晩秋の１１月２９日（日）の午後、大阪の目抜き通り、御堂筋で開催された「御堂筋オータムパーティ２０１５（御堂筋ワンダーストリート）」において、歴史的な出来事が起こった。フォーミュラ１（Ｆ１）のレーシングマシンが御堂筋を駆け抜けたのだ。御堂筋を通行止めにして、あの皇帝ミハエル・シューマッハが６度目の世界チャンピオンを獲得したＦ１マシン、「フェラーリＦ２００３−ＧＡ」が甲高いＶ１０サウンドを奏でながら、大阪の中心地のビル群の中を駆け抜けた。

　このイベントの計画者でもある橋下徹・大阪市長と松井一郎・大阪府知事は開会セレモニーの場で、幾度とない問題を乗り越え、ようやく実現したことを明かした。「大阪府と大阪市が手を組めば、無理だと思っていたことだって出来るんだという事を皆さんに伝えたかった」と熱く語った。さらに橋下氏は「日本も法改正が進み公道でのレースが出来るようになるかもしれない。そうなれば、ここ大阪が一番に名乗りを挙げたい」と続け、観客からは大きな歓声が上がった。

　最高の開会式の後、地元大阪府出身で元F１ドライバーの中野信治氏がマシンに乗り込み、司会者と観客のカウントダウンに合わせてエンジンを点火。松井府知事のスターティングフラッグを合図に、多くの観客が沿道を埋め尽くす久太郎町３交差点から南船場３交差点までの約５００メートル区間をじっくりと３往復して観客の視線を釘付けにした。
　
また、Ｆ１マシンによるデモランの後には、フェラーリの限定モデルを中心とした１００台のスーパーカーによるパレードが行われ、観客の興奮は最高潮に達した。

　日本国内で車離れが指摘される中、こうした「夢」のある自動車イベントは、最良の需要喚起になるのではないか。自動車産業に支えられ発展した日本だからこそ、車文化を作り上げていくべきなのではないだろうかと強く感じた。