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川崎大輔のアセアン市場まるわかり⑱

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台湾の自動車オークション事情

 台湾での中古車の登録台数は約66万台で、年間のオークションでの取扱台数は4万6,000台(7%)となっている。登録台数とは中古車の所有権登録の回数(新規登録・移転登録・名義変更の三業務合算の数)を指す。しかし、中古車登録台数は最終消費者であるエンドユーザーへの販売台数を表すものではない。そのため実際の中古車小売台数になれば名義変更回数の考慮が必要だ。一般的に中古車は最終消費者であるエンドユーザーに届くまでの流通過程において、重複した名義変更がなされる。つまり中古車の登録台数とは、名義変更があるたびにカウントされ、実数よりも大きくなる。日本でも実際の中古車小売台数を正確に把握することは難しい。エンドユーザーへの販売台数は中古車登録台数の2分の1程度といわれている。台湾も日本に準ずると仮定すれば、オークション業界規模は中古車流通の14%程度となる。

 台湾におけるオークションでトップシェアを持つ某オークション会社。オークションは毎週2回、水曜日と金曜日に開催される。出品車の詳細は、ウェブサイトから各車の評価シートとのダウンロードとともに確認することができる。1回のオークション開催で出品台数は水曜日が800台から1000台、金曜日は600台から750台、年間で2万台ほど。落札価格は日本円で100万円前後、ボリュームゾーンは3年から8年の車輌となっている。平均成約率は36%で、落札ができなかったら場合は、値段を下げて次回のオークションに再出品をする形が一般的だ。

 オークション開始当時のメジャーなオークションへの出品者は金融会社のレポ車(引揚車輌)だったが、リーマンショック以降、中古車ディーラーへシフトして中古車流通が変化してきている。2000年から2006年のオークションへの中古車ディーラーからの出品はわずか10%(90%がレポ車・リースアップ車)であったが、2010年から2017年には中古車ディーラーからの出品が65%と急増している。現在オークションにくるバイヤーも中古車ディーラーが90%とほとんどを占めている。台湾の中古車市場におけるオークション流通のシェアはまだ大きくはないが、中古車オークションが中古車ディーラーによる取引の場として活用され始めてきている。つまり、台湾の中古車流通が、ブローカーを活用したものから徐々にオークションを活用した流通へシフトしてきている。台湾の1000人あたり保有台数は日本の約600台に対して約300台と半分。自動車の拡大にまだ伸び代がある。台湾の中古車オークション流通は変化の時を迎えている。

<川崎大輔 プロフィール>
大学卒業後、香港の会社に就職しアセアン(香港、タイ、マレーシア、シンガポール)に駐在。その後、大手中古車販売会社の海外事業部でインド、タイの自動車事業立ち上げを担当。2015年半ばより自らを「日本とアジアの架け橋代行人」と称し合同会社アセアンプラスコンサルティング にてアセアン諸国に進出をしたい日系自動車企業様の海外進出サポートを行う。2017年に株式会社アセアンカービジネスキャリアを立ち上げアセアン各国からの外国人整備エンジニアを日本企業へご紹介。アジア各国の市場に精通している。経済学修士、MBA、京都大学大学院経済研究科東アジア経済研究センター外部研究員。




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