NAK(日本オートオークション協議会・安藤之弘会長)は11月23日(土)から27日(水)の5日間、タイ(バンコク)の自動車市場を視察した。
視察団一行はTOYOTA・LIBRA社(バンコク市・栗原浩社長)を訪問。タイモーターランド(トヨタ自動車86・4%、現地資本13・6%)の粟村浩明氏(ExecutiveManagingCoordinator)とLIBRA社の栗原社長による新車市場の推移とトヨタ自動車の生産販売台数の推移、さらにタイ・バンコクに於けるディーラー拠点の展開戦略と、LIBRA社栗原社長による現地ディーラーの業績説明と中古車流通市場の現状について詳しいレクチャーが行われ、質疑応答では、中古車関連について、現地法人のタイ人スタッフ(責任者)の説明を日本人スタッフが通訳し、詳しく説明が行われた。
【タイの新車市場】
販売の主流はピックアップトラックと乗用車(エコカー)。2010年に反政府デモが起こり、工場周辺が立ち入り禁止区域に指定され生産が停止したことと2011年に起こった洪水で販売台数は低迷したが、2012年には143万6000台、2013年度は政府が新車販売を支援するエコカー優遇政策やファーストカー・バイヤープログラム(初めて車を購入した方に補助金最大30万円・約10万バーツ)を導入したことで約135万台を見込むほど販売台数は急成長を遂げた。
日系メーカー(トヨタ・日野・いすゞ・三菱・マツダ・日産・ホンダ)の市場シェアは約80%超とほぼ日本車と言っても過言ではない。粟村氏は「現在トヨタのシェアは35%なので40%を目指している。今は韓国・現代自動車の参入は無いが、今後本格的に入ってくれば脅威と考えている。今、タイのクルマ保有状況は国民8・5人に1台、まだまだ市場拡大の余地が大きいと思っている。タイは相続税が0%であり、富裕層が益々裕福になる国で、賃金格差も激しく、所得の二極化はさらに進むと見ている」と語った。
【中古車の下取りと販売】
下取り車については、新車及び中古車販売員が査定を行っている。車両状態(程度)が良ければ下取りディーラーで再販するが、走行15万km以上と燃料のガソリンを天然ガス車に改造された車、メーター改ざん車、事故車などは全て契約する業者(通称テント)に転売する。
基本的な考え方としてディーラーから地元のオートオークションへの出品は行わない。いくつか買取専門会社が存在しているが利用はない。契約するテント(中古車業者)に業販する方が、売買手続きが早く、必ずキャッシュで車両代金が支払われる。オークションに出品した場合、何台かが流札する可能性(リスク)があると考えている。
下取り車は、担当営業スタッフが査定する。上司のマネージャーに連絡(相談)し、下取り価格を決めている。下取り価格は新車販売担当者と交渉し調整している。
栗原浩社長によると「LIBRA社の下取り率は約10%、全国でもディーラーの平均下取り率は約12%程度。展示場で再販する中古車は、登録3年から4年以内(5年は超えない)。また、走行は10万km以内にしており、平均単価は40万バーツ(日本円で120万円)」という。
【認定・保証制度の導入】
LIBRA社が扱う中古車は、ディオス(カローラクラス)とピックアップトラックが人気。認定車の保証は販売から1年間または走行2万km以内のどちらかをユーザーが選択する。認定車でない中古車は販売から3ケ月もしくは走行5,000kmから選択する。テント(中古車業者)へ転売した下取り車は大半がメーター巻き戻し後に売られている。
【JETRO訪問】
LIBRA社訪問後、タイの自動車産業全般について「日本貿易振興機構(JETRO)バンコク事務所」を訪問、自動車部門の責任者梅北栄一次長から日系ブランドの国内市場シェアの統計データとDENSOやNSK、NTNなど国内外自動車産業が合計2335社進出。その他にエコカー優遇政策やファーストカー・バイヤープログラムなどについて資料に基づく講演が行われた。
【視察を終えて】
JETRO梅北氏によると、日本からの中古車輸入販売は国からライセンスが許可されないという。成長著しいタイだが日本から参入障壁はまだまだ高いと感じた。(取材レポート・倉元進)
視察団一行はTOYOTA・LIBRA社(バンコク市・栗原浩社長)を訪問。タイモーターランド(トヨタ自動車86・4%、現地資本13・6%)の粟村浩明氏(ExecutiveManagingCoordinator)とLIBRA社の栗原社長による新車市場の推移とトヨタ自動車の生産販売台数の推移、さらにタイ・バンコクに於けるディーラー拠点の展開戦略と、LIBRA社栗原社長による現地ディーラーの業績説明と中古車流通市場の現状について詳しいレクチャーが行われ、質疑応答では、中古車関連について、現地法人のタイ人スタッフ(責任者)の説明を日本人スタッフが通訳し、詳しく説明が行われた。
【タイの新車市場】
販売の主流はピックアップトラックと乗用車(エコカー)。2010年に反政府デモが起こり、工場周辺が立ち入り禁止区域に指定され生産が停止したことと2011年に起こった洪水で販売台数は低迷したが、2012年には143万6000台、2013年度は政府が新車販売を支援するエコカー優遇政策やファーストカー・バイヤープログラム(初めて車を購入した方に補助金最大30万円・約10万バーツ)を導入したことで約135万台を見込むほど販売台数は急成長を遂げた。
日系メーカー(トヨタ・日野・いすゞ・三菱・マツダ・日産・ホンダ)の市場シェアは約80%超とほぼ日本車と言っても過言ではない。粟村氏は「現在トヨタのシェアは35%なので40%を目指している。今は韓国・現代自動車の参入は無いが、今後本格的に入ってくれば脅威と考えている。今、タイのクルマ保有状況は国民8・5人に1台、まだまだ市場拡大の余地が大きいと思っている。タイは相続税が0%であり、富裕層が益々裕福になる国で、賃金格差も激しく、所得の二極化はさらに進むと見ている」と語った。
【中古車の下取りと販売】
下取り車については、新車及び中古車販売員が査定を行っている。車両状態(程度)が良ければ下取りディーラーで再販するが、走行15万km以上と燃料のガソリンを天然ガス車に改造された車、メーター改ざん車、事故車などは全て契約する業者(通称テント)に転売する。
基本的な考え方としてディーラーから地元のオートオークションへの出品は行わない。いくつか買取専門会社が存在しているが利用はない。契約するテント(中古車業者)に業販する方が、売買手続きが早く、必ずキャッシュで車両代金が支払われる。オークションに出品した場合、何台かが流札する可能性(リスク)があると考えている。
下取り車は、担当営業スタッフが査定する。上司のマネージャーに連絡(相談)し、下取り価格を決めている。下取り価格は新車販売担当者と交渉し調整している。
栗原浩社長によると「LIBRA社の下取り率は約10%、全国でもディーラーの平均下取り率は約12%程度。展示場で再販する中古車は、登録3年から4年以内(5年は超えない)。また、走行は10万km以内にしており、平均単価は40万バーツ(日本円で120万円)」という。
【認定・保証制度の導入】
LIBRA社が扱う中古車は、ディオス(カローラクラス)とピックアップトラックが人気。認定車の保証は販売から1年間または走行2万km以内のどちらかをユーザーが選択する。認定車でない中古車は販売から3ケ月もしくは走行5,000kmから選択する。テント(中古車業者)へ転売した下取り車は大半がメーター巻き戻し後に売られている。
【JETRO訪問】
LIBRA社訪問後、タイの自動車産業全般について「日本貿易振興機構(JETRO)バンコク事務所」を訪問、自動車部門の責任者梅北栄一次長から日系ブランドの国内市場シェアの統計データとDENSOやNSK、NTNなど国内外自動車産業が合計2335社進出。その他にエコカー優遇政策やファーストカー・バイヤープログラムなどについて資料に基づく講演が行われた。
【視察を終えて】
JETRO梅北氏によると、日本からの中古車輸入販売は国からライセンスが許可されないという。成長著しいタイだが日本から参入障壁はまだまだ高いと感じた。(取材レポート・倉元進)