グーネット自動車流通

メニュー

バディカ書籍案内

令和最新版【査定検査ガイド】㉑令和のルーフ交換事情

 近年、地球規模で問題となっている異常気象。今年の夏も連日『酷暑』に見舞われ、査定検査の現場でも大変苦労させられました。『〇〇年に一度』という表現をされても、もはや日常的と錯覚してしまうほどの状態です。
 こうした異常気象の中でも『雹(ひょう)』は、車体の広範囲にダメージを与えてしまうので、販売店の方々も近年警戒を強めているのではないでしょうか?

●検査現場でも遭遇率激増!の雹害被災車
 雹害被災車に検査現場で遭遇する・・・、こうしたケースが関東近県で急増しています。かつては十年に一度程度だった『雹害被災車』の大量発生が、もはや毎年恒例のようになってしまいました。 雹害被災車も、未修理の『現状車』であれば、査定現場で見落とすことも少ないのですが、問題は修理後です。 雹による被害はガラス・灯火類の割れ、外板エリアのへこみが挙げられますが(画像①)、査定検査の視点で注意したいのが『外板エリアの修理跡』です。とくにルーフパネルが交換修理されてしまうと『修復歴車』扱いになってしまうのは、皆様ご存じのとおりです。

●メリットの多い『パネルボンド』による交換修理
 ルーフの交換修理をチェックする一般的な方法は、
 『天張りをめくり、ルーフパネルとルーフメンバー接合部の溶接跡を確認する』
 ことです。
 ところが、査定現場では、ルーフ交換されているはずなのに、再溶接跡が見当たらないケースが増えています。これは『パネルボンド(接着剤)』を用いた交換修理がされていることが要因です。
 パネルボンドを使用するメリットとして、
 ・鋼板を溶接時に加熱しないため錆びにくい
 ・強度が高く、剥がれにくい
 ・水の浸水を防ぐ効果がある
 ・修理に難しいコツが要らない
 ことが挙げられます。とくにルーフの各接合部分は、位置的に水に侵入されやすいため、防錆目的で使用されることが多いようです。

●これまでのチェック項目に追加が必要
 良いことばかりに思えるパネルボンドを使用した交換修理ですが、査定検査の視点で見ると、そうとも言えません。
 なぜなら、前述したように『再溶接跡』が残るわけでもなく、むしろルーフメンバー側に新車時溶接の跡が残っているので、異常に気付きにくいからです。
 ここで大切なのは、
 『パネルボンドを用いた交換修理が増えている現状』
 『パネルボンドを使用した際に残る特徴』
 これらをまず理解することです。
 チェックの際、最も効果的なのが『パネルの重ね合わせ部分を見る』こと。
 画像②は、パネルボンドを用いた交換修理をしている車両ですが、鋼板の隙間にびっしりとパネルボンドが充填されています。
 画像③の新車状態と比較すると一目瞭然。溶接接合の場合には隙間がわずかにしか残らないのですが、パネルボンドを用いた場合には、その厚みによって少しパネル間が離れてしまっています。
 『再溶接跡はないか?』
 と、普段確認していたこれまでの手順に、
 『重ね合わせ目にパネルボンドが充填されていなか?』
 と新たなチェック項目を追加するようにしましょう。
 『うちのエリアには、雹なんて降らないよ』
 と、思われている皆様、中古車は全国規模で流通している商品。いつか必ず遭遇します、令和はそういう時代なのです。

 

 


オークション

企業・団体

店舗情報

ひと

コラム

相場・統計

新製品

新車ランキング

中古車ランキング

年頭所感

板金