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【特集】EV中古車市場の現状と分析

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新車市場は拡大、中古車市場においても高まる存在感、日産「サクラ」の登場で中古車ユーザーの選択肢に追加

 日本自動車販売協会連合会(自販連)が発表した2025年の燃料別登録台数統計(乗用車)によると、電気自動車(EV)の登録台数は、乗用車全体が前年比0.4%増の253万3523台の微増だったのに対し、EVは同17.1%増の3万9885台で、5000台以上の大きな伸びを見せた。依然として、市場全体に占める構成比は低いものの、着実にEV市場が拡大していることがうかがえる。直近の25年12月においても、月間で4100台のEVが登録された。今号では、車ポータルサイト「グーネット」の掲載車両情報やオートオークション(AA)相場検索「データラインプロ」の情報、業界関係者へのヒアリング内容などをもとに、EV中古車市場の動向を探っていきたい。 (室田一茂)

【25年新車登録はHV、PHV、ガソリン車が微減、EVは2ケタ増を記録】
 自販連統計によると、25年の登録乗用車の新車販売台数は前年実績をわずかに上回る状況だった。HVが前年比0.8%減、ガソリン車が同0.7%減、PHVが同4.5%減と軒並み、前年実績を下回ってしまった。一方のEVは、年間5回、単月で4000台を上回るなど堅調に推移した結果、同17.1%増という高水準の伸びを見せた。

【EV中古車販売は年々増加傾向に、日産「サクラ」の登場が大きなきっかけ】
 プロトコーポレーションは今回、グーネットへの掲載台数推移を23年5月まで遡って分析した。23年5月時点のEV掲載台数は3832台に過ぎなかったが、24年に入り一気に掲載台数が拡大した。そのきっかけとなったのは、22年6月発売の日産「サクラ」の登場だ。23年に入って徐々に掲載が始まったが、24年に入り、大幅に掲載台数が増大、最も多かった25年4月には1296台に増加、EV全体では25年3月の6781台をピークに安定的に6000台を上回る掲載台数で推移している。2代目を中心に中古車市場にタマが増えた日産「リーフ」に次ぐ掲載台数になった「サクラ」がEV中古車の認知拡大に大きく貢献する。

 「サクラ」の中古車は割安感が高く、高年式でも200万円以下のプライスが目立ち、ユーザーのニーズにも合致しているという。近畿地区の日産系では「サクラの登場は大きい。EVは新車市場では比較的高価な部類に入るが、中古車市場では手頃感が訴求できる。これにより新たな市場を形成した格好だ。EVが一般的となり、ユーザーの選択肢の一つとして注目されている」と、EV中古車の拡販に手応えをつかむ。

 グーネットのEV中古車掲載台数(2025年11月)を見ると、1位の日産「リーフ」(1091台)は鉄板だが、2位に日産「サクラ」(866台)、5位に日産「アリア」(157台)がランクインするなど、日産ブランドが主体となっている。海外ブランドからは、3位にテスラ「モデル3」(251台)、4位にBMW MINI「MINI ELECTRIC」(243台)がランクインした。

 「サクラ」の中古車が流通し始めた23年の夏頃まで「リーフ」の掲載台数が2000台を超える状況だったが「サクラ」の登場とともに少しずつ減少していった格好だ。一方の「サクラ」は24年末あたりから1200台を超える掲載台数が続いたが、25年8月以降は1000台を切る状況だ。「リーフに比べても、サクラへのユーザーの反応は格段に良い。値頃感や使い勝手の良さなど、比較的限られたエリア内での移動手段として認知されている」(近畿地区の中古車販売店)という。

 「サクラ」のグーネット平均価格(26年1月17日時点)は、152万4000円程度。先進のEVがこの価格で手に入るのは魅力的だ。東海地区の中古車販売店では「24年比でEV中古車の販売台数は微増。ただし、店舗によって販売台数に大きな差が出ている。新車販売の低迷で、下取り車が減少しており、在庫車両は減っている。このため、AAによる仕入れも行っているが、EVの販売知識が豊富な店舗ほど、積極的にEVを仕入れ、実績につながっている」という。
 EV中古車の販売には、ある程度の商品知識や提案力が必要なことは確かだが、本腰を入れて小売りに注力している販売店では、着実にEVの販売シェアを拡大している。

 ただ、ディーラー店舗を除くほとんどの販売店がEV中古車の販売に半信半疑なのではないか。九州地区の中古車販売店では「EV社会への転換を見据え、店舗に充電設備などを設置しているが、販売となるとまだまだ判断しかねている状況。数台の在庫車は仕入れているが、これからどのような動きをするか、見極めているところ」だという。また、前出の東海地区中古車販売店でも「まだまだEV販売に抵抗があるスタッフがいるので、販売スタッフの意識改革を行う必要がある」と見ている。同じような感覚の販売店も多いと想像できるが、EV販売に取り急ぎ必要なことは、商品知識の習得や利用シーンの想起だろう。ガソリン車やHV、PHVなど、幅広い車種を販売する中の1つとして、EVへの関心を高めることが必要だろう。

 こうした中、ディーラー店舗では、EV新車販売の加速と合わせて、EV中古車強化の流れが強まっている。BYDオートジャパンでは「中古車販売は24年4月から開始、24年こそ39台に止まったが、25年は230台に上った。取り扱い拠点も全国35店舗以上となり、高年式車を中心に販売が進んでいる」という。

 BYDオートジャパンでは、25年に認定中古車保証の内容充実を図り、業界最長の10年/30万㌔㍍保証、メンテナンスプラン充実などを行い、EV中古車購入の安心感を訴求している。

 数多くの新型EVが登場する中で、AA流通の現状はどうだろうか。東海地区のAA会場では「EVの出品比率は約5%。年間を通じて比率に大きな変化はなし。成約率も60%前後で推移している。『リーフ』や『サクラ』は輸出会員の引き合いが強く、成約率が高い。EVのバッテリーを保証する会社と協業し、EV用電池の保証付き車両の出品を実施している」という。

 また、他の会場でも「日産のEV3車種の出品台数は前年比で増加している。特に『サクラ』は22年発売ということもあり、伸び率は一番高い。EVについては、輸出先の補助金の有無によって需要が大きく変化するため、AA落札金額に大きな差が出る。活性化の取り組みとして、EV用電池の劣化度がわかるよう、出品車両画像の中に、残セル数が分かる写真を掲載している」(東海地区AA会場)と、AA会場においてもEV普及を見越した取り組みが進行しているが、主なプレーヤーは中古車輸出事業者が占めているという。

 AAにおけるEV出品台数は概ね月間2000台程度で推移している。統計のある23年5月以降を見ても、急激な伸びはないが、堅調に出品台数が増加、23年5月当時では50%前後で推移していた成約率は、直近では60%台で安定推移しており、平均成約価格も当時の110万円程度から、最近では、180万円近い水準で推移している。中でも「サクラ」は直近の平均成約価格が120万円台で安定推移している。比較的高年式のEVが店頭で100万円台前半から選べる状況は、EV購入に抵抗感のあったユーザー層の背中を押す要因になり得るので、販売店の意識次第では、十分に拡販しやすい商品だと言える。

【EV中古車販売は徐々に浸透、一方で海外流出が課題】
 こうした中で、われわれ業界関係者が危機感を感じなければならないのは、EV自体やそのバッテリーの多くが海外に輸出されている点だ。欧米に比べて、国内市場におけるEVのシェアが伸び悩む日本ならではの課題だが、循環型社会の形成や資源の確保という観点からもこうした国外流出を防ぐ手立てが必要なのではないだろうか。こうした動きに危機感を持った課題解決の動きが官民一体となって進んでおり、次のインタビューを参考にしたい。

【インタビュー】
REVortex最高戦略責任者の田中健氏に聞く

EVバッテリー国外流出の危機と日本の対応
官民一体化による国内循環型経済の構築が必須

 現状、日本国内で流通する中古EVの多くは海外市場へ輸出されており、これに伴い、高性能なEVバッテリーも国外に流出している。この現状を、経済安全保障上の重要な課題として捉え、官民が一体となり、課題解決に向け取り組んでいる。そのような中、精力的にEVのバッテリー循環を中心としたサーキュラーエコノミー(循環型経済)を推進し、BASC(電池サプライチェーン協議会)会員である、SOMPOホールディングスグループのREVortex(東京都新宿区、楢﨑浩一CEO)最高戦略責任者の田中健氏に現状の問題点や今後の取り組みについて話を聞いた。

【中古EVの海外流出のリスクとは】
日本国内で下取りに出された中古EVの8割以上が海外に流出しているという推計試算がある。海外流出の過程で、日本が長年培ってきた高性能かつ安全性の高いバッテリーの耐久性や性能に関する重要な技術データ、ひいてはやリチウム、コバルト、ニッケルといった希少資源が他国に渡るリスクが高まっている。

【なぜ中古EVは国外に流出するのか】
 中古EVが海外に流出する理由は、インフラ未整備や性能劣化不安などの要因で一般的なガソリン車と比較すると取引価格が低い傾向にある。そのような中、中古車として流通するEVの多くは需要の高いニュージーランドや東南アジアなど海外へ輸出され、結果として、EVに搭載されている蓄電池の国外流出が問題視されている。

【国内循環型の取り組み事例は】
 同じBASC会員であるユー・エス・エス社と協業し、2025年9月からバッテリー容量保証の加入権利が付いた車両の出品を一部会場でスタートさせた。この取り組みにおいての当社の役割は、デジタル技術を活用した車載電池のデータ解析によるとバッテリー性能保証を提供し担っている。結果、国内事業者への売却比率向上と25%程度の価格上昇が確認されている。

【ユーザーを巻き込んだ取り組み事例は】
 ヤマハ発動機と「職域向け二次リース事業および自動車用電池の小型モビリティへのリパーパス実証事業」の協業を25年10月から開始した。これは、当社が車両診断を行い、調達したEV車をヤマハ発動機に性能・残価保証付きリース商品として安価なリース料で提供することでし、従業員等に中古EVの安価なリース料で利用使用を推進するしてもらう。この車両がリースアップした場合後はは、搭載していた車両を解体し、EVバッテリーはを、リパーパスバッテリーとして、再度、同社が開発・製造すしているゴルフカートなどの小型モビリティ用にリパーパス提供する。これにより、EVバッテリーリース車両のから小型モビリティへのEVバッテリーの再利用循環が実現できる。

【官民が一体となった今後の取り組みとは】
経済産業省やBASC電池サプライチェーン協議会等で並行して実証中のの案件を通じて「日本版電池パスポート」とあわせ、でサーキュラーエコノミーを実現し、情報データと物の流通を社会全体で拡大し、サーキュラーエコノミーを実現コントロールしていかなければならないと感じている。

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