日本オートオークション協議会
今後も自動車関連市場の成長が期待されるニュージーランド
NAK(日本オートオークション協議会・向井英夫会長)は10月23日(木)から28日(火)までの6日間、ニュージーランド(オークランド)の自動車関連マーケットを視察した。
視察団一行はニュージーランドで95%のシェアを誇るオークション会場であるTurners(CEO Todd Hunter)、輸入販売協会IMVIA(CEO David Vinsen)、貿易経済促進庁NZTA(Mr.Sean Abe)を訪問し、ニュージーランドにおける経済状況とビジネス環境、ならびに中古車流通市場などについて詳しいレクチャーが行われた。さらに、JETRO(林所長)を招き、ニュージーランドの概況について詳細な説明と質疑応答が行われた。
また、全ての訪問先において向井英夫会長よりNAKの活動内容について説明が行われ、国境を越えた相互理解を深める貴重な場となった。
【ニュージーランドにおける経済状況とビジネス環境について】
ニュージーランドの面積は日本の約3分の2、人口は453万1574人(2014年10月現在)、首都はウェリントンだが人口の3分の1はオークランドに集中している。
経済状況を見ると、一人あたりのGDPは4万481ドルで日本の3万8491ドルを抜いて世界ランキングで21位となっている。日本でのイメージは酪農などの第1次産業のウエイトが高いと思われているが、実情は運輸・情報通信・金融・不動産・教育などの第3次産業のウエイトが圧倒的に高い。
さらに、輸入分野においては自動車を中心とした輸送用機器の構成比が6割を占め、自動車関連市場における成長期待が大きい。ビジネス環境における成長性の期待度では世界ランキング4位となっている。(フォーブス調べ)
【中古車流通市場とターナーズの取組みについて】
ニュージーランドにおける中古車流通台数は年間で約130万台となっており、日本と同じ右ハンドル国のため日本車の輸入台数は年々伸びている。国内最大のオークション会場でもあるターナーズでは流通台数全体の1割ほどが取引されており、今後の成長戦略として一般消費者からの買取やファイナンスに注力している。また、消費者との商談機会増加に伴い、人財育成(プロフェッショナル育成)の強化を図っている。
日本のオークションとの大きな違いとしては、販売事業者だけでなく一般消費者にもオークション、買取、ファイナンスなどのサービスを展開していることである。現在、ニュージーランドの消費税は15%となっているが、内税でセリを行っており、事業者や消費者からの不満の声は殆どないという。
車両状態における評価点などはないが、車両状態を細かく検査・記載している。検査時間は1台につき20分から30分を要している。同国の法律では販売後も売り手側に販売責任が残るため、細かな部分に至るまで自己申告する習慣ができているのも特徴の一つである。
【視察を終えて】
ニュージーランドにおける自動車関連事業の成長が何故期待されているのか?
その答えが今回の視察を通じて垣間見れた気がする。小さな国だからこそ税制面や教育面に力を入れて、他国との輸出入においても常にオープンに考え実践していく。日本でも学ぶべき点がたくさんあるとともに、中古車流通市場におけるシナジーで相互に成長できる余地があると感じた。(取材レポート・松沢章博)
視察団一行はニュージーランドで95%のシェアを誇るオークション会場であるTurners(CEO Todd Hunter)、輸入販売協会IMVIA(CEO David Vinsen)、貿易経済促進庁NZTA(Mr.Sean Abe)を訪問し、ニュージーランドにおける経済状況とビジネス環境、ならびに中古車流通市場などについて詳しいレクチャーが行われた。さらに、JETRO(林所長)を招き、ニュージーランドの概況について詳細な説明と質疑応答が行われた。
また、全ての訪問先において向井英夫会長よりNAKの活動内容について説明が行われ、国境を越えた相互理解を深める貴重な場となった。
【ニュージーランドにおける経済状況とビジネス環境について】
ニュージーランドの面積は日本の約3分の2、人口は453万1574人(2014年10月現在)、首都はウェリントンだが人口の3分の1はオークランドに集中している。
経済状況を見ると、一人あたりのGDPは4万481ドルで日本の3万8491ドルを抜いて世界ランキングで21位となっている。日本でのイメージは酪農などの第1次産業のウエイトが高いと思われているが、実情は運輸・情報通信・金融・不動産・教育などの第3次産業のウエイトが圧倒的に高い。
さらに、輸入分野においては自動車を中心とした輸送用機器の構成比が6割を占め、自動車関連市場における成長期待が大きい。ビジネス環境における成長性の期待度では世界ランキング4位となっている。(フォーブス調べ)
【中古車流通市場とターナーズの取組みについて】
ニュージーランドにおける中古車流通台数は年間で約130万台となっており、日本と同じ右ハンドル国のため日本車の輸入台数は年々伸びている。国内最大のオークション会場でもあるターナーズでは流通台数全体の1割ほどが取引されており、今後の成長戦略として一般消費者からの買取やファイナンスに注力している。また、消費者との商談機会増加に伴い、人財育成(プロフェッショナル育成)の強化を図っている。
日本のオークションとの大きな違いとしては、販売事業者だけでなく一般消費者にもオークション、買取、ファイナンスなどのサービスを展開していることである。現在、ニュージーランドの消費税は15%となっているが、内税でセリを行っており、事業者や消費者からの不満の声は殆どないという。
車両状態における評価点などはないが、車両状態を細かく検査・記載している。検査時間は1台につき20分から30分を要している。同国の法律では販売後も売り手側に販売責任が残るため、細かな部分に至るまで自己申告する習慣ができているのも特徴の一つである。
【視察を終えて】
ニュージーランドにおける自動車関連事業の成長が何故期待されているのか?
その答えが今回の視察を通じて垣間見れた気がする。小さな国だからこそ税制面や教育面に力を入れて、他国との輸出入においても常にオープンに考え実践していく。日本でも学ぶべき点がたくさんあるとともに、中古車流通市場におけるシナジーで相互に成長できる余地があると感じた。(取材レポート・松沢章博)