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コラム/結婚記念日と思い出のクルマ

20年目にはポンコツ車で

 ポンコツの語源をご存じだろうか。
インターネットで調べてみると、『古くは、拳骨(ゲンコツ)で殴ることを意味する言葉であるため、拳骨が有力とも思えるが、拳骨で殴った時の音から、拳骨で殴る意味になったとも考えられる。 拳骨で殴る意味から「大きなハンマー」を意味するようにもなり、自動車をハンマーで解体することから老朽化した自動車を「ポンコツ車」と呼ぶようになった』とある。
要は老朽化して解体直前の自動車という意味であるが、味があるクルマと表現することも出来る。

 今から20年以上前に「味のある古いイタリア車」に乗っていた。
シルバーのボディに赤のレザーシート、屋根はタルガトップでエアコン無し。シフトは当然マニュアルだった。  
 元々、軽量のスポーツカーが好きだった私は、MR2かロードスターを購入する予定だった。中古車販売店でクルマを物色していると、展示場の奥に、プライスボードの付いていない見慣れない左ハンドル車を発見した。これが、X1/9との出会いである。
 熱心に眺めていると、店員が寄ってきて「これ下取りで入ってきたクルマなんですけど調子悪いし、売り物じゃないですよ。中古並行車で走行距離もわからないですし」の一言。
それでも気になって仕方ないので、無理を言って試乗させてもらうと、異国情緒あふれる走りと雰囲気に一発で気に入ってしまった。
 結局、現状販売・保証無しの条件で格安で譲ってもらった。その後、店員が心配するほどのトラブルはなく、輸入車ライフを楽しんでいた。
 
 そんなある日、とある女性と出会い、交際を始めた。毎週、週末ともなれば愛車でデート。ショッピングから遠出まで何でもこなし、エアコンが無いこと以外は何の不満も無かった。
ある夏の日、いつものように彼女とドライブをしていると、右折待ちの交差点で急にエンジンストップ。必死でエンジンをかけようとするが、動く気配無し。
 隣に座っていた彼女は後方からのクラクションの嵐のなか、勇ましくドアを開けて後ろのクルマに「クルマ動かなくなったから押すの手伝って」と叫んでいた。
威勢のいい彼女を見て幸いなことに、数台のドライバーが手伝ってくれた。クルマを押してもらっている最中に考えた。「俺にはこの人しかいない」
後に結婚する事となった彼女とも、気がつけば今年で20周年になる。今では、すっかり貫禄も出てきて、どっちが亭主かわからない状態。

 子供の成長を見ていると、お互いに歳をとった事を実感する。あの時乗っていたクルマが国産車だったら人生違ったものになっていたのだろう。20年目の結婚記念日にはポンコツ車に乗って食事に出かけようと思う。

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