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【22年8月輸出動向】佐藤博理事長インタビュー

  • 佐藤理事長 佐藤理事長

輸出台数は堅調だが今後は注視が必要

 日本中古車輸出業協同組合(東京都品川区、佐藤博理事長)発表の中古車輸出統計によると、2022年8月の輸出台数は9万4697台となり、前年同月比で9448台減となった。また、22年1月-8月では78万8643台となり、前年同期比96.7%(2万6756台減)となっている。

 8月の輸出国別台数ではロシアは本年最高となる2万1728台(前年同月比45.8%増)であったが、輸出上位国のUAE、モンゴル、タンザニア、ニュージーランドは前年同月割れの台数となった。

■ロシアは今後の動向に注視
 ロシアの8月の輸出台数は22年の最高台数となり活況だが、状況は変わってきている。
 理由は二つあるが、一つは徴兵令と言える部分動員令の発令が大きな影響を与えている。ロシア国民はいつ徴兵されるかわからない状況にあり、車を購入するマインドではなくなっている。当然、先行きを不安視する人も増えており、輸出台数にも変化の兆しが見える。
 日本車のニーズは依然高いが様子見の傾向が強まっている。ウクライナ侵攻の影響が思わぬ形で出てきた。当面は注視するしかない。
 もう一つの理由は、船不足。半年前と状況が変わっていないのは想定外であり、解決の見通しも立っていない。その影響から港に車が溢れている状況も変わっていない。ロシアだけではなく各国への輸出に大きな影響を与えている。

■JUMⅤEAとしてケニア政府に働きかける
 ケニアの輸出台数は前年と比べ減少している。輸入の年式条件変更もあるが、一番はカーラジオの交換対応が影響している。
日本のラジオはケニアで使えないため、輸出する際にケニアで使用できるラジオに交換する規則ができた。ただ、日本にはケニアで使用できるラジオは無いため、JUMⅤEAに対しケニア政府に掛け合ってほしいと陳情もいただいている。JUMⅤEAとしてはケニア政府に働きかけていく。今はそのための署名集めの段階にある。

■オーストラリアに調査団派遣予定
 オーストラリアは微増が続き増加傾向にあるが、輸入規則はまだ変わっていない。新車・中古車の台数はニュージーランドと比べ5倍のマーケットがあるため、輸出業界の期待は大きい。JUⅯⅤEAとしては今年度中に調査団を派遣し、現状と今後の展開について確認する予定だ。

■仕入れ環境に変化
 アメリカは特殊な車が売れているが、その特殊な車を中心に仕入れ方が変わってきている。
今までは仕入れイコールオークションであったが、共有在庫や店頭販売車から仕入れるケースが増えている。仕入れる立場としては、オークションは買えるかどうかわからない、また落札価格もわからない。共有在庫車や店頭販売車の仕入れは仮に価格が高くても経費と利益の計算ができ商売がしやすい点にあることから利用する人が増えている。

 22年1月-8月の輸出台数は、ロシア以外の国の勢いは無いが安定しており、昨年並みの輸出台数を維持している。ただ、ロシアの状況がどうなるかで輸出状況は変わる。今後、注視していく。

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