中古車大手7ブランド
利益を争うのではなく「信頼」という土台を共に作る
中古車業界の信頼回復と商談力の向上を目的とした「合同接客大会」が12月17日、ネクステージ幕張店およびジャガー・ランドローバー幕張を会場に開催された。本大会は、IDOM、インディオ富山、カーセブンデジフィールド、カレント自動車、シティライト、ネクステージ、ユーポスで業界を代表する大手7ブラント企業が企業の垣根を越えて集結した。業界初とも言える画期的な試みだ。近年、中古車業界に向けられる消費者の視線が厳しさを増す中で、「信頼をつなぐ商談力の証明」を掲げ、本物のナンバーワンを決定する熱い戦いが繰り広げられた。
大会には、販売部門と買取部門から各社2名ずつ、計14名の精鋭が参加した。特筆すべきは、その審査基準である。単なる営業スキルの高低を競うのではなく、顧客満足(CS)やコンプライアンス、さらには商談の透明性と誠実さに重きが置かれた。審査員には、プロトコーポレーションの白木社長やリクルートカーセンサーの伊藤社長といった業界の有力者に加え、元客室乗務員ら「おもてなし」のプロも名を連ね、多角的な視点から厳正な採点が行われた。
販売部門のロールプレイングでは、非常に具体的な顧客ペルソナが設定された。例えば、IT企業に勤める36歳のユーザーが、二人目の子供の誕生を控えて「増車」を検討しているという設定である。顧客は予算を300万円と定めつつも、中古車特有の走行距離への不安や、実家の雪国への帰省を考慮した四輪駆動車への潜在的なニーズを抱えている。実演者はこれらの複雑なニーズをいかに丁寧に聞き出し、顧客のライフスタイルに寄り添った提案ができるかが問われた。審査項目には「強引な売り方をしない」、「他社比較を拒否しない」といった項目が並び、顧客が安心して意思決定できる環境作りが重視された。
一方、買取部門においても、査定内容の根拠を分かりやすい言葉で説明できているか、売却のメリットだけでなくデメリットも正直に伝えているかといった、誠実さが厳しく評価された。どちらの部門においても、目先の利益よりも顧客の不利益を回避し、信頼を勝ち取る姿勢が共通の評価軸となっていた 。
午前10時30に始まった大会は、実演とフィードバックを繰り返す過密なスケジュールの中で進み、夕刻からは会場を移して表彰式と懇親会が行われた。参加したスタッフたちは、競い合うだけでなく他社の優れた商談手法を学ぶことで、企業間の競争と交流を深めた。この大会は、個々のスタッフの成長支援にとどまらず、業界全体が一つとなって「信頼される中古車業界」へと変革を遂げようとする、力強い意思表示の場となった。
記者会見でカーセブンの井上社長は「中古車流通業界全体の健全化には大手企業が率先して襟を正す姿勢が不可欠であり、高い水準で信頼を勝ち取るべきだ。台数競争を越えた「非競争領域」での連携を重視し、強引な売り方を排した誠実な接客を業界の共通文化として定着させる必要性がある」と話した。次回の開催については、来年以降、日本自動車流通研究所(JADRI)が主催となり継続される方針で、今後は1年に1回程度の頻度で実施していくことを目指す。
<各部門の受賞者は以下の通り>
「買取部門受賞者」
1位 矢内亨氏(IDOM)
2位 佐々木遥氏(ネクステージ)
3位 吉田塁氏(ロードカー)
「販売部門受賞者」
1位 丸山大貴氏(ネクステージ)
2位 清本ひなか氏(IDOM)
3位 髙嶋淳氏(シティライト)
大会には、販売部門と買取部門から各社2名ずつ、計14名の精鋭が参加した。特筆すべきは、その審査基準である。単なる営業スキルの高低を競うのではなく、顧客満足(CS)やコンプライアンス、さらには商談の透明性と誠実さに重きが置かれた。審査員には、プロトコーポレーションの白木社長やリクルートカーセンサーの伊藤社長といった業界の有力者に加え、元客室乗務員ら「おもてなし」のプロも名を連ね、多角的な視点から厳正な採点が行われた。
販売部門のロールプレイングでは、非常に具体的な顧客ペルソナが設定された。例えば、IT企業に勤める36歳のユーザーが、二人目の子供の誕生を控えて「増車」を検討しているという設定である。顧客は予算を300万円と定めつつも、中古車特有の走行距離への不安や、実家の雪国への帰省を考慮した四輪駆動車への潜在的なニーズを抱えている。実演者はこれらの複雑なニーズをいかに丁寧に聞き出し、顧客のライフスタイルに寄り添った提案ができるかが問われた。審査項目には「強引な売り方をしない」、「他社比較を拒否しない」といった項目が並び、顧客が安心して意思決定できる環境作りが重視された。
一方、買取部門においても、査定内容の根拠を分かりやすい言葉で説明できているか、売却のメリットだけでなくデメリットも正直に伝えているかといった、誠実さが厳しく評価された。どちらの部門においても、目先の利益よりも顧客の不利益を回避し、信頼を勝ち取る姿勢が共通の評価軸となっていた 。
午前10時30に始まった大会は、実演とフィードバックを繰り返す過密なスケジュールの中で進み、夕刻からは会場を移して表彰式と懇親会が行われた。参加したスタッフたちは、競い合うだけでなく他社の優れた商談手法を学ぶことで、企業間の競争と交流を深めた。この大会は、個々のスタッフの成長支援にとどまらず、業界全体が一つとなって「信頼される中古車業界」へと変革を遂げようとする、力強い意思表示の場となった。
記者会見でカーセブンの井上社長は「中古車流通業界全体の健全化には大手企業が率先して襟を正す姿勢が不可欠であり、高い水準で信頼を勝ち取るべきだ。台数競争を越えた「非競争領域」での連携を重視し、強引な売り方を排した誠実な接客を業界の共通文化として定着させる必要性がある」と話した。次回の開催については、来年以降、日本自動車流通研究所(JADRI)が主催となり継続される方針で、今後は1年に1回程度の頻度で実施していくことを目指す。
<各部門の受賞者は以下の通り>
「買取部門受賞者」
1位 矢内亨氏(IDOM)
2位 佐々木遥氏(ネクステージ)
3位 吉田塁氏(ロードカー)
「販売部門受賞者」
1位 丸山大貴氏(ネクステージ)
2位 清本ひなか氏(IDOM)
3位 髙嶋淳氏(シティライト)


