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川崎大輔のアセアン市場まるわかり⑪

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アセアン最大の中古部品市場マレーシア

 マレーシアはアセアン最大の自動車中古部品の集積地だ。日本から輸入されたこれら中古車部品が、ハブであるマレーシアに集約された後、世界各国へ再輸出されている。クランと呼ばれる最も大きな中古部品集積エリアを訪問すると、コンテナを積んだトラックが大きな音で走り回る光景に出会う。両脇に騒然と山積みされた自動車のエンジン、ハーフカット、ノーズカットの景観に圧倒される。鉄屑やエンジンがずらっと並ぶ。海外からのバイヤーは「目移りする。宝の山のようだ」とつぶやく。

 マレーシア自動車リサイクル協会(MAARA)のデータによれば、マレーシアに集まる自動車中古部品の80%以上が日本からの部品となっている。取り扱われる主要な中古部品は、エンジン、変換機に次いでオルタネータ、スタータの比率が高い。足回り系の部品以上にモーター系が多い。日本で発生した中古部品は走行距離や使用年数が少ない。そのため優良な中古部品発祥地という世界共通の認識があり人気があった。日本からの商品がマレーシア国内で流通するのは20%ほどで、残りの80%が海外へ流れていく。ハブであるマレーシアに集約された後、再輸出されるのだ。

 しかし、マレーシアに変化の波が押し寄せてきている。今までの中古部品のビジネスは、日本で商品価値がなくなった商品(中古部品)をマレーシアで販売をするというモデルであった。しかし、日本のマーケットではHV(ハイブリッド)車などが売れ筋となってきている。また、車全体の中で、軽自動車の保有台数が増えてきている。日本の独自規格の軽自動車部品の商品価値があるのか不明だ。

 さらにメーカーは同じ車種であっても日本仕様とアセアン仕様で分けて、少しずつ仕様が異なる車を販売するようになってきている。そのような中で、日本からの中古部品の需要と世界で供給される中古部品とにギャップが生まれてきている。転換期の市場には、常に新たなビジネスチャンスが生まれる。中古部品流通を再構築していくことでより大きな産業へと発展を遂げる可能性がある。

<川崎大輔 プロフィール>大学卒業後、香港の会社に就職しアセアン(香港、タイ、マレーシア、シンガポール)に駐在。その後、大手中古車販売会社の海外事業部でインド、タイの自動車事業立ち上げを担当。2015年より自らを「日本とアジアの架け橋代行人」と称し、Asean Plus Consulting LLCにてアセアン諸国に進出をしたい日系自動車企業様の海外進出サポートを行う。専門分野はアジア自動車市場、アジア中古車流通、アジアのアフターマーケット市場、アジアの金融市場で、アジア各国の市場に精通している。経済学修士、MBA、京都大学大学院経済研究科東アジア経済研究センター外部研究員。



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