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【コラム】 将来の「クルマ好き」をどれだけ作れるか

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~「クルマ離れ」の進行を抑え将来の需要創出へ布石を~

 11月29日の日曜日、大阪の目抜き通りである「御堂筋」をフェラーリF1が駆け抜けるという前代未聞のイベントが行われた。大阪市や大阪府などが協力開催した「御堂筋オータムパーティー2015」というイベントでの試み。あらゆる規制や「前例がない」といった断り文句が大勢を占める『行政』が動いた歴史的イベントとして、大変嬉しいニュースとなった。イベントを通じて、「クルマ好き」となった若者や子どもたちも少なくはないはずだ。橋下徹・大阪市長と松井一郎・大阪府知事らによる、粘り強い交渉や根回しがこうしたイベントを実現させたのだ。

 いつ頃からだろうか?「クルマ離れ」という業界関係者にとっては、大変耳障りな言葉が新聞やテレビなどの媒体を通じて発信されるようになってきた。多くの場合は、新車や中古車の販売低迷などを発信するニュースの中で、当然のように使われるが、その根拠も判断しづらく、『何となく』納得してしまう自分たちが空しくなる。景気低迷や少子高齢化社会の進行などを背景に、当たり前のように使われ始めた「クルマ離れ」という言葉だが、われわれ自動車業界に身を置く者としては、言葉として発するのはもちろん、出来れば聞きたくないフレーズである。

 12月4~7日の4日間、大阪南港で開催された「第9回大阪モーターショー」では、初の試みとして、小学生以下の子どもを「入場無料」とした。記者発表の場でこれに言及した堀内俊樹大阪モーターショー実行委員長は「将来を託す子どもたちに見てもらいたい。子どもたちに訴求することで、クルマ離れに対応したい」と力を込めた。

 異業種の話になるが、バブル崩壊とともに、一気に「斜陽産業」となったウインターリゾート業界が面白い試みを行っている。「雪マジ!19」というキャンペーン。毎年19歳の男女を対象に、全国190カ所もの対象ゲレンデのリフト券が無料となるというもの。リゾート再生で有名なマックアースグループが最初にやり始めたと聞くがその根拠は至って簡単。社会人にしろ、大学・短大・専門学生にしろ、初めて自分たちの意思でスキー場に行き始める19歳を無料にすることで、翌年以降のリピーターにつなげていくという仕掛けだ。一度、雪山の魅力を体感したら、毎年冬になると、そこに出かける習慣が付くという考え方で、19歳の時に散々雪山で遊んだ若者が翌年から大人しくしているはずはない。

 捉え方次第で、業界の前途はとてもアグレッシブなものとなる。「クルマ離れ」という悲観的な言葉を発する前に、それぞれが今いるポジションで「クルマ好き」をいかに創出し、育てていけるかを改めて考えてみたい。
    (室田 一茂)

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