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【連載タイトル】File41自動車会社の働き方改革

人手不足時代を生き抜く自動車整備会社の人事・労務戦略

 少子化時代に突入し、人手確保が難しくなっています。欠員が続き、働いてくれる社員が少なくなると仕事の量を制限しなければなりません。今一度、人事・労務について考えてみましょう。

■整備士確保が難しく
 先日、千葉県自動車整備振興会から研修セミナー講師の依頼があり、新幹線で3時間30分かけ浦安のホテルまで足を運んできました。100名ほどの経営者の方が参加されており、「人手不足時代を生き抜く自動車整備会社の人事・労務戦略」をテーマに80分お話させていただきました。コロナ禍でここ3年間は開催できなかったようですが、本来は技術研修のみということでした。ただ、整備士を採用する際、ハローワークと求人広告で応募があった数年前と比べると、今は時間と費用ばかりかかり、さらには応募も微妙になっている様子。ということで、人事・労務管理を学ぶ機会も必要ではないかとの思いから初めてこのような研修を実施することになったようです。

 お話した内容(目次)は図表の通りですが、まずは「④整備士の離職率を下げる改善策」が重要です。そもそも欠員が出なければ基本的に募集をする必要がありません。またせっかく採用したのにすぐ辞められても意味がありません。なぜ整備士は退職するのか・・・国土交通省が実施したアンケートを参考にしながら説明させていただきました。経営者であればなんとなくは分かっていると思いますが、それでは不十分でしっかり認識しておく必要があります。

■利益をすっかり確保すべし
 次に直接的に求職者へ働きかける「③整備士不足を解消する」は、もっともニーズの高いテーマだと思います。そもそも会社の採用する力(採用力)とは、①企業力×②労働条件・環境×③採用手法×④採用実務となります。ただ、場当たり的に③採用手法にのみ力を入れている会社が多く、今後の少子化時代においては日常的に企業力や労働条件の向上、適切な採用実務を実践していく必要があると感じます。

 このような労働条件を向上させるにしても黒字体質でなければ難しく、昨今騒がれている生産性の向上に努める必要があります。また、「⑤整備士がイキイキ働ける職場作り」で触れている社員のモチベーションも重要です。毎日同じような仕事でも飽きてモチベーションが下がらないよう、それぞれの仕事でやりがいを感じられるように経営者が仕組みをつくることが大事です。

 社員の生産性やモチベーションが上がると結果として、利益が増加し、労働条件を良くしたり、必要な機器を揃えたりと、改善の選択肢が広がると同時に、社員を育成する時間や経費も捻出でき、多くの部分でプラスのスパイラルが始まります。経営戦略上、社員の質で差別化を図ることが最も重要でぜひ実践していただきたいところであります。

【筆者プロフィール】
社会保険労務士・自動車整備コンサルタント 本田淳也
青森県深浦町生まれ。北海道自動車短大卒業、ディーラーにメカニックとして勤務後、四駆専門誌で数多くの記事を執筆。帰郷後、青森市に本田社会保険労務士事務所を開業。SUBARUだよりに「これからの自動車販売店経営術」を連載。猫にはまっている48歳。著書「自動車整備業の経営と労務管理」(日本法令)。

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