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「アンダーゾーン」に潜む罠(後編)

  • リヤフロア損傷 リヤフロア損傷
  • 左右端からの確認 左右端からの確認
  • リヤバンパーステーの損傷(リヤフロアまで波及する寸前の状態) リヤバンパーステーの損傷(リヤフロアまで波及する寸前の状態)
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株式会社ジャッジメント 取締役 橋本剛

 修復歴の見落とし内容で特に目立つのが「リヤエリアの見落とし」です。「リヤフロア歪み」「リヤサイドメンバー修正」等、査定検査の経験者なら一度は、やってしまう失敗事例です。こうした見落としの要因は技能的な問題なのでしょうか。今回はリヤエリアにフォーカスしてみます。

<外板部位を介さない衝撃波及がある。その②>
 「バック時、壁に衝突」、追突事故」
 緩やかなスピードで衝突することが多いリヤエリアは、フロントエリア以上にアンダーゾーンの危険度が増します。そもそもリヤエリアの外板部位と骨格部位の位置関係を見ると、主要骨格部位であるリヤ【フロア】は文字どおり低い位置にあります。よって、トランクリッドのように高い位置に取り付けられている外板部位の状態は、あまり参考にならないのです。こうした構造から、緩やかなスピード(概ね時速20㎞以下)で障害物に接触した場合、リヤバンパー単体で衝撃が入力されてしまいます。

 リヤバンパーから入力された衝撃は、ステーを経由してリヤエンドパネル、そしてリヤフロアへ波及していきます。査定時に荷室内にお客様の荷物が積んであり、「たぶん大丈夫だろう」、「外板部位に修理跡がないので大丈夫だろう」と、つい考えがちですが、これは大変危険です。そこには写真のように(エンドパネルとリヤフロアの損傷)が残っているかもしれません。

<負担を軽減できる工夫>
 下廻り確認をつい怠ってしまう理由に「服が汚れてしまうから」が、挙げられます。 スーツで業務しているならなおさらです。それでも見なくていいという理由にはなりません。「どうやったら確認できるか。」を各自が工夫する必要があるのです。 オーソドックスなものとして「査定票のバインダーを地面に置き、その上に膝をつく」方法があります。他にも「大きなミラーで下廻りを映す」方法だってあります。出張査定ではちょっとした「道具」が大きな武器になってきます。そしてもうひとつ、「確認する姿勢(ポジション)」にも気をつけましょう。リアのアンダーゾーンは、「車の左右端」にポジションを取り、反対側までを見通すように確認するのがお勧めです。これにより「バンパーステー」の緩やかな損傷も気づきやすくなります。バンパーステーの状態は、リヤフロアへの衝撃波及の目安となります。そして何よりも首や腰を捻る角度が中央付近に比べてゆるいので、体への負担が軽減されます。

<見落としは心理的要因から起こるもの>
 どんなに査定業務に長けている方でも「見落とし」は起こりえます。しかし、それは技能的な問題ではなく、「見忘れ」、「面倒だから見ない」といった心理的要因によるものが大半です。オークション会場の検査員のように「徹底的に検査する」ことは難しくても、せめて「見える場所は手を抜かないで確認しておく」習慣を身につけましょう。





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