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12月鉄スクラップ市況情報

心理面での不安感

 日本鉄リサイクル工業会(東京都新宿区)は1月4日、国内の鉄スクラップマーケット情報を発表した。12月の国内鉄スクラップ相場は、11月からの下落基調に歯止めがかからない状況が続き、H2価格は前月末と比べ関東、関西共に1000~1500円程度低い3万円前後で年末を迎えている。特に、輸出向けを主とする東京湾岸の輸出業者の買入れ価格は2万8000円程度とされ、電炉向け炉前価格との値差が拡がっている。

 この背景には、世界的な株価の大幅下落、原油価格の値下がり、110円/ドル近くになった円高傾向と言った心理面での不安感があり、さらには、年末特有の市中回収量の増加も相俟って出荷促進の動きが加速されていたと思われる。(為替は、年明けに107円/ドル台まで円高が進んでいる)

 不冴ムード一色とも言える市場環境の中で、中国のビレット、鉄スクラップ価格が12月に入り上昇が報告されるなど、一部には長期化する軟調傾向に対する見直し機運も出始めている。下旬になって、韓国向け輸出FOB価格もH2=2万9500円で一旦下げ止まり、国内電炉の買値にも一服感が出始めており、新年がどのような形で市場が動くか注目される。



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