ＭＳＴオート（静岡県藤枝市、淺霧雅人社長）は、２０１０年創業、今年で１２年目を迎える。店舗は新東名高速道路の藤枝岡部ＩＣから約１０分と非常にアクセスが良く好立地となっている。同社は、新車・中古車販売、コーティング、パーツ取り付けやタイヤ交換など日常のメンテナンスなど幅広く手掛け、地域に根付いた自動車販売店としてサービスを提供。「ＪＵテントリ」は、現在では売買ともにコンスタントに実績を残している。インターネットを使用した車の取引が増加していく中、効果的に「ＪＵテントリ」を活用している同社に成功事例と活用方法を聞いた。（福井伸幸）　
　　
■コンスタントな販売で収益の柱に成長
　「ＪＵテントリ」はＪＵコーポレーション担当者の熱心な勧めで約３年前から開始。スタートするに当たり入力に手間が掛かることやインターネットでの業販について本当に売れるのかどうか半信半疑であった。そのため、在庫台数の一部しかＪＵテントリに登録せず、写真枚数やコメントに注力しなかったこともあって、最初の１台が成約したのは開始から約半年間経過した時であった。淺霧社長は「ネットで販売できたことに正直驚いた」と当時を振り返る。
　この１台がきっかけとなり、同社ではＪＵテントリに力を入れ始め、定期的な販売につながるようになった。「ＪＵテントリの印象は導入前と導入後で大きく変わった。多くの販売店がインターネットで車の売買を積極的に行う時代だからこそ、ＪＵテントリは当社においてなくてはならないツールであり商売の柱となっている」（淺霧社長）と話す。

■古い車だからこそ丁寧に登録をする
　同社は「ネオクラシック」と呼ばれる８０年代、９０年代のセダンを中心に取り扱っている。現在、このカテゴリーの車両は人気が出てきていることから相場が上昇傾向で引き合いも多い。現在は淺霧社長と田中徹也店長の二人で在庫車全てを「ＪＵテントリ」に掲載している。仕入れはＡＡ（オートオークション）を中心に月に５、６台程度、多いときは１０台以上になる。ＪＵテントリの登録で大事にしているポイントはいくつもあるが、その１つに「仕入からと掲載までのスピード」がある。基本的に仕入れた当日、もしくは翌日に掲載を行う。「１日でも早く掲載することで商売につながるタイミングも早くなる。スピード感を大事にしている」（淺霧社長）としている。
　また、スピードと同じぐらい「掲載内容の質」にもこだわっている。写真枚数はできるだけ多くするようにしているが、特に昔のパーツやステッカー類、タグなど意識して掲載している。また、車両のコンディションについては、社長を含めスタッフ全員でＡＡの出品表をベースに現車確認を行い、試乗も行うことで正しい状態を見極めている。田中店長は「古い車だからこそ、正しいコンディションの表示が大事になってくる。ただ販売すれば良いのではなく、販売先のユーザーに安心して乗ってもらいたい」と話す。

■ＭＯＴＯＲＧＡＴＥとの連携で業務効率向上
　「ＪＵテントリ」の掲載車両データはプロトコーポレーション（名古屋市中区、神谷健司社長）の中古車販売店向けＡＳＰサイト「ＭＯＴＯＲ ＧＡＴＥ」（モーターゲート）と車両データ連携を行なっている。小売り用にモーターゲートに登録した車両データを引用でき、これにより、「ＪＵテントリ」への掲載スピードアップと業務効率向上につながっている。

■「ＪＵテントリ」は仕入でも活躍
　同社ではユーザーからの注文時などに「ＪＵテントリ」で仕入れを行う。ＡＡでの仕入れと違いＪＵテントリでの仕入れは、仕入金額が決まっているので、ユーザーへの価格提示がしやすいメリットがある。ＡＡでは仕入金額が変動するので、注文販売時ではうまくいかない場合もある。また、ＪＵテントリはＡＡと比較して探す手間と時間の拘束が少ないメリットも挙げられる。ＡＡの場合、全国で多くの会場があり開催曜日も違う。インターネットで探すことは可能だが、それでもかなりの手間が掛かる。また、セリ時間にあわせて時間を確保する必要もあり、ＪＵテントリの方が自由度が高い。

■ＪＵテントリ内での差別化が重要
　今後について淺霧社長は「インターネットを利用した車の販売が拡大する中、ＪＵテントリの重要性は益々高くなってくる。あわせて、ＪＵテントリを利用する販売店は増えてくると思う。その中で、自分たちの車を選んでもらうために、他店と差別化を図ることが重要となってくる」としている。
　　

【店舗情報】
社名＝ＭＳＴオート
所在地＝静岡県藤枝市中ノ合２２１－７
電話＝０５４－６３９－９９０９