ヤナセ(東京都港区・井出健義社長)は４月１日、都内にて「２０１７年度　新入社員　入社式」を開いた。
　当日はヤナセグループ２１６名の新入社員が出席。井出社長より新入社員に向け訓示が贈られた。

以下、井出健義社長　入社式訓示要旨

　２１６名の新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。現在、国内・世界を問わず、政治・経済・社会の動向は不安定で、変化のスピードはますます速くなっています。特に自動車産業は、電気自動車や自動運転などの無公害・無事故化の技術革新とICT（情報通信技術）がもたらす大きな変化（パラダイムシフト）を迎え、激動の時代に入っています。さらに国内自動車市場は、人口減少やお客さま層の高齢化、一部大都市に見られる若者の車離れなど、需要減につながる不安もあります。

　その激動の荒波の中で、企業は果敢に変化を先取りして新しい事業に挑戦し、自らの変身・変革（TRANSFORM）を続けていかなければ、持続的成長を果たせません。たとえ業界の覇者たるトヨタやダイムラーでさえ、変化の対応を怠ると淘汰を待つだけとなります。そのため両社は、新しい変化の大波に対応しよう、あるいは自ら大波を創りだそうと、全方位で新技術や新事業の開発に注力しています。

　当社においては、“DIVERSIFICATION”（多様化、変化・変形、多角化、分散）をキーワードに経営の方向を定めています。基盤の新車販売・中古車販売・アフターセールス・金融保険の主力4事業の「カルテット営業」強化による、バリューチェーン収益の最大化に加え、女性の採用増・活用促進を含めた人材の多様化、事業の多様化・多角化などにより、投資・市場・リスクの分散に取り組んでいます。そして、5番目の事業として「ヤナセプレミアムカーレンタル」の本格稼働を、6番目の事業として海外進出を実現しようとしています。なお、海外事業については、足もとの国内ビジネスの強化と並行しながら進出を果たすもので、あくまで狙いは“GLOCALIZATION”です。

　現在、当社はこうした新事業展開のため、多種多様な人材を求め、育てようとしています。そのための投資は惜しみません。また、職場環境の改善、ワークライフバランスの充実、残業の削減、働き方改革の検討、教育・研修制度の強化などの人材づくりと、ES（社員満足度）向上を最重要課題に位置付けています。当社にとって人材は最大の財産であり、人材の確保と育成が、新しい変化への対応に最も有効と判断しています。激動の時代だからこそ大きく成長するチャンスもあると前向きにとらえ、皆で知恵を絞って変化に対応すれば、必ず人も会社も成長し、“勝ち組”になれると信じています。

　昨年、全社員が参加して、企業理念「最上質な商品・サービス・技術を、感謝の心を込めて提供し、“夢”と“感動”あふれる『クルマのある人生』を創ります。」を定めました。今後はこの理念を行動指針として、仕事の意義とお客さま・社会への貢献を認識し、自己成長を促してください。人生は常に学びとチャレンジです。どこまで成長できるかは、今後の自己研さんと苦労を経験した量に比例します。絶えず自分を磨き、成長の努力を続ける社員が、お客さまへの感謝の気持ちを強く持って尽くせば、最強のヤナセ社員になれます。お客さまの喜ばれている笑顔こそが、当社社員の勲章です。

　皆さんはこれから配属され、社員としての第一歩が始まります。職場での基礎学習・体験・苦労があってこそ、大きく羽ばたけます。皆さんの大いなる飛翔を期待しています。