド4W会場は、輸出特化、を目指して、時々刻々と変化している世界各国のニーズの情報収集・分析力を強化しつつ、輸出検査・修理や輸出支援サービスが会場内で全て対応出来る全国唯一のオークション会場としての利便性を拡充する。
仙台会場は、東日本大震災で被災した会場だが、9月には会場の復旧が完了し、被災地の復興を支援する体制が整った。復興に必要なあらゆる車両が提供できる会場を目指して、従来からの4WとVT主体の出品構成から、小山VTやベイサイド2Wの支援を受け、他社で真似の出来ない、当社の総合力を活かした開催を通じて、被災地の一日も早い復興を支援していきたい。
2W事業は、ベイサイド会場と福岡会場を擁し、輸出に強く、2W業者だけでなく4W会員も参加できる国内唯一の現車会場である。陸送サービスも含めた輸出支援サービスも準備を進めており、日本国内の相場だけでなく、国際相場も反映した会場の魅力をアピールしている。
‐AI‐NETについて‐
機能強化及び会員増について業界では先駆となる平成10年よりインターネットAAを開始し、その後、KCAA・ベイオーク・BCN各社との共通会員化・インターネットAAの相互乗り入れを経て、平成19年にリアル機能も付加した「AI-NET」とし、リニューアルした。
その後、アイオークとの提携により、AI-NET会員がアイオークリアル接続会場に参加できる「AI-NETアイ」へと発展してきている。昨年から、会員様の要望も強かった流札在庫サービスを復活させる形で「AA在庫サービス」として再スタートしている。現在、AI‐NET会員は9000社近くになっているが、サービス強化を常に行っており、順調に会員数を増やしている。
今後については、例えば、当社のHP作成サービス「A‐imo」との連携、マンハイム・エクスポートトレーダーとのAI-NETを経由した提携など、会員のご商売の役に立つWEBサイトを目指している。
‐マンハイム提携について(NAAAナショナルオートオークション加盟)
昨年12月よりマンハイム傘下のエクスポートトレーダーと日本国内における独占販売契約を締結したわけだが、もともと弊社は平成9年にNAAA(ナショナルオートオークションアソシェーション)に加盟する前より、マンハイムオークションとは様々な展開を視野に入れていた。
マンハイムは世界19ヶ国135会場でオークション事業を行っており、年間出品台数は1000万台を超える。
ポスコンピューターの運営ではないが、「ECRレポート」という電子状態説明票や検査システム、「車両管理システム」、「サイマルキャスト」と呼ばれるインターネットオークションシステム、「マンハイムOVE.」という共有在庫システムなど、日本のオークション企業も見習う部分が多々ある。
現在はマンハイム傘下であるエクスポートトレーダーとの提携が中心であり、昨年より当社の会員が、北米・カナダのマンハイム会場およびマンハイムの提携している会場、計215会場の週間16万台の車両に対し、エクスポートトレーダーWEBサイトでアクセスし車両を購入すれば、購入後の車両を陸送~輸出地通関~海上輸送~輸入地通関までの一環したサービスを利用出来る。
特に、日本への輸入だけでなく、三角貿易、日本より注文して北米で購入~第三国へ輸出、というスキームも出来るので、ビジネスのカバーする地域を全世界に拡げることが出来る。今後は、8000社を超えるエクスポートトレーダー会員の当社オークションへの参加を準備中である。
‐自社の強み(他会場との差別化戦略)
「バントラのアライ」・「世界最大のトラックオークション」というのが当社の最大の強みではあるが、やはり2W・4Wを含めたグループ運営により28000会員に支えられている以上、会員が望む物は何でも揃う・買える会場を目指している。
AXIS・外商・フォーカス・エクスポートトレーダーを通じてビジネスの場を日本国内から海外のどこまでも拡げられるあらゆるサポートをしていく。
‐他AA会場との協力関係(提携)などについて‐
平成17年より、KCAA、ベイオーク、BCN各社との会員共通化やネット相互乗り入れなどの提携を行っているが、各地のJU商組の関係も深い。小山会場の本年関連協のリレーオークション参加が10年目となった。ベイサイド会場においても関連協リレーオークションには参加させて頂いている。
また、エクスポートトレーダーの日本各地の有力AA会場との接続を来年後半より開始を予定している。
さらに中国、台湾、韓国でのオートオークション事業の立ち上げ支援をしてきた長年の経験とノウハウを活かして、中古車事業が確立されていない地域・国への支援を行ってきている。
対象エリアは、中国、インド以外の周辺諸国や中近東、アフリカ諸国も視野に入れた事業性の調査・検討を行っている。