【B U D D I C A連載】V o l .8 商談を生み出す「売ってコール/整備来店」 - グーネット自動車流通

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【B U D D I C A連載】V o l .8 商談を生み出す「売ってコール/整備来店」

コラム 2023年04月20日
バディカ代表取締役・中野優作氏によるコラム連載
会社名:BUDDICA

【情報提供の量が成否を決める】

 「売ってコール」をやったことがあるでしょうか?
読んで字のごとくですが、過去に販売したお客様に「クルマを売って!」と連絡することです。いきなり「売って!」と連絡して大丈夫か? と思うでしょうが、その通り。激怒されることもあり得ます。
 これだけで年間10台以上買取していた人もたくさん見てきましたが、伝え方がとても重要になるので間違えないようにしましょう。

 販売顧客や整備利用者の車両データにアタックしていきます。輸出や国内需要の高まりで、オークション相場が高騰しているクルマのオーナーに片っ端からお知らせしていくやり方です。
 大切なのでもう一度言います。
 「売って」と連絡するのではなく、片っ端からお知らせしていくのです。

 「〇〇さんのお乗りのプラドの相場が高騰しているので、情報提供でご連絡させていただきました。後で、何で教えてくれなかったんだよ、とよくご指摘いただくので」

 といった具合。まったく興味がなさそうなら「情報提供だけでした。また何かあればいつでもご利用ください」で良いのです。いつでもどんな時でも通用する方法ではありませんが、相場が高騰しているクルマや高値で輸出できるクルマには何かしらあります。大切なのは常に相場情報を掴んで、相場が高騰したらお客様に情報提供する、この連絡する量です。

 「売ってくれ」と突然連絡されると「ムッ」とするかもしれませんが、自分のクルマの相場が上がっていると聞いて怒る人はいないでしょう。うれしいはずです。そして、うれしいニュースを届ける営業マンは気に入られるのです。
 売ってくれなくても顧客満足に繋がる方法としてかなり有効なので、相場の高騰を目にしたら、リストからアタックできる先がないか調べる習慣を身に付けましょう。

【相場情報を掴む力こそ、営業マンの価値を決める】

 ただし、大前提として相場高騰の情報を常にキャッチする体制が必要です。あなたが大手販売店の社員なら本部から情報が届くでしょう。さもなければオークション担当者でないと情報は掴みにくいと思います。そういう人はインターネットや情報誌などで情報をキャッチすることをオススメします。
 情報は力です。営業マンの力の最大の発揮ポイントは、「最新の相場情報をいかに正確に掴むか」にあると僕は考えています。常にアンテナを張っていれば、販売時にリセールが良いクルマや売るタイミングの法則がわかってくる。すると、他の営業マンにはできない価値提供で差別化が図れますし、お客様の利益を最大化できます。

【整備、オイル交換から売る】

 「はいさようなら」ではもったいなさすぎ

 あなたの会社は整備を受け付けていますか? であれば、そのアドバンテージを生かさない手はありません。果たして、オイル交換、整備来店のお客様に、どの程度声かけしているでしょうか? 整備士が整備して「はいさようなら」ではもったいなさすぎます。

 車検アプローチのところでお伝えした通り、僕は営業時代に接客をストップされて、車検アプローチから売ることを覚えたものの、「電話代がもったいないから電話するな」と止められました。この話には続きがあります。「接客しちゃダメ」「電話ももったいない」となれば、整備の来店客へのアプローチなら無料だからいいだろうと考え、来店される全てのお客様にアタックしていきました。最初は何も考えずに話しかけていたところ、一切話は進まず。やっていくうちに「キーワードが必要だ」と気付きます。それから会話が弾んでバンバンHOTが生み出せるようになっていったのです。

 アタック開始1週間ほどで、オイル交換待ちのお客様にフリードを買ってもらったときは実にうれしいものでした。自分が話しかけなければ、絶対に買っていただけなかったと思います。

【3つのパターンを念頭に接客】

 対象が自分の直接販売したお客様以外だと仮定して、僕がやっていたやり方をお伝えしましょう。
 まずは受付時に、お客様の車両情報を見ておく。これが最大のポイントです。車検が半年以内なら車検の話題、そうでなければクルマを褒めて査定につなげたい。クルマが新しければ代替えは難しいだろうから、世間話から紹介を狙っていきます。

✔車検からの乗り換え
✔査定につなげて乗り換え
✔紹介案件を作る

 整備やオイル交換目的での来店客には、この3パターンしかありません。ここから繋げられれば最高ですが、あくまで整備来店なのでガンガン攻めて引かれると、整備でも二度と来店してくれなくなります。あくまで、お客様から切り出すまではこちらからは攻めないのがポイントです。

 受付時に、「お時間〇〇分ぐらいいただきますが大丈夫ですか?」と聞いておきます。そしてクルマを整備工場に回した際に「お時間大丈夫でしたかね? すいません。今日はこれからお出かけですかー?」というように最大限の愛嬌で話しかける。

そして、
「何かお困りごととかあれば言ってくださいね。今は担当者とか付かせてもらってますか?」
 と聞きます。ここが、ポイントです。

 整備だけを利用するお客様は担当営業がついていないことが多いはずです。また過去に自店で販売したお客でも、営業担当が転勤や退職でいなかったりします。このお客様たちが対象です。

 担当がいないとなれば、
「それは今までご不便かけて申し訳なかったですね、車検の時とか査定の時とか僕に言ってもらえればめっちゃ頑張りますんで!」
 と頑張れる感を出します。

 ここで、先に見ていた車両データから可能なら3パターンのどれかにもっていくのです。車検が近ければ、「車検とかまだ先ですかね? あ、まあまあ近いですね。これ僕が安くさせますよ。見積出させてもらいましょうか?」とその流れで予約まで取ってしまいましょう。

 ここで、もし少しで乗り換えを検討していれば、査定の話になるはずです。実は、僕が現役時代に整備から初めて売ったパターンがこれです。これでフリードをその場で、即決で買ってもらったのです。

【HOTの長期管理リストに追加する】

 車検が近くなく、かつクルマを買って間もないお客様の場合は、クルマを褒めて「僕このクルマ大好きなんですよ、気に入ってます?」とレビューを聞き出します。すると稀に、「買ったはいいが、全然気に入ってない」「燃費が悪くて失敗した」「車庫に入れづらくてぶつけた」といったネガティブな話が出ることがあります。

「それは、残念ですね、クルマはめちゃカッコいいんですけどね。でもこれ、あと10年とかは乗っていくんでしょう?」
 と、割と長く乗ることを想像させつつ質問してみると……
「いや、本当は次の車検でもう乗り換えたいけどね、さすがに大損するかな?」
 と返答されることがあります。どうでしょう? 少し光が見えて来たと思いません?
「大損するってことはないんじゃないですかね?このクルマ、〇〇さんが買われたようにまだ人気ですよ。後は次のタイミングか、その2年後のタイミングか。クルマの手放しは貿易が絡むのでタイミングでめちゃめちゃ変わりますからねー」

 さらに確率が上がったと思いませんか? この流れまで話せれば十分です。
「1年後の車検の前くらいに一度査定金額出しますよ。その金額見て車検か乗り換えか検討してみたらいいと思いますよ」

 これで、HOTの長期管理リストに追加です。オイル交換は3~6カ月に一度程度の頻度で来店されるので、その際に必ず会えるようにはがき等でコミュニケーションを取っておく。来店時に常にタッチする状況を作っておけば、売れるまでずっと管理しているイメージになります。これが一番多いパターンだと思います。その場の話にはならないけれど、長期で管理していけば必ず結果に繋がります。

 お客様満足も上がります。お客様は整備来店で放置されているより、声掛けされて、頼れる担当がいるほうがありがたいという人がほとんどなのですから。
 整備来店からも、どんどん接点を広げて販売台数を稼いでいきましょう。

<プロフィール>
中野優作(なかの・ゆうさく)氏。1982年3月香川県さぬき市生まれ。バディカ代表取締役社長。
中古車小売り大手で数万台を超える実戦経験で手腕を発揮したのち、2017年同社創業。
最大手業販サイト、オートサーバーで「5ツ星認定」を受け、21年度「販売台数ナンバー1」(全国会員7万社中)に。
「車の流通をもっと自由に、なめらかに」というミッションを持ち、圧倒的な努力と情熱で挑戦する。地元・香川の3店舗と兵庫県、岡山県、千葉県に合計6店舗を構えるほか、福岡南店の出店で九州エリアにも進出したばかりの成長企業。趣味は「筋トレ」というストイックな側面は、事業への熱意や意識の高さにも通じる。

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4、4.5点

【抽出価格条件】

直近価格が500千円以上

【抽出台数条件】

毎月50台以上の流通が過去6ヶ月連続していること