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コラム/バンパーを外し輸出するだけで戻されていないリサイクル料金  宙に浮く多額の輸出車リサイクル預託料

  • バンパーやグリルを外すだけで解体済み車にされている バンパーやグリルを外すだけで解体済み車にされている
 今、輸出業者がある事態(矛盾)に悲鳴を上げている。その事態とは「輸出した中古車のリサイクル料金が返還されない」ことである。

リサイクル料金の定義は、自動車を解体・破砕した後に残るゴミであるシュレッダーダスト、エアバッグ類のリサイクルとエアコンのフロン類を処理するために必要な料金とされている。リサイクル料金は国が指定する資金管理法人「公益財団法人自動車リサイクル促進センター」に預託され、車が使用済みになる時まで管理されている。同センターは、リサイクル料金が預託されている自動車を所有者が輸出した場合、輸出が確実になされることを証明する書類を提出すれば返還申請ができるとしている。

 通常、解体されずに輸出される中古車のリサイクル料金は、通関(NACCS)から国交省に輸出許可情報が送信され、同センターが「輸出本抹消」を確認後、一カ月程で申請者に返還されるようになっている。
ところが船積みの為、輸出業者が前後のバンパーを取り外し輸出する車輌は、解体済み廃車と見なされ中古車のリサイクル料金返還を申請しても返還されないという。

 輸出業者側の主張(見解)は、「輸送途中で車輌が接触しバンパーに傷が付くケースが多々あり、受け取り時に起こるクレームや販売時の商品価値を下げたくないためバンパーの一時的な脱着は必要だ」という。
通産省の見解では、ハーフカット・ノーズカット車などは廃車ガラの輸出とし、リサイクル料は返還しないとしているが、コンテナ積載時にタイヤ・ミラー・オーディオ類など、走行に関係がない部品は取り外しを認めており、バンパーの脱着は指導項目に記載は無い。

 モンゴルへの輸出を手掛けるある業者は「オークション会場からの仕入れ時に、車輌代金に加えリサイクル料預託金を支払っており、実際は解体せずに輸送する中古車の解体料が徴収されたままとなれば、この制度の仕組みに矛盾を感じる。実際には解体していない。支払っているリサイクル預託料の返還に速やかに応じて欲しい」と憤る。

 輸出されている中古車は、主に全国のオークションなどで仕入れられ、総台数は年間で約100万台近い。実にAAで成約される3台に1台が輸出されていると言っても過言ではない。仮に輸出中古車の平均単価が20万円とした場合、年間で2000億の外貨を稼ぐ優良事業である。
国は、輸出業者から料金を徴収しながら、バンパーを脱着しただけで商品車を解体済み廃車と解釈し、一切作業が発生してもいないリサイクル料の返還に応じていないが、輸出業者が「今の対応には納得できない」と憤慨する今の対応は見直し、速やかに返金に応じるべきではないだろうか。

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