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回避不可能! 部品代上昇

 部品代が上昇している。しかし、現場では部品代の価格上昇について声高に語るものはそう多くない。だが、実際にひとつひとつを見ていくと確実に上昇し続けていることが分かる。
 部品価格の上昇について、現状、海外の状況などについて調べた。

■部品代は上がり続けている

 部品代が上昇している。損害保険料率算出機構による「自動車保険の概況」2013年度版において、1台あたりの修理費費目別構成比の部品費が前年より対物保証保険で0.3ポイント、車両保険で0.5ポイント増加している。2002年度との比較でみても、対物で2.6ポイント、車両で2.8ポイントと、増加傾向にあることは確実であろう(表1)。
 実際、2006年11月から2014年5月までのフロントフェンダーを例にその価格の推移を見ると、価格が上昇を続けていることが分かる(表2)。これは、当該期間に品番に変更がない部品のうちで、フロントフェンダーの平均価格を出したもの。例外なく上昇を続けている。
 また、旧価格に対しての価格変動をみても、価格アップが続いていることが分かる。

■価格アップの実感は薄い?

 とはいえ、「部品代が格別上がっている印象はない」、「見積ソフトを使って、クリックひとつで注文できてしまうため、部品価格への意識が薄らいでいるかもしれない」と、ボデーショップではさほど強く意識されていないように感じられた。このほかにも、価格よりも、配達してくれるかどうか、返品できるかどうかなど、使い勝手の良さを重視している、といった声も聞かれた。
 供給形態については、Assyのみの供給が増加しており、必要な部分のみカットして使用するなど無駄が生じているという指摘もある。「バンパーの供給が色付きからも色なしが増えつつある。現場の作業の手間を考えると大きい」という声もあった。価格が変わらずとも作業の手間が増えれば、実質的に“上がった”と感じることとなるだろう。一方で、「ラジエーターやコンデンサーは価格の安い社外品の影響か、むしろ下がっている印象」。ボデーショップの現場では、外から見えない部分の部品については、カーオーナーの了承を得て社外品を使用するケースが確実に増えているのだという。

■部品価格アップに手をこまねくだけか

 数十年前は、部品代と工賃の割合が5:5だったという。しかし元請け先からの工賃レスが年々上昇しており、実情としては部品代:工賃が7:3まで広がっていると感じる工場が大半である。
 あるひとつの部品をピックアップして、その価格の変遷を追っていくと決して急激に上がっている訳ではないことが分かる。2万円前後のもので1,000円に満たない、あるいはやや超す程度の上がり方だ。しかし、その小さな積み重ねを15年繰り返すと、その間に多少下がる年があったとしても、結果的には1.5倍近くに達している。
 消費者物価指数の変遷をみると、世間の物価が部品価格ほどの上がり方をしていわけではない(表3)。とはいえ、部品代の上昇については、いち事業所がどうこうできることではないだろう。だが、価格上昇している現状を踏まえた上で、作業効率の改善や、無駄を省くことでボデーショップとしてできることを模索する第一歩になるだろう。

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