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中国経済及び東アジア経済に関する研究促進など目的とする京都大学東アジア経済研究センター(2002年12月に設立された京都大学大学院経済学研究科附属上海センター・改称)は11月5日、京都大学百周年記念ホール(京都市左京区)において「中国自動車シンポジウム・現代自動車から何を学ぶか」を主催した。
世界の自動車市場で販売台数を伸ばし急成長を遂げる「韓国・現代自動車」の成功要因などについて、京都大学大学院経済研究科の塩地洋教授、フォーイン中田徹氏(アジア自動車調査月報編集長)、事業創造大学院の富山栄子教授らが講演を行い、分析結果などを発表した。
【現代自動車躍進の要因】
塩地教授が発表した現代自動車の強み。
1・新興国毎に開発されたボリュームゾーンの車種が多い(日本車は約1・6倍)。2・性能と品質・塗装技術が向上している。3・日本車と比較して性能が同じで価格が安い。4・知覚品質を重視しデザイン力を磨いている(アウディ社からデザイナーをスカウト)。5・新型車の開発プロセスが圧倒的に短い。6・ディーラーを介さずワンプライス価格(直営店)で販売している。7・経営トップのリーダーシップなどや世界各国の販売台数の推移と詳細な分析データを示し、日系メーカーが現代自動車に学ぶべき点は多いとしている。
また、フォーイン社の中田氏も現代自動車の販売台数が2013年に700万台に達する見通しと同社の計画を発表した。
このシンポジウムが開催される3週間前、現代自動車は、インド市場向けに開発した814ccの小型車「イオン(Eon)」を発売した。公表された燃費性能は1リッター当たり21・1kmで価格は26万9000~37万1000ルピー(日本円で約42万~58万円)。
正に講演で塩地教授などが説いた日本メーカーには無い「販売国毎のユーザーニーズに合わせた現地対応モデル」である。
日本の主要なメーカーは、200万円を超える価格でハイブリット車やEV車を戦略車に位置づけているが、新興国向けに低燃費で価格が50万円前後の新型車が発売され、シェアを奪われている。さらに先進国でもエラントラやジェネシスなど洗練されたデザインのセダンが売れている。余り知られていないが沖縄に行くと、レンタカーで現代自動車の「i30」が利用されている。
デザインに加え、性能・装備など更に車の品質が上がり、右ハンドル車を生産し輸出した場合、価格が大幅に安い現代車がPCやスマートフォンのように売れる可能性を否定できない。ディーラー網が構築され、整備や修理など部品普及と保証などが付加されれば、国内メーカーにとって手強い存在になるであろう。
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