日本自動車鑑定協会（東京都大田区、剣持純也理事長）は、車両鑑定技能の向上を目的とした「JAAA MASTERS CUP ２０２４」を１０月から１２月の3カ月間開催した。

　年に一度開催されるこの技能競技は、同協会の正会員である「ジャッジメント」「エキスパート」「アイズ」「カークレド」に所属する約１４０名の鑑定師（Grading Master）が一堂に会し、日頃培ってきた鑑定技術を競い合う。

　競技では、複数台の中古車が用意され、鑑定師は設けられた開始時間と終了時間で、その制限内であれば時間を自由に使って鑑定できる。修復歴の有無、外装、内装、機関の状態を見極める。同協会が開発した専用アプリを使用し、鑑定結果は即座に表示され、個人別の成績を確認することができる。

　厳正な審査の結果、「JAAA MASTERS CUP ２０２４」の優勝者は志摩英之氏、準優勝は山田和成氏、３位は谷友博氏に決定し、上位3名にはトロフィーが授与された。

　同協会は、年間約８３万台以上の車両を鑑定しており、蓄積されたデータを基に、鑑定師別の分析レポートを毎月作成することで、更なる鑑定精度の向上に努めている。

　今回の技能競技は、２０２３年１２月に開設された「JAAA Skill Up Labo（スキルアップラボ）」で開催された。同施設は、最新の自動車構造、修理技術、査定情報などを研修受講者に直接提供できる国内有数の施設である。

　剣持純也理事長は、「このような取り組みを通じて、消費者が安心して車を選べるような情報を提供し、中古車流通の活性化に貢献したい。そのためには、鑑定師の技能向上が不可欠だ」と述べている。

　同協会は、今後「JAAA Skill Up Labo」において、新車ディーラーや中古車販売店向けの査定・検査研修も開催していくとしている。