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買取業界の健全化のために日本自動車購入協会を設立。消費者の安心・安全のための様々な施策を実施し、業界の活性化に大きく貢献してきた。今後も適正買取店認定制度を普及させることにより、消費者に一層の安心感を訴求していく。業界にとって、コロナの影響も少なくない。今後マーケット自体が縮小する中、我々は、何を考え、何をすべきなのか、真剣に考えねばならない時期にきている。JPUC井上貴之代表理事に「業界の足下の市況」、「今後の展望」、「どうやって生き残るか」について話を聞いた。(聞き手・近藤厚志)
【足下の市況について】
7月〜9月はオークション相場が高騰し、空前のバブルでどこの買取店もよかったと思う。昨年の10月以降2月までは消費税の反動減で苦しかった上に3月〜6月にかけてはコロナの影響でさらに苦しんだが、7月〜9月は相場は高騰して状況は一転、買取店は一気に良くなった。10月に入りオークション相場も落ち着きはじめているが、どこも仕入れが厳しいと思う。共有在庫も7月〜9月は異常なほどの伸びをみせた。小売需要も異常によく、それによる買取力もつき、台当たりの単価も異常値で本当に凄かった。
【今後の展望】
ただし、これからは本当の不況がやってくるかもしれない。日経平均は実態を反映していない将来の期待値であるが、各社の赤字決算を見ていると今後は大企業ほど大きなリストラが始まるかもしれない。本当に怖いのは来年の6月で、コロナ借入(融資)が満期を迎える。これは短期の特別融資なので、ロールオーバーできない企業が相当数でてくると思う。11月、12月ぐらいから景気の谷が始まるかもしれない。3月〜5月で決算の見通しや結果が出揃う頃には、相当な危機感を持っていなければならない。そういう状況では車を購入どころではなくなるかもしれないので、どうしても車検を通すユーザーが増えてくると思っている。買取に関しては新車ディーラーへ下取りというマーケットの流入があるので、極度に縮小することは無いと思うが、小売市場は厳しくなり、Webマーケティングに投資の出来る大手のシェアは更に伸びると思う。厳しい環境の中では本部の果たす役割は大きくなるのでビジネスチャンスとも言える。7月〜9月のバブルは一過性のもので自動車業界は厳しい時代がやってくるかもしれない。
【どうやって生き残るか】
最も重要なのはITへの投資だと思っている。業務効率、経営効率を高めなければ勝ち残れない。営業マンが営業に集中できる環境づくりが必要だ。次に重要なのは、Webマーケティングをしっかりやっていくことだ。これを抜きに今後の中古車ビジネスでは生き残れないと思う。今は買取専門店という言葉は無くなり、以前の買取店は全て小売も行うのが当たり前になっている。顧客サービスへの意識が低いとブランドネームだけでは生き残れない。何で差別化をしていくかを真剣に考えていく局面にきている。JPUCは、ゼロから1をつくった。とにかく前に進まないと、新しい価値をつくらないと生き残れない。
≪ プロフィール≫
井上貴之氏 (いのうえ たかゆき)
1972年6月東京都生まれ。1995年3月明治大学政治経済学部卒業後、1995年4月三和銀行入行(現:三菱UFJ銀行)。2000年4月株式会社カーセブンディベロプメント入社、2001年12月専務取締役、2004年9 月代表取締役専務、2005年4月株式会社カーセブンディベロプメント代表取締役社長就任( 現任)。2007年有限責任中間法人日本自動車流通研究会(現:一般社団法人日本自動車流通研究所)代表理事。2011年一般社団法人日本自動車流通研究所監事。2012年2月株式会社インスマート代表取締役社長就任(現任)。2014年一般社団法人日本自動車購入協会代表理事就任(現任)2018年一般社団法人新経済連盟 幹事 就任(現任)。
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