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軽自動車の増税論に異議あり JU広島上松倉人会長・理事長 JU中販連中国・四国連絡協議会会長

 このほど総務省が発表した『環境自動車税』構想について、中古車業界と消費者を代表し、一言苦言を申し上げたい。

 小型自動車の税負担を引き下げる一方、軽自動車の税負担は引上げ、CO2排出量と税額を連動させるというが、CO2の排出量はエンジンの排気量ではなく、燃料の消費量に比例するはず。であれば本来、ガソリンなど燃料に課税すべきではないだろうか。

 導入目的について、CO2の排出量に連動させる『環境税』であると言っている。現行の税額程度なら問題はないが、CO2排出量で引き上げるとなれば、軽自動車を保有していても農作業や買い物程度で使用するだけのユーザーと、年間何万キロも乗る人と同じ増税論には納得出来ない。エコと言いながら現在、国内で約2600万台も登録されるほど売れている車に対する増税による税収増が国の本音だろう。特に中国や四国などは都心と違い地下鉄もなく、バスや鉄道など交通インフラが整備されていない地方では、販売の5割は軽自動車になっている。やはり維持費の安さで普及が進み、一家に一台ではなく一人一台、ご主人が通勤などで使用する場合が多く、お年寄や奥さんにとって、買い物・通勤(パート)・通院など、生活に欠かせない必需品となっている。仕事の収入も低く、車が複数台所有出来ずに、生活に支障を来たせば、地方の過疎化を加速させることにもなり兼ねない。

 さらに軽自動車税は市区町村が課税しており、税額も1・5倍まで決めることができる。一方、自動車税は都道府県が課税するので、環境自動車税として一本化された場合、市区町村の財政にもマイナスの影響は出るだろう。おそらく販売業界や消費者だけでなく、市区町村から強い反発が起こるであろう。この税は1958年に導入されて以来、これまで軽自動車の普及を促進させてきた。この税制を無くされた場合、今後軽自動車の販売台数と、中古車流通がどう変わるか不安である。

 総務省は、日産・トヨタ・ホンダなど軽自動車を併売するメーカーが増え、軽の税金を上げても登録車が売れるから大きな問題はないと思っているのだろうが、愚の骨頂である。確実に自動車市場全体がシュリンクする。

 軽自動車を販売するディーラーは、サブディーラーや整備業者、中古車販売店などを含めると約5万店近くもあるが、普通車を販売するディーラーと比べ力(資本力)がない販売店が多く、急激な販売減は死活問題になりかねない。

 ビール業界でも2011年度税制改正で、割安な韓国リキュール系「第三のビール」への増税論が浮上し、市場シェアの大半を占める国内メーカーは増税されたら売り上げ減少に直結すると猛反発している。

 総務省の研究チームは、CO2排出量に比例する税率で先行するドイツなどを前例に挙げたようですが、アメリカは重量税がないように、世界各国は自動車の維持費が安い。またフランスでは、日本の軽自動車より小型の400ccまでを上限にしたクワドリシクルという車(最高速度45kmで高速道路の通行は不可)が販売されているが法的に自動車扱いされていないため、簡易的な講習を受ければ16歳以上なら無免許で運転できる。

 要するに自動車の制度や税金は、各国がそれぞれ国民の生活に合わせて柔軟に対応している。
 増税の施行が決まれば手遅れだが、現段階は報告の段階。まだ見直しの可能性はある。総務省は、安易に軽自動車税を引き上げるべきではない。

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