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【特集】2025年中古車市場 中古車輸出台数は史上初の170万台超へ

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  • 中古車輸出市場は円安などを背景に大きく伸長 中古車輸出市場は円安などを背景に大きく伸長
  • ①2025年の中古車輸出台数 ①2025年の中古車輸出台数
  • ②2025年全国オートオークション出品台数トップ10 ②2025年全国オートオークション出品台数トップ10
  • 大規模AA会場は大きく躍進した(写真はHAA神戸の出品ヤード) 大規模AA会場は大きく躍進した(写真はHAA神戸の出品ヤード)
  • ③全国オートオークション実績の推移 ③全国オートオークション実績の推移
  • JU加盟店では、中古車フェアの開催などで需要喚起(写真はJU佐賀中古車フェア2026) JU加盟店では、中古車フェアの開催などで需要喚起(写真はJU佐賀中古車フェア2026)

中古車流通は高水準も国内小売りは厳しい展開

 2025年の中古車輸出市場は、円安基調の持続などを背景に、年間を通じて高水準の推移を見せた。日本中古車輸出業協同組合(佐藤博理事長、JUMVEA)が1月末に発表した年間実績は、前年比9.1%増の170万8604台という衝撃的な数字だった。当初160万台突破は必至とされ、過去最多台数更新は確実視されていたが、前年の156万6621台を大きく上回り、3年連続で過去最多台数を更新する勢いを見せた。国内の中古車流通市場は、これに大きくけん引される形で推移、オートオークション(AA)市場も年間を通じて高水準で推移、前年同様に高成約率、高成約単価基調が強まった格好だ。加熱する中古車輸出市場と国内のAA実績、中古車販売台数、新車販売台数などの25年実績を振り返っていきたい。 (室田一茂)

■中古車輸出
 中古車輸出市場は、18年に130万台を突破したのち、19年はやや減少、20年はコロナ禍の影響もあり、大きく後退した。21年は122万4924台(前年比15.3%増)、22年は123万5660台(同0.9%増)と少しずつ回復してきた。コロナ禍を脱却した後は、中古車輸出市場は大きく回復、円安基調の強まりなど、大きな追い風も市場拡大傾向を大きく増幅させ、23年には153万6472台(同24.3%増)と躍進、24年も156万6621台(同2.0%増)と高水準を持続した。

 最大仕向け国のアラブ首長国連邦(UAE)が大きく拡大したほか、3位に入ったタンザニアが大きく躍進、スリランカの復活なども年間6万5000台近い上乗せとなった。このほか、アフリカやアジア、南アフリカなどの新興国市場の動きが活発化、大手輸出事業者も幅広い仕向け国へのルートを拡大し、着実に総台数を伸ばした格好だ。

 中古車輸出向けの中古車の傾向も大きく変化、国内小売り向けとの競合も多く見られ「小売りダマが高くて買えない状況。中古車輸出バイヤーの強い応札についていけないため、AA仕入れが非常に困難になっている」(近畿地区の中古車販売店)という声は国内小売り事業者からよく聞くようになったコメントだ。一方で、業販ダマも中古車輸出を念頭においた仕入れが主流。中部、近畿エリアなどで仕入れる流通事業者も「仕入れのポイントは輸出向けに行くか、行かないか。車種や年式、グレード、装備などを見定めた仕入れで利ザヤを稼いている」(西日本エリアのAA流通事業者)という。AAのメインプレーヤーとしての中古車輸出事業者の存在感は年々強まっている。

【活況の中古車輸出市場の一方で厳しさを増す国内流通】

■AA市場
 加熱する中古車輸出市場に影響を受ける全国オートオークション(AA)実績はどうだっただろうか。プロトコーポレーションがまとめた2025年の全国AA出品台数は、前年比6.7%増の801万9565台だった。成約台数も同4.0%増の544万8780台という高水準だった。成約率が同1.9ポイント減の67.9%だった。高水準だった24年の69.8%からは若干のマイナスだが、依然として高水準の成約実績と言える。一方で、成約単価は高水準だった24年の83万9000円をさらに5万2000円上回る89万1000円という高値の推移だった。出品台数が800万台に迫った23年は成約率64.4%、成約単価71万6000円という水準だったことを考えると、24年、25年は極めて高水準の年間実績だったことがうかがえる。

 最大手のUSSグループでは、大半の会場が台数を伸ばし、全国トップ10には、1位USS東京、2位USS名古屋、3位HAA神戸、4位USS九州、6位USS横浜、9位USS大阪というように、6会場がランクインした。ランクインした各会場は軒並み過去最高実績だったが、上位4会場はHAA神戸の前年比16.9%増を筆頭に、前年比1割以上の増加だった。HAA神戸とUSS九州は成約台数でも前年比1割以上の増加で「売り」「買い」ともに堅調に推移した。

 AAを利用する販売店からは「買取り、下取りの出品車が高値で売却できた一方、在庫の仕入れには苦労した。年間の収支で見ると、AA業販で十分な利益を確保できた一方で、小売りはAA相場の高騰で思うような値付けができず、販売台数を落としてしまった。売れても利幅は縮小し、業販で利益を作り出した格好。短期で見ると、経営は上々だが、中長期で見ると、人材確保の問題と合わせて、楽観視できないのが実情」(九州地区の中古車販売店)だと危機感を持つ。

 高騰するAA相場は、中古車輸出事業者による旺盛な「買い」と、小売り向けの厳選車を仕入れたい国内小売り店との競合に他ならない。高水準の実績に沸くAA市場だが、一方では仕入れの場が多くの競合プレーヤーがしのぎを削り、競争激化していることは小売り市場の停滞を招く一因ともなっている。

■国内新車販売
 25年の中古車流通市場が活性化した背景には、新車供給の安定化が大きな要因となっている。コロナ禍以降、不安定だった新車メーカー各社の供給体制が安定化、昨年度末には多くの新車が国内市場に供給された。トヨタ「アルファード/ヴェルファイア」といった輸出向けの看板車種も供給量が大きく増大、一時は中古車相場の急落も招いた。年末に向け、急落した相場も徐々に回復、マレーシア向けなどを中心に活発な取引が行われている。

 日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会が発表した25年の新車販売台数(登録車+軽自動車)は、前年比3.3%増の456万5777台で、2年ぶりに前年実績を上回った。一昨年の認証不正問題による一部メーカーの出荷停止の影響などからの反動増が上期(1~6月)に大きくインパクトした。登録車が前年比1.2%増の289万8417台、軽自動車が同7.0%増の166万7360台だった。上期(1~6月)は前年同期比10.2%増の234万5461台、下期(7~12月)は同3.2%減の222万316台ということで、大きく明暗を分けた。ただし、通期での456万台という実績はコロナ禍の20年実績を下回る低水準で、楽観視することはできない。

 一方で26年は各メーカーによるフルモデルチェンジや「環境性能割」の廃止といった追い風もあるが、大幅な拡大を期待することは難しいだろう。こうした中で、新車ディーラー各社の中古車部門強化の流れも必然となっているが、現状は多くのディーラーの中古車小売り店が在庫不足に困っているのが実情だ。新車ディーラー各社がAAで在庫車を仕入れるといった現象もここ数年のトレンドかもしれない。

【中古車小売り市場はディーラー、大型販売店が存在感を強める】

■中古車販売
 仕入れ環境が激化、これまで以上に厳しい市場環境にあるのが、中古車小売り市場だ。近年のAA過熱による仕入れ難と新車ディーラー、大手販売店との競合激化などで、苦しんでいる販売店も多いのではないだろうか。
 25年の中古車登録台数(自販連発表)は前年比0.8%減の363万2179台だった。軽四輪車の中古車販売台数(全軽自協発表)は、同0.7%増の285万5689台、全体では、同0.2%減の648万7868台だった。中古車輸出台数、AA出品台数、新車販売台数が前年を上回った一方で、中古車は前年を割り込む格好だった。純粋な販売台数ではない指標ながら、前年を下回る低調な推移となった点を見ると、国内中古車市場の停滞感は否めない。純粋な小売り台数は、これらの数字をさらに下回る推移だったことが窺える。26年もトヨタ、日産、ホンダなどの各メーカーが国内販売店に対して、中古車小売り強化の方針を展開しており、仕入れ難の状況はこれまで以上に厳しさを増すと見られる。

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