ジャッジメント
自動車という工業製品は、走行や安全技術に留まらず、動力・素材・そしてボディ構造と多岐に渡って日々進化を続けています。査定検査の基本は『新車との間違い探し』であることから、私達もこれらの進化に合わせてチェックの方法をアップデートしていくことが必要。前回の『膜厚測定』では、外板部位の素材に注意とご案内しましたが、今回はフロントエリアの骨格構造についてご紹介いたします。
●ウインカーを外して確認?!~平成前期
ラジエータコアサポートの構成パーツに『ライトバッフル』が存在した平成前期まで、フロントエリアの修復歴要注意エリアといえば、このライトバッフルとフロントインサイドパネルの接合エリアでした。
その為、このエリアを覆っている『フロントフェンダー』の状態見極め能力が査定者に求められ、修理跡が発見された際には『ウィンカーレンズを外す』等のひと手間が必要でした。
このように『ヘッドライト後方』をいかに確認するか?が当時の修復歴チェックでは重要だったのです。
●初代フィットの登場 平成中期
『フロントフェンダーに衝撃入力の痕跡があるか否か?』で、ウインカーレンズを外していたこれまでのチェック方法は、言い換えればフロントフェンダーに異常が無ければ簡易的な確認で済ますことが可能でもありました。
そこに初代フィットが衝撃的な構造で平成13年に登場します。
フィットが採用した『グローバル・スモール・プラットフォーム』は、ライトバッフルが廃止され、フロントインサイドパネルが下方へ延伸し、ロアサポートと接合されたのです。
『ヘッドライト後方』から『フロントバンパー真裏』へと移動したフロントインサイドパネル先端部の損傷リスクは、これまで以上に増加。
以後のホンダ車は、フロントフェンダーの状態に関係無く、バンパー裏の確認が必須となりました。
画像①は、JF1系のN‐BOXですが、赤丸エリアが要注意エリアであることをご存じの方も多いのではないでしょうか。
●令和の時代はヘッドライト下方に要注意!
バンパーから入力した衝撃エネルギーを分散させる目的で設計されたホンダのプラットフォームですが、現行モデルでは『新グローバル・スモールプラットフォーム』へと進化しフィット、ヴェゼル等の各モデルに採用されています(画像②左)。
トヨタでも50系以降のプリウスが採用している
『TNGA‐C』プラットフォームにおいてフロントインサイドパネルが下方へと伸び、サイドメンバー側面へと接合する形状となりました(画像②右)。
どちらもフロントインサイドパネル先端部をエンジンルーム側から確認することが可能です。
こうした形状では、画像③の赤丸付近に損傷リスクが生じます。実際に画像④は、60系プリウスの右フロントインサイドパネルに生じた損傷で、アウター側とインナー側パネルの合わせ目に隙間が生じています。
令和時代の自動車は、プラットフォームの共有化が進んでおり、『外観は異なれど、ボンネットを開けてみたら骨格形状は同じだった・・・』こんなケースが多々見られます。
各プラットフォームの形状を覚えておけば、他モデルの査定時にも役立ちますので、ぜひ意識して観察してみてください。
●ウインカーを外して確認?!~平成前期
ラジエータコアサポートの構成パーツに『ライトバッフル』が存在した平成前期まで、フロントエリアの修復歴要注意エリアといえば、このライトバッフルとフロントインサイドパネルの接合エリアでした。
その為、このエリアを覆っている『フロントフェンダー』の状態見極め能力が査定者に求められ、修理跡が発見された際には『ウィンカーレンズを外す』等のひと手間が必要でした。
このように『ヘッドライト後方』をいかに確認するか?が当時の修復歴チェックでは重要だったのです。
●初代フィットの登場 平成中期
『フロントフェンダーに衝撃入力の痕跡があるか否か?』で、ウインカーレンズを外していたこれまでのチェック方法は、言い換えればフロントフェンダーに異常が無ければ簡易的な確認で済ますことが可能でもありました。
そこに初代フィットが衝撃的な構造で平成13年に登場します。
フィットが採用した『グローバル・スモール・プラットフォーム』は、ライトバッフルが廃止され、フロントインサイドパネルが下方へ延伸し、ロアサポートと接合されたのです。
『ヘッドライト後方』から『フロントバンパー真裏』へと移動したフロントインサイドパネル先端部の損傷リスクは、これまで以上に増加。
以後のホンダ車は、フロントフェンダーの状態に関係無く、バンパー裏の確認が必須となりました。
画像①は、JF1系のN‐BOXですが、赤丸エリアが要注意エリアであることをご存じの方も多いのではないでしょうか。
●令和の時代はヘッドライト下方に要注意!
バンパーから入力した衝撃エネルギーを分散させる目的で設計されたホンダのプラットフォームですが、現行モデルでは『新グローバル・スモールプラットフォーム』へと進化しフィット、ヴェゼル等の各モデルに採用されています(画像②左)。
トヨタでも50系以降のプリウスが採用している
『TNGA‐C』プラットフォームにおいてフロントインサイドパネルが下方へと伸び、サイドメンバー側面へと接合する形状となりました(画像②右)。
どちらもフロントインサイドパネル先端部をエンジンルーム側から確認することが可能です。
こうした形状では、画像③の赤丸付近に損傷リスクが生じます。実際に画像④は、60系プリウスの右フロントインサイドパネルに生じた損傷で、アウター側とインナー側パネルの合わせ目に隙間が生じています。
令和時代の自動車は、プラットフォームの共有化が進んでおり、『外観は異なれど、ボンネットを開けてみたら骨格形状は同じだった・・・』こんなケースが多々見られます。
各プラットフォームの形状を覚えておけば、他モデルの査定時にも役立ちますので、ぜひ意識して観察してみてください。