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「アンダーゾーン」に潜む罠(前編)

  • フロントクロスメンバー フロントクロスメンバー
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  • 画像③ 画像③

株式会社ジャッジメント 取締役 橋本剛

 買取査定のスタイルとしてすっかり定着した「出張査定型」では、査定に適さない環境で車をチェックしなければならないケースが多々あります。「狭くてドアが開けられない」「地面が未舗装で下が見えない」このように困ったことが皆様にもあるのではないでしょうか。「車を移動させれば解決」と、言いたいところですが、そう簡単にいかないのが出張査定の難しいところです。では「見えないから見ない」で良いのでしょうか。当然そこには「修復歴見落とし」の危険が潜んでいます。

「見たくないから見ない」は危険
 弊社の査定・検査研修には、査定未経験の方から大ベテランの方まで幅広く参加されています。そこで冒頭紹介したような環境でどのように対応されているか。をたずねてみると「下廻りは服が汚れるから見ない」、「荷物が積んであるのでリヤフロアを見れない」。だから「トランクの取付けボルトに異常がなければ、下廻りを見ない」、「そもそもなぜ下側から確認しないといけないの」。このような意見をたくさんいただきます。下廻りの確認、確かに服が汚れるかもしれないのでできれば避けたいです。雨天時、砂利や土の地面ならなおさらです。

 しかし、検査員の視点でみると、この行為(下廻り未確認)は「地雷を踏む」と言わざるを得ません。なぜなら、外板部位に損傷や修理跡がなくても骨格部位へ衝撃が波及していることもあるからです。

外板部位を介さない衝撃波及がある(その①)
 正確に言うと樹脂製バンパーからの衝撃入力により「アンダーゾーン」に位置するフロントクロスメンバーが単体で損傷してしまう例です。前回の記事で紹介しましたが、現在流通している修復歴車の多くは、【軽微な損傷を修理したもの】です。この軽微な損傷の要因には、交通事故だけでなく、低い塀、花壇、歩道の段差、タイヤ止め、のような障害物にぶつかる自損事故も含まれます。背の低い障害物に接触する場合、バンパーが【押される】だけで、ボンネットやフロントフェンダーにダメージが入ることはありません。それに対してフロントクロスメンバーのフランジ部にバンパーを留めているような構造のモデルは、ちょっとした衝撃でも強度の低いフランジ部を簡単に歪ませてしまいます。(画像③)
 「外板部位に異常が無くても下を見る」
 こうした事象の存在を認識することで、下廻り未確認を心理面から防ぐことができます。
(後編へ続く)


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