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AIが車買取査定の予約確認を全件担う nocall、自動車アフター領域で導入拡大

  • nocallの共同創業者兼CEOの林正悟氏にインタビュー nocallの共同創業者兼CEOの林正悟氏にインタビュー
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出張査定の当日キャンセル率は約13~15%から約5~6%に、「電話のインフラ」を目指す

 nocall株式会社(東京都品川区、以下nocall)は、生成AIが人間のように会話しながら電話をかける「nocall.ai」を、人手不足が続く査定や整備の現場の予約確認に使えるサービスとして、自動車アフター領域に広げている。10月1日の取材に応じた共同創業者兼CEOの林正悟氏によると、導入企業は約80社に上り、車買取サービスを運営する企業では、出張査定の当日キャンセル率が約13~15%から約5~6%に下がった。

■教育事業から電話AIへ、自動車を選んだ理由

 nocallの設立は2020年12月で、当初はAI教育の分野で事業を始めた。2023年に生成AIの登場を受けて事業を転換し、2025年初めごろから整備工場の支援を足がかりに自動車分野へ本格的に注力している。林氏は自動車を選んだ理由について、次のように話す。

 「AI電話の効果が最も出やすい業態だからです。査定の申込、整備の予約、車検の満了など、自社の業務から毎月自動的に『かけるべき電話のリスト』が生まれます。しかも相手は、こちらからの連絡を待っている協力的なお客様です」

 背景には人手不足がある。日整連の令和6年度調査によると、整備要員は1事業場あたり平均4.35人にとどまる。林氏は「電話の量は減らないのに、かける人は減っているのが、この業界の構造です」と指摘する。現場では、日中は顧客が電話に出ないため再架電が積み上がり、夕方以降は査定スタッフや整備士が本来の業務で手いっぱいになるという。

 nocall.aiは、電話口の声を文字にする「聞く」、内容を生成AIが理解して返答を作る「考える」、返答を音声で読み上げる「話す」の3つを高速で回す仕組みだ。相手が話している途中で口を挟んでも反応でき、通話中にカレンダーと連動して空き日程を示し、予約を確定させる機能もある。

■事例:当日キャンセル率が約13~15%から約5~6%に

 自動車分野の代表的な成果として林氏が挙げるのが、車買取サービスを運営する企業の事例だ。出張査定の前に行う確認電話は1日100~200件に膨らみ、専属スタッフや査定員が査定の合間に対応していたため、工数の増加が課題となっていた。導入は一部のエリアと時間帯から始まり、人と同等の成果が出ることを計測で確認したうえで全国に広がった。

 当日キャンセル率は導入前の約13~15%から約5~6%に低下し、査定員1人あたりの査定件数は約4件から5.5件前後に増えている。キャンセル1件を5万円の機会損失とみる試算では、査定予定150件ベースで、1日あたり約75万円相当の損失を防いでいるという。林氏は、キャンセルが減る理由を次のように説明する。
「1日100~200件を少人数で回すには限界があり、かけきれない分がそのまま当日キャンセルになっていました。AIは全件に、つながるまでかけ直します」

 架電の30~40分前にSMSで予告し、通話の冒頭で自動音声であることを伝える運用も、応答率の向上につながったという。実際に電話を受けた顧客側の反応について、林氏は「すごく喜んでいただけて、びっくりされていました」と話す。

■向くのは「相手が連絡を望んでいる」電話

 導入に向くのは、会話の流れがほぼ決まっていて、相手がこちらからの連絡を望んでいる業務だ。予約確認やリマインド、申込直後の折り返し、休眠顧客への点検案内がこれにあたる。ユースケースでは、リマインドと問い合わせ直後の即時架電がそれぞれ約2割で最も多い。一方、飛び込みの営業電話やクレーム対応、複雑な交渉や説得は、人が担うべき電話だという。従業員が数人規模の販売店でも導入でき、契約から本番稼働までは1~2カ月が目安となる。準備するのは、架電先リストと現在使っている電話台本の2点だ。

■電話のシステムの「インフラ」を目指す

 今後の目標について、林氏は電話のシステムのインフラになりたいと力強く語る。
「特定の業界の色をつけるというより、インフラとして、いつの間にか何かに使われている存在になりたいと思っています」

 林氏は中古車販売・買取事業者に向けて、「AIに電話を任せるのは、電話を減らすためではなく『本来かけるべき電話をすべてかける』ためです」と呼びかける。インタビューの詳細は、PROTO総研の記事で紹介している。

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