令和最新版【査定検査ガイド】㉕ミニバン・SUVチェックの落とし穴 - グーネット自動車流通

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令和最新版【査定検査ガイド】㉕ミニバン・SUVチェックの落とし穴

整備 2024年05月25日
会社名:ジャッジメント

 街中を走っている車に目を向けると、ミニバンやSUV形状の車を多くみかけます。こうした状況は、平成時代からの傾向であり、今では小型から大型サイズまで多様なモデルが販売されています。査定案件としても軽自動車を除けば、ミニバン・SUVモデルがかなり占めているのではないでしょうか?実はこのジャンル、修復歴チェックでは要注意の場所があります。

●修復歴チェックの常識が通用しない?
 ご存じの方も多いですが、修復歴のチェックは『まずは外板部位、次に骨格部位の状態確認』が基本。なぜなら衝突によって発生する衝撃エネルギーは、必ず車体の外側から内側へと波及するからです。そこで、『あ、ボンネットの取付ボルトに回し跡があるから注意しないと!』と、なるのです。
 しかし、それが通用しないケースが、ミニバン・SUVモデルの査定で頻繁にみられます。注意すべきは、最も損傷リスクの高いフロントエリア。まずは画像①をご覧ください。
 外板部位の状態をまずチェックする際、皆さんは①ボンネット②右フロントフェンダー③左フロントフェンダーのどこからスタートしますか?最初に①ボンネットをチェックする方、要注意です。
 
●ボンネットの取り付け位置が高すぎる
 フロントエリアの主要エリアを覆うボンネットの状態は、衝撃波及を疑ううえでの“バロメーター”的存在です。『ボンネットに異常はみられないので、骨格部位は大丈夫そうだ・・・』そう判断する方も多いはず。しかし、大型ミニバン・SUVモデルの場合、ボンネットが他のボディ形状に比べて高い位置に取付られている為(画像②)、事故による衝突でも損傷を免れることが多いのです(画像③)。画像③をご覧いただくと、バンパーからフロントフェンダーへと損傷が拡大していますが、ボンネットは無傷です。この車体の骨格部位を観察してみると、フェンダーステーが接合されているフロントインサイドパネル先端部分に大きな損傷がみられます(画像④赤丸内)。ミニバン・SUVモデルが怖いのは、ボンネットだけでなく、フェンダーステーが車体の低い位置にある点です。こうした構造的特徴により、バンパーが押されてしまうと、簡単にフェンダーステーへと衝撃が波及してしまうのです。

●板金修理も見逃せない
 今回はわかりやすいように大きく損傷した現状車の画像を掲載しましたが、パネル交換せず板金修理ですんだフロントフェンダーでも、ステー部分が損傷・修正された個体を査定現場でみかけます。『ボンネット、左右フロントフェンダーの取付ボルトに回し跡がないので、大丈夫!』と、普段判断されている皆さん、30系アルファード、80系ノア・ヴォクシーの査定をする際には、こうした点にご注意ください。

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