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【バディカ連載 Ver.2.0】006 商談①初対面 安心感を与える

バディカ代表取締役・中野優作氏による新連載

初対面の重要性は皆さんお分かりだろうが、第一印象で何を成し遂げたいのか、その為に何をすべきなのかまで考えた事はあるだろうか。

この章ではそこをハッキリさせていこう。

 第一印象で成し遂げたいこと、それは「安心感を与える」事だ。それだけでいい。本質的には、安心感を与える事で、次の商談を有利に進めることだ。それ以外の余計なことは考えなくていい。

 商談はゴールへの階段を上がっていくようなものだ。初対面から契約のゴールに向かって1つずつ登っていく。大切なのは順番通り1段ずつ登っていく事。次の階段につなげることだ。お客様は相手のテリトリーに入ってどんな担当がつくかも分からない。初めは緊張しているだろう。だからこの段階では次につなげる為に「安心感を与える」。この一点に集中しよう。

 第一印象は1回だけ。次はない。ここで感じが悪ければやり直しは効かない。逆に言えば、ここで「なんか良さそうな人だな」と思わせることができれば、これ以降の商談の全てを有利に進めることができる。

第一印象で「安心感を与える」為に重要なことは3つだ。
 
★初対面で与えたい3つの印象
✔どうしようもないくらい明るく、感じがいい
✔とても自信がありそうで、安心感がある
✔プロフェッショナルだろうという雰囲気が溢れ出ている
 
 この3つはマストだ。練習して欲しい。最強の誰かをイメージするといいだろう。YouTubeなどで営業動画を上げているトップセールスの皆さんを見て欲しい。この3つを兼ね備えている人がほとんどじゃないだろうか。彼らの身振り手振りや佇まい、話し方や間の取り方、声の大きさや高さ、抑揚の付け方を徹底的に真似してみよう。何百回も練習して、自分の話している雰囲気を録画しよう。大切なのは彼らのような雰囲気が出せるようになる事だ。感じよく売れる雰囲気が溢れ出ているだろう。 

 こういう話をすると、そうじゃない人もいるけどあれはどういう事だ?と聞いてくる人がいる。そういう人がいるのはもちろん承知だ。僕が以前勤めていた会社にも営業マンは何百人もいたがトップセールスは変わった人が多い。一言で言おう。彼らは天才だ。我々のような凡人はマネしなくていい。一見サイコパスに見えるような暗くボソボソ喋る営業で年間300台以上売る化け物を何人も見てきた。彼らはとても頭がよく驚くほどユーモアがある。真似してできるものじゃない。少なくとも僕にはとても真似できないし、この連載はそういった天才たちに向けた話ではないことを了承してもらいたい。

★メラビアンの法則

メラビアンの法則をご存じだろうか。第一印象は3秒で決まる、というあれだ。営業の世界では有名な話だからご存知の方もいるだろう。
「メラビアンの法則」とは、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)心理学名誉教授のアルバート・メラビアンが1971年に『Silent messages』という論文で発表した研究結果を法則化したもので、第一印象は3つの要素から判断され、しかもその時間はわずか3~5秒で決まるというものだ。それぞれの要素の割合とともに列記してみよう。

✔言語情報=話す内容 7%
✔聴覚情報=声 38%
✔視覚情報=見た目 55%

 驚きの結果ではないだろうか。話す内容、つまりセリフの情報量が少なすぎる。第一印象は見た目と声でほぼ全てが決まる。極端に言えば話す内容にはほとんど意味がないという事がお分かりだろうか?

 メラビアンはこの3つの要素に矛盾があった場合の人の受け取り方について実験してみた。被験者が怒った表情で「ありがとう」と暗い声で言った場合、感謝を伝えたくとも、表情と声が矛盾していた場合は、相手は「ありがとう」(言語)よりも暗い声(聴覚)と、怒った表情(視覚)を優先して受け取ることがわかったそうだ。まあそうだろう。実際にやってみれば分かる。笑顔(視覚)で優しい声(聴覚)で何か怒られた(言語)としても、ちっとも怖く感じない。

 前述したパーセンテージ通り、言葉の内容よりも声や表情のほうが相手に対して強い印象を与えるのは感覚として理解できるだろう。

 ここで言いたいのは3つの要素が一致してこそ効果を発揮するということだ。誤解しないでほしいのは「話す内容は二の次」といったことではない。それでも、多くの企業は話す内容やセリフを練習させているだろうが、表情や声の出し方まで徹底して練習している企業は少ないだろう。僕が知る限りクルマ業界ではない。

 つまりこれは自分でやりなさい。という領域だ。

 具体的なポイントを抑えていこう!

✔視覚情報
・身だしなみを整える
・笑顔を常に意識する
・相手の目をまっすぐ見て微笑みかける
・背筋を伸ばして美しい姿勢を保ち、所作を丁寧に

✔聴覚情報
・話すテンポを相手に合わせる(早口の相手には早口で。ゆっくりの人にはゆっくりと。物静かな相手には言葉の量を調整する)
・声のトーンはやや高めで、相手のテンションの少し上ぐらい
・相手の名前を適度に呼び、共感する

✔言語情報
・言葉使いを丁寧に
・ポジティブな言葉を使う 「楽しみにしていました」「うれしい」「ありがとうございます」「最高ですね」
・共感する 頷く 「とてもわかります」「仰る通りです」「僕もそう思います」「よくご存じですね」

 この初対面は自分の気持ちを作って望まないといけない。
この対応で次の会話の流れがすべて変わってくる。最初に好印象を与えてしまえばすべてを有利に進めることが可能だ。

 僕も日常はユーザーの立場でいろいろなところで買い物をするが、初対面が悪かった人で仕事ができる人を見たことがない。職業柄大きな買い物をすることが多いが、こういう担当者とは絶対に仕事はしない。
 冒頭にも書いたが、初対面は1回だけ。やり直しは効かない。お客様がご来店されたらどんな精神状態だったとしても、気持ちを切り替えてスイッチを入れよう。クルマを降りて来たお客様にとろけるような100万ドルの笑顔でお迎えして「安心感を与える」ことに集中しよう。この初対面の一瞬のスタートダッシュはタイムパフォーマンスが最も高い。商談のロープレは何十時間も必要だろうが、第一印象の練習に関しては数時間の練習で効果が出る。

 繰り返しの練習は必要だが、マスターすれば一生もののスキルが手に入る。他のライバルはそこまでやらない。大きく差が出る部分だ。人付き合いが変わり、人生が変わる。ここをまずはクリアしてから次に進もう。

【プロフィール】
中野優作(なかの・ゆうさく)氏。1982年3月香川県さぬき市生まれ。バディカ代表取締役社長。
中古車小売り大手で数万台を超える実戦経験で手腕を発揮したのち、2017年同社創業。最大手業販サイト、オートサーバーで「5ツ星認定」を受け、21年度「販売台数ナンバー1」(全国会員7万社中)に。「車の流通をもっと自由に、なめらかに」というミッションを持ち、圧倒的な努力と情熱で挑戦する。地元・香川の3店舗と千葉、兵庫、岡山、福岡の直営店に加え、初のフランチャイズ店を茨城と香川に2店舗オープン。趣味は「筋トレ」というストイックな側面は、事業への熱意や意識の高さにも通じる。

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