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ジップ大阪/会場長ポストを新設=倉田至宏氏が会場長に就任

  • 倉田会場長 倉田会場長
 ジップ大阪会場(兵庫県西宮市)は、2月1日から「会場長」の役職を新設、同社の倉田至宏(よしひろ)氏が就任した。就任の抱負などを聞いた。

-容姿からしてお若いですよね。年齢やプロフィールを教えてください
「昭和49年生まれ、奈良県出身の36歳です。二児の父親で、趣味は子どもと遊ぶことです」

-おそらく、全国のオークション会場で最年少の会場長かもしれませんね。ジップ勤務歴は長いんですか?
「もう14年目になります。平成9年に、当時の運営母体だったFAIA(外国自動車輸入協同組合)に入社しました。FAIAは月一度のペースで輸入車オークションを開催していたのですが、当社会長の岩本(岩本隆昌会長)が当時、FAIAの大阪地区の支部長をしており、私の親が知り合いだったことから、ウチに来ないかと声を掛けていただいたのが入社のきっかけです」

-入社する前は?
「天理大学の学生でした。天理大学といえばスポーツ強豪校として有名ですが、私は特にスポーツをやっていたわけではなく、自宅から通いやすかった天理高校に入学し、大学も天理大学に通いました」

-当時からクルマ好きだったのですか?
「クルマは人並み程度に好きでしたね。でも、外車好きだったわけではなく、当時主流だった3HB(3ドアハッチバック)のグランドシビックに乗っていました。当時は走り屋が街中をうようよしていましたが、私は走り屋とかではなく、純粋に車を手に入れてドライブを楽しむのが目的でした。当時は同級生や友人も、車が欲しいがためにせっせとアルバイトをし、ローンを組んで車を買っていました。若者の車離れが深刻になっている現在の自動車業界からみれば、夢のような時代でしたね」

-入社してみて、いかがでしたか?
「入社当時は結構とまどいました。オークションというのはテレビ番組の『ハンマープライス』などで見かける手ゼリというイメージを持っていたので、機械を使ってポスで粛々と競る光景は最初とまどいましたね。しかし、そのうち、フェラーリやカウンタックといった、ものすごい車がたくさん会場に搬入され、それを間近で見て触れる贅沢な仕事についているということに感動し興奮しました」

-どんな業務を担当したのですか?
「クレーム係を仰せつかりました。当時、輸入車は国産車と比べて故障が多く、また、当時はオークションのクレーム規定が今ほどは整備されていなかったこともあり、先輩や当会場のオークションスタッフ(委員)のアドバイスをいただきながら、ケースバイケースでクレームを解決に導くのは大変でしたが、良い勉強をさせていただきました」

-入社して早々にクレーム係とは、苦労されたでしょう?
「そうですね、見てくれからして手強い雰囲気のお客様もいらっしゃいますし(笑)。でも、オークションは会員さんがクルマという財産を出品してくださる真剣勝負の場です。向こうもプロならば、こちらもプロでなければならないんですが、私ときたら、入社してしばらくは、中古車の価格は市場からの引き合いで決まるということも知らなかったぐらい素人でした。たとえば、あるクレーム対応の際のこと、ベンツS500とS600では、S600のほうが新車価格が高いんですが、中古車はS500のほうが高いといったことすら当時は知らず、火に油を注いだこともありました」

-その初々しかった倉田さんも、会場長になられました
「会場長に推していただいた当社社長の神川(神川薫社長)をはじめ、先輩やスタッフ、日々利用くださる会員の皆様に感謝しております。本当に身の引き締まる思いです」

-貴会場は何名で運営されているのですか?
「会場の専任スタッフは10名です。そのうち、書類や経理の専属担当者を除いて、スタッフの多くが営業やクレーム対応など複数の業務を兼務しています。また、オークション運営をサポートしてくださるオークションスタッフ(委員)をはじめ、多くの皆様のお力添えを得て運営しております」

-仕事の醍醐味はどんなことですか?
「輸入車を扱っている販売会社や専業者の社長をはじめ、輸入車業界に携わる人々に共通するのは、『こだわり』を持っていることです。それぞれ独自のこだわりを持った、そうそうたる顔ぶれが会場にお越しになります。そういった方々と日々接することができるのはオークションに携わっているからこその『役得』だと思っております」

-輸入車専門会場の強みは何ですか?
「輸入車という専門性の高い商材に対して強いこだわりをもった会員とともに、長年にわたり輸入車オンリーで会場を運営してきたという当社のこだわりはどこにも負けないと思います。こだわりをもった輸入車業者のもとには、こだわりをもった消費者が集まります。ただ、消費者が『こだわり』を叶えるにはそれなりの金銭的覚悟が必要でした。かつての輸入車は、オートマ滑りやエンジンブロー、電気系統のトラブルなどがしょっちゅうありましたが、輸入車の品質はこの10年ほどで格段に向上し、故障が激減していると日々実感しております。実際、クレーム発生件数は以前と比べて劇的に減っています。信頼性の高まった輸入車に従来よりももっと気軽に乗っていただきたいですし、国産車とひと味もふた味も異なる輸入車に乗ってもらうことで消費者に満足していただき、結果として輸入車業界が活性化してほしいです。我々は、長年培ってきた『こだわり』を活かして、そのお手伝いができればと思います。また、当会場は開催規模がこじんまりとしていることが、逆に強みであると考えています。出品車を丁寧に検査し、正確かつわかりやすい車両状態表示を実施できますし、セリも一台一台丁寧に競ることができます」

-貴会場の課題点は何ですか?
「自動車を取り巻く環境が大きく変化している中で、こだわりをもった会員のビジネスにどのように応えていくかという点です。輸入車のビジネスシーンにおいて、『ジップがなくてはならない』会場として存在価値を高めていかねばなりません。そのために、会員企業の社長や担当者の率直なニーズを把握し、いかにパイプを構築することができるかが大切だと考えています。こういった取り組みを通じて、通常開催時300台、記念開催時は350台の集荷を確保したいです。また、数年先を見据えた取り組みとして、『ジップファンづくり』にも取り組んでいきたいと思います。ダイレクトメール送付など入会促進活動に加え、従来から好評をいただいている『ヴィンテージカーコーナー』の特設などを通じて、当会場の個性をアピールしていきたいと考えております」

-ご自身の課題は?
「会場長という責任ある立場への抜擢は、私への期待の表れと感じています。その期待に応えられるよう、スタッフとともに、よりよい会場運営にまい進していきたいと思います。あと、少し言いにくいのですが・・・。私が輸入車に関わるようになって十数年経ちますが、実はまだ輸入車を一度も所有したことがないんです。借りて乗ることは多いのですが・・・。現在はホンダのS‐MXに乗っていますが、会場長就任を機に輸入車を購入するつもりでおります」

(久保元)

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