日本オートオークション協議会(NAK)/海外中古自動車流通事情視察団香港レポート  消費税・…

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日本オートオークション協議会(NAK)/海外中古自動車流通事情視察団香港レポート  消費税・株など金融取引税・相続税全て0%、法人に20万、18歳以上の国民に7万円を還付した香港

オークション 2011年11月30日
香港市内を一望する展望台での記念撮影

香港市内を一望する展望台での記念撮影

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  一般社団法人日本オートオークション協議会(東京都中央区・澤田稔会長)は、11月13日から18日の6日間(名古屋発は17日までの5日間)、海外中古自動車流通事情視察を実施、香港の自動車販売店などを視察した。

【香港中古車市場視察】
  香港では、現地法人(上優部品有限公司)を展開するユーパーツ(埼玉県熊谷市)の清水信夫会長が共同経営者のVICTOR WONG氏と共に案内役を務めてくれた。先ず訪問したのは、中古パーツ販売のKIT MING Motors、社員数は13名。同社は香港政府の発行する資格を有していることを強みとしている。その入札資格をフル活用し、安定した仕入れを実現し、解体したパーツや車輌をアフリカや中東などへ輸出、事業は極めて順調という。

  次に中古トラックを販売するPakShingAutoを訪問、仕入れたトラックにフィンランド製のピアックなど特殊装備を積載(改造)、月間で約30台前後を販売している(日本で主流のユニックはパワーが小さいため不人気という)。
  この会社の強みはトラックの加装技術で、純正に無いピアックを装着したトラックがよく売れるという。社長のChiuWingKwong氏は、「ただ仕入れて客に売るやり方は通用しない。オリジナルの付加価値を付けて適正な利潤を加えた価格で売ることが成功のキーワードだ」と言う。同社は現在、敷地が手狭になったため新店舗を建設している。新店舗兼工場を見学に行くと、事務所はコンテナを改造し、工場も社員達の手で建設、事務所の地下には日本では建築基準法などが厳しく、おそらく許可が出ないと思われるが、Chiu氏の趣味で巨大なワインセラーが造られていた。

  最後に、フェラーリやベントレー・アウディA8など平均単価が1000万を超える高級車(新車50台・中古車50台)を約100台展示し、毎月100台を現金取引で販売するH・K・L・H・D・Motorsを視察した。同社は主にインターネット上に在庫を登録、中国の顧客が100%という。社長の疎柱氏によると取引は現金が原則、口コミで富裕客に知られており、販売は好調だという。NAKの視察団一行が質疑応答する間にも数組の若い中国人が来店、展示車をチェックしていた。展示場には高級車の中には日本国内では販売されていないQ7の3列シート車やディーゼルV12など珍しい車種が並べられていた。
  香港ではベンツなど左ハンドルは走行禁止。その香港で、平均単価1000万を超える左ハンドル車の専門店を経営し、在庫が月に1回転していることにNAKの視察団一行は驚いていた。

【2枚のナンバープレートを付ける車】
  現地ガイドによると、マイカーでは日本車が信頼度で一番人気だという。実際、道路には多くの日本車や軽自動車も走っていた。またタクシーは全てトヨタのカムリで、市内の営業許可を有する会社と地方とで車体色が分けられていた。
  通常、一般車のナンバープレートは1枚(黄色)だが、中国から出入りを許可された車は黒いナンバーが別に付けられており、2枚のナンバープレートを付け走行していた。
  
【JETRO石原孝志次長による香港概況説明】
  現在、香港の人口は710万人。公用語は中国語(広東語が多く使われている)で英語も多く使われている。役割としては、世界の貿易・物流センター(24時間通関と関税0%で2010年度は世界第3位の貨物取扱量)、アジアを代表する国際金融センター(資金調達と運用)、ビジネスにおける重要拠点として成長を遂げている。
  またアジアの中心に位置し、税制も簡素かつ低税制(法人税16・5%、個人15%、株式・相続税・消費税は全てゼロ%)となっている。前年度は税収が多く、今年に入り18歳以上の国民に一人当たり7万円、法人は1社当たり20万円を還元している。
  デメリットは、国土が東京都の半分程度なので土地がなく家賃が高いことと、人件費が高い2点である。特に家賃は注意しないと、契約更新時に数倍に上げられる可能性がある。
  日系企業の香港活用例を挙げると、ミキモトが真珠製品を香港で生産・加工を行い、ゼロ関税で中国に出荷、肇英もプラスチック製品を香港で生産しゼロ関税で中国に出荷している。

【対中投資に係る規定変更】
  香港政府は2011年10月、人民元建て対中直接投資に係る規定を変更、従来は人民銀行総行の必要としていたが、現在は人民銀行分行の登録で認めるなど、要件を緩和した(身分証としては国際免許証が有効)。
 
【日本との農水産物貿易実績】
  平成22年度日本からの農林水産物等の貿易実績は総額4921億円。ホタテ・アワビ・梨・桃・フルーツなど、日本にとって香港は最大の輸出国になっている。最近はフェイスブックなどを使い日本の情報通が増加しており、これまで有名だった観光名所より和歌山ラーメンや黒部ダム観光など、穴場がブームになっている。
 
【香港に展開する日系企業】
  外食系では、築地銀だこ(たこ焼き)、桜みち(どらやき)、ホットランド(群馬)、味千ラーメン(熊本)、ワタミ(東京)、フレッシュネスバーガー(東京)、一風堂ラーメン(福岡)など。
 小売り系では、ユニー(愛知)、イオン(千葉)、ヴェント・インターナショナル(東京)、ファーストリテイリング(山口)など。

【香港に初進出した日系企業】
  海外初出店は、トリドール(うどんチェーン)が進出、パルコ(ファッション)が駐在員事務所を設立、釜や本舗(うどんチェーン)、コロワイド(居酒屋チェーン・和風ステーキ)、物語コーポレーション(飲食チェーン)を設立している。

【中古車について】
  メンテナンスが不要という理由で故障がない日本車が人気である。但し、土地がなくビルの中に展示されているのが大半で、日本のように道路沿いに店を構えている中古車ディーラーはない。また駐車場も高く、なかなか庶民には手が出ない。

【消費市場としての香港】 
  JETROの石原氏は香港市場について、一定の富裕層の存在、先進地域、日本ブランドが浸透しており、ハイエンド商品が売れる点と年間2,200万人超の中国人観光客が訪問するので、香港で流行すれば中国へ伝わる可能性は高く、中国への足掛かりになると総括した。
 
 【香港視察を通じて】
  商用目的で香港に中古車を輸入するには、輸入者が自動車輸入業者販売者登録をしていること。車両性能として.排ガスおよび騒音が香港の排出基準に適合していること。右ハンドルであること。香港内で使用する自家用車については、輸入手続きから輸入後の車の登録、ライセンス(事前に税関宛に登録が必要)の入手など、様々な規制があるので容易ではない。
  しかし、関税や税金・相続税をゼロ%にすることで国民の住み易さと、世界中の企業(ビジネス)を呼び込み、世界3位の物流拠点を実現、アジアの金融センターを目指す香港には、人と活気が溢れていた。国土も狭く、資源もない国が欧州危機の真っ只中で国民に税金を還付するほど繁栄している。増税論一色の日本と天地の差を感じた。

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【対象評価点】

4、4.5点

【抽出価格条件】

直近価格が500千円以上

【抽出台数条件】

毎月50台以上の流通が過去6ヶ月連続していること