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【特集】自動車販売店の「YouTube」活用

コラム 2023年02月27日
訴求ポイントは「モノ」から「ヒト」「コト」へ

 近年は動画コンテンツを活用した店舗や商品のPRが一般化している。とりわけ動画共有サイト「YouTube(ユーチューブ)」の活用は、その手軽さから、大手資本から中小規模販売店まで幅広く活用する集客ツールとして定着化しつつある。自動車販売店では、主に新車・中古車の車両状態をユーザーに伝えるための手段として活用し始めるケースが多いが、最近では、店舗自体や人物を売り込む内容、クルマ選びを提案するような動画に視聴者の注目が集まっている。ベネッセホールディングスが昨年12月に発表した小学生のなりたい職業ランキングで「ユーチューバー」は3年連続の1位を獲得、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の中でも、圧倒的な支持を集め、社会に浸透している現状が分かる。本特集では、こうした動画配信の活用で成功している販売店の事例を紹介していきたい。 (室田一茂)

◆ユーチューブのサービス開始は2005年12月
 ユーチューブが正式にサービスを開始したのは、2005年12月から。翌06年11月、Google(グーグル)による買収が完了したことで、現在まで大きく成長するが、ユーチューブのブランドは独立したサービスとして提供され続けている。動画の大部分は無料で視聴できるほか、登録ユーザーがクリエイターとして動画コンテンツをアップロードする仕組み。ユーチューブパートナーシップの要件を満たしたチャンネルは、動画本編開始前などに差し込まれる動画CMやバナーなどの広告収入が得られる仕組みがある。最近では、自社のPRツールとしての活用し始めたユーチューブチャンネルの収入が月間数十万円規模を確保できる販売店も多く出始めているということで、自動車業界からもいわゆる「ユーチューバー」に近い存在が目立ち始めてきているのも面白い。

◆「人」に焦点を当てたチャンネルが高い視聴率
 現在の傾向は、商品のアピールというより「〇〇自動車〇〇社長」といった個人のエッジを効かせたチャンネルが人気を博している。もちろん、話題のクルマやサービス、もしくはキャンピングカーなどの現車イメージが伝えにくい商品を説明する動画やこれらを使ったカーライフを訴求するようなテーマも根強い視聴者が存在することは確かだ。新型車が発表された直後には、多くのチャンネルでインプレッション動画が公開されるので、購入の参考にしているユーザーも多いだろう。
 子どもから大人まで、年齢層を問わず活用される動画共有サイト「ユーチューブ」を効果的に活用する販売店を紹介する。

【ケース1】ホンダカーズ野崎
YouTubeは思いが伝わるメディア
自分が好きなモノへのこだわりが差別化

 2019年にYouTube「タイプR鑑定団 F1店長のタイプRチャンネル」を開設し、現在チャンネル登録者数7万6500人を誇るホンダカーズ野崎 松本正美店長。
松本店長は21年にGoogle Japanが選ぶ「日本のユーチューバー100人」にも選出された。また、世界的経済誌であるフォーブス日本版でも松本店長のYouTube活動が紹介されるなど、その活躍は自動車業界に留まらない広がりを見せている。
 「今はコミュニティーの時代。人との交流が情報交換を活発にし、販売へと繋がる。YouTubeは自分の思いが伝わるメディア」と話す松本店長にYouTubeの取組みについて聞いた。
◆大事なのは「思いを伝えること」
松本店長はかねてよりSNSを利用したマーケティング活動に取り組んできた。その歴史はホームページ開設に始まり、facebook、YouTubeへと続いている。一連の取り組みの中で一貫しているのは「思いを伝えること。特にYouTubeでは数を追わない」という。
◆好きなモノへのこだわりが差別化
 松本店長は無限ホンダのF1エンジン設計に携わり、F1優勝という経歴の持ち主。その経験は、独自の強みとして視聴者を惹きつける。YouTubeで発信する情報も市販車とは言えエンジンや走りに関した専門性に富んだ内容が多く、視聴者の「知りたい」というニーズに応え、悩みの解決に繋がっている。また、「シビックタイプR」販売台数日本一の実績を持ち合わせ、YouTubeで情報を発信する上で、この上ない強みを持っている。
 ではYouTubeは強みが無いとできないかという問いに、松本店長は「そういう訳ではない。自分はタイプRが大好き。好きなモノへのこだわりを発信することが大事」と話す。
「例えるならYouTubeは濃い釣り堀のようなもの。知りたい情報に飢えている人が少しでもいれば、その人には刺さる。だから数ではなく、自分が好きなモノをしっかり伝えることが大事。それが差別化になる。マーケティング的にも間違いない」(松本店長)。
◆クルマはコミュニケーションが繋がりやすい
 「YouTubeはビジネスに繋がっている。実際に買取台数、新車、中古車の販売台数も伸びている。YouTubeとクルマは相性が良い。クルマが趣味の人は多い。趣味は自分も楽しめ、視聴者も楽しめる。結果、人とのコミュニケーションに繋がる。

【ケース2】ケーワン(埼玉県越谷市)
公式バーチャルYouTuberで広報活動、車販拡大にも
助手席に乗せたい国民的バーチャルYouTuber「五つ星きらら」さん

中古車販売店「5-STAR(ファイブスター)」を運営するケーワン(埼玉県越谷市、吉田薫社長)は越谷市に5店舗、三郷市に1店舗、春日部市に新たにリニューアルオープンを予定している埼玉県内で勢いのある販売店だ。22年9月には同社SIX店をオープン。5(ファイブ)を超えるという意味合いの同店では、YouTube、Tiktokなどのデジタルコンテンツを配信している。
同社が現在力を入れているのが、公式バーチャルYouTuberでの広報活動だ。マスコットキャラクターは「五つ星きらら」さん。同社のデザイナーがイラストレーターに制作を依頼し実現に至った。きららさんは愛嬌があって可愛らしいアニメーションキャラクターで様々なコンテンツを配信し、これまでにおよそ90万回再生されている。
車に関するナンバーワンのバーチャルYouTuberを目指している。現在は、助手席に乗せたい国民的バーチャルYouTuberというコンセプトで配信を行う。
同社のYouTubeチャンネルは決して車両を販売するというものではなく、同社のファンを増やすことと認知度を上げることが目的となる。デジタルコンテンツを増やしていく中でコメント欄から問い合わせをもらい販売につながる例も少なくないという。
主なコンテンツは、各店舗の車両紹介や車両当てクイズ、職場見学や一問一答の自己紹介、オンライン商談の流れ、車に関するテストや同店営業の紹介、グーネットでの問い合わせランキングなど多岐に渡っている。
同社は45名ほどの従業員中、WEB関連に携わる担当者は15~20名ほどとデジタル分野への人員率が高い。新しいものは取り入れるという社風があり、社員の平均年齢も若い。風通しがよく自由な雰囲気で働きやすい職場だという。
こうした環境があってこそ、最新のバーチャルYouTuberを用いた広報活動が浸透してきた。
同社WEB事業部の浅野美月さんは「別業界からの転職だったので皆さんの力を借りながら何とか頑張っています。勉強して知識の幅を広げ、広報や動画といえば浅野さんと言ってもらえるようになりたい」と話す。
WEB事業部岩田晴香さんは「音響や動画制作の業界から今の職場に入社しました。今の取組は始まったばかりです。これからも楽しいコンテンツを配信できるように動画チームをサポートし頑張ります」と話している。

【ケース3】ルート(愛知県豊田市)
ユーチューブは認知度向上と商品紹介に欠かせないツール
視聴を通じてユーザーとの距離が一気に縮まる

 ルート(愛知県豊田市、井上美鹿社長)は、軽キャンパー「ちょいCam」の販売元として、企画・開発、販売を行っている。同社は「YouTube」(ユーチューブ)を積極的に活用してファンを増加、プロモーションの1つとして確立している。自ら動画に出演している井上社長に導入のきっかけやメリットを聞いた。
◆試行錯誤を重ね内容を変化していく
 初投稿は9年前の2014年7月。当初は「ちょいCam」の商品紹介がメインとなっていた。もともとユーチューブを始めたのは、商品の良さがパンフレットなどの紙より動画の方が伝わりやすいと感じたから。17年には方向転換を行い、インフルエンサーへの依頼を開始。同社のチャンネルへの出演や、相手チャンネルに井上社長が出演するなどで、商品や店舗の紹介動画を投稿した。井上社長は「インフルエンサーには元々チャンネル登録者が多数いるので、一時的な視聴者数増加にはつながるが、自社のチャンネル登録にはつながらないケースがあった」と話す。そこで、21年12月から井上社長のソロキャンプ体験動画に大きく舵を切った。ユーザーが本当に知りたいのは、「ちょいCam」を実際に使用した際の使用感であり、ソロキャンプ動画はそれにマッチしていた。また、撮影は社長一人で行うため時間調整がしやすい上に、コストもかからないことが方向転換の要因でもある。
◆ユーチューブのメリットは多い
 ユーチューブのメリットについて購入検討者との「初対面のハードルが低い」と井上社長は話す。同社は全国各地のキャンピングカーフェアに出展をしているが、ショーに訪れるユーザーの中には事前に動画を見ている場合も多い。その場合、初対面にありがちな『高い警戒心』が緩んでおり、最初からフレンドリーな関係で話すことができる。また、動画投稿により認知度が向上、イベントの集客増加はもちろんのこと、事前に商品を理解しているので、商品説明の時間が短く、多くのユーザーと接客をすることができる。
◆ユーチューブを通じて社会貢献につなげる
 今後について井上社長は「ソロキャンプの最終日に清掃活動を行い、動画にしているが、多くの仲間に賛同していただき、活動の幅が広がっている。今後は基本的に非営利活動の動画にしか出演しない、各エリアの『ゆるキャラ』とともに清掃活動を行い社会に貢献していきたい」と話す。

【ケース4】バディカ(香川県高松市)
チャンネル登録者数は半年で5万人以上拡大
「急成長クリエイター」にも選出され注目集める

 バディカ(香川県高松市、中野優作社長)では、2021年8月から「YouTube」(ユーチューブ)上で、自社ユーチューブチャンネル「バディカチャンネル」をスタートした。22年9月末からは趣向を変えて中野社長が自ら登場し「中野優作/忖度(そんたく)無しの車屋社長」と名称変更して中野社長自らが動画で語るスタイルに転換、クルマ選びのノウハウなどに特化した情報発信を効果的に行う。買い替えのタイミングや中古車選びのポイントなど、ユーザーが気になるポイントを紹介していくスタイルで一気にファンを拡大、2月14日現在で5万8000人のチャンネル登録者数を誇る急成長を見せる。
◆ユーチューブ「急成長クリエイター」に選出
 同社のユーチューブチャンネルは昨年末「急成長クリエイター」に選出された。約半年間で5万人以上のチャンネル登録者数を獲得しているが、視聴回数の多い動画では、45万回を数えるなど、これまでの総視聴回数は1483万2153回(2月14日現在)を数える。
◆「業販日本一の車屋社長」として疑問に答える
 同社はオートサーバーを通じた業販台数で全国第1位の実績を上げる。業販のノウハウを最大限生かした、ユーザーの新車選びのポイントなどを紹介する。中野社長がこだわるのは「情報の質」に他ならない。動画の見せ方にも最大限注意を払う。制作会社と共同で制作する同社のユーチューブ動画は、サムネイルへのこだわりやインサート挿入、画面の切り替え、字幕挿入、音楽などにもこだわる。ユーザーから見ると、完成された「プロ」の動画がそこにはある。動画の公開件数についても、月10本程度をコンスタントにアップし、現在までに200本近い動画が公開されている。
◆想像を上回る影響力、問い合わせ件数は急増
 ユーチューブで中野社長自身や会社が注目集める中で、月400~500件程度の問い合わせが入るという。「中野社長から買いたい」と指名されるケースもしばしば。中野社長ファンとして入社を志望する若者が同社の門を叩くなど、人材採用にもつながっているという。
最近では、ユーチューブ上で特に有名なインフルエンサーたちとの交流を強めており、こうしたインフルエンサーとのコラボレーションなどを通じて、会社価値の向上にもつなげる考え。ユーチューブで発信することで、社内の成長にもつなげ、社員への会社理念浸透にも一役買っているという。

【急速に進むソーシャルメディアに対応し「ヒト」「コト」を訴求へ】
 ここ数年は、YouTube(ユーチューブ)を活用する販売店が増加、店舗や商品のPRの手段として有効な手段だが、最近では動画として発信する「情報の質」や動画の作り込みによる「エンターテインメント性」や「クルマのプロの視点」などが求められる傾向にある。ユーチューブだけに止まらず「Instagram(インスタグラム)」のアプリ内でライブ配信できる「InstagramLive(インスタライブ)機能や無料動画アプリ「TikTok」を活用した短編動画の活用などで、販売店だけでなく、個人(名物社長・店長、イケメンの営業スタッフなど)に特化した、よりパーソナルな情報発信に人気が集まる傾向にある。また、動画中のインサートや字幕、サムネイルの魅せ方など、動画クリエイターとしての「プロ」の仕事が求められるのも実情だ。
 今後は異業種のインフルエンサーとのコラボレーションなども進み、「自動車」という商材にとらわれない動画配信で「ヒト」「コト」を売り込むことが大きな差別化につながることは間違いないだろう。

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4、4.5点

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毎月50台以上の流通が過去6ヶ月連続していること