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川崎大輔のアセアン人材コラム①

  • ベトナム人の自動車整備人材 ベトナム人の自動車整備人材

安い労働者ではない、共存できる戦力だ

 外国人労働者は、安い労働力として活用できると言うイメージが先行していた。しかし、クルマ屋は外国人を安い労働者としてではなく共存できる戦力として考える必要がある。

 愛知県一宮市にある鈴木自動車の鈴木社長は自動車業界ではもっとも早い2009年に外国人採用に踏み切ったパイオニア経営者だ。

 最初に採用したベトナム人リュウ氏の時より、採用後は鈴木社長自らベトナムを再訪し、彼らのご両親に直接挨拶に行っている。「ご両親は大事な息子さんを預けてくださる。息子さんが働く会社が安心できる会社だとご両親にも知ってほしい」、更に「10年以上前に面接した際に、目がキラキラしているのが印象に残った。大事な息子さんを預ける会社が安心できる会社だとご両親にも知ってほしいという気持ちからご両親に挨拶に行った」(鈴木社長)。

 鈴木社長は「安い低賃金で彼らを雇用しようと考える経営者は、雇用を遠慮してほしい。(ベトナムの若者は)道具ではなく人だ。私は日本での彼らの父親として接し、そして育成をする」と語る。将来、鈴木社長は彼らベトナム人たちと一緒にベトナムへの進出を計画中だ。

 自動車整備会社の経営者が考えなくてはいけないことは、単なる「人手」として考えるのではなく、彼らがいずれ母国で活躍できるようなキャリアアップを支援することだ。長期的な信頼関係を築き、将来のパートナーとして外国人整備人材を受け入れていくという考え方、仕組みを真剣に考えることが大切だ。

 整備士不足の問題が社内で取り上げられると、人手確保のために、外国人を受け入れるべきか否かについて社内で議論される。しかし、多くの企業では門戸をひらけば日本に来てくれる外国人がいるという前提で話が進んでいる。「受け入れるか否か」ではなく「優秀な外国人に来てもらうために魅力ある国、選ばれる企業にどのようにすればなれるか」という議論が重要だということに気がつかなければならない。すべての自動車会社が外国人の受け入れの問題に真正面から向き合う時代がきたと言える。

<川崎大輔 プロフィール>
大学卒業後、香港の会社に就職しアセアン(香港、タイ、マレーシア、シンガポール)に駐在。その後、大手中古車販売会社の海外事業部でインド、タイの自動車事業立ち上げを担当。2015年半ばより自らを「日本とアジアの架け橋代行人」と称し合同会社アセアンプラスコンサルティング にてアセアン諸国に進出をしたい日系自動車企業様の海外進出サポートを行う。2017年に株式会社アセアンカービジネスキャリアを立ち上げアセアン各国からの外国人整備エンジニアを日本企業へご紹介。アジア各国の市場に精通している。経済学修士、MBA、京都大学大学院経済研究科東アジア経済研究センター外部研究員。

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