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意外と多い?!『フロントガラス飛び石跡』の誤解

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株式会社ジャッジメント 取締役 橋本剛

 下取り車の入庫検査業務や在庫車の鑑定業務では、販売店のスタッフさんが作成した査定票を目にする機会がたびたびあります。その内容は細かく瑕疵を記入してあるもの、かなり大雑把に作成されているものまで様々ですが、少し気になる表現もたまに見かけます。 その一例が今回ご紹介する『フロントガラス飛び石跡』です。

◆正しい使い方
 『飛び石跡』・・・言葉から想像すると、前方から飛んできた石によって生じたダメージ全てが該当すると思い込んでいる方が多いようです。例えばボンネットの飛び石跡といえば、塗装が少し剥がれてしまったものであり、ガラスの飛び石跡といえばガラスが欠けてしまっている状態となります。しかし、フロントガラスの飛び石跡には、軽微なものから『亀裂ができてしまっている』ものまであります。オークション会場では、亀裂が生じている場合には、飛び石という表現はせず、『割れ』という表現を用います。『飛び石跡』と『割れ』・・どちらもガラスが欠損したものであることに違いはありません。その違いは『欠損の深さ』にあります。そもそも自動車のフロントガラスは、衝突時の飛散防止の為に『合わせガラス』を採用しています。合わせガラスは、二枚のガラスの間に透明なフィルムを挟むことで室内側へガラスが飛散しないよう処理されたものです(図参照)。このフィルムまで『亀裂』が達すると、光の屈折で『黒い線(影)』が映り込むようになってしまいます(画像①)。この黒い線(影)が出てしまっているものを『割れ』として扱います。『飛び石跡』は、あくまでもガラス表面の欠損のみで収まっているダメージに使用します(画像②)。

◆なぜ要交換なのか?
 フロントウィンドウが割れている場合、査定票やオークション出品票では『X』という記号を用います。これは『要交換』を意味するダメージ記号なのですが、たとえ割れている範囲が小さくてもこの『X』で表記されます。なぜなら、フロントウィンドウの『割れ』は、少しの衝撃でも周囲に拡大する可能性が高いからです。陸送中の振動が要因で割れの範囲が拡大することもあります。フロントウインドウの割れはリペアできる範囲であればまだ良いのですが、大きくなるとやはり交換しなければなりません。その『リペア』であってもわずかに亀裂が残存してしまうとそこから範囲が拡大してしまう恐れがあります(画像③)。

◆言葉の使い分けが大事
 このような意味合いを理解せず安易に使ってしまうと思わぬ誤解を生みだす原因となってしまいます。今回ご紹介した『飛び石跡』と『割れ』だけでなく、『へこみ』と『歪み』等他にも使い分けが求められる瑕疵(かし)はあります。新入社員に査定業務を教える機会が多いこの時期に一度見直してみるのも良いかもしれません。



















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