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【検査員はここを見る】クロカン4WDモデルのチェック

 『納車までおよそ5年!』『1年間名義変更NG』等々、話題沸騰の新型ランドクルーザー(300系)がデビューしましたが、近年では新型ジムニー(画像①ジムニーシエラ)も含めてクロカン4WD車の人気が復活傾向にあります。しかし査定の視点では、これらのモデルをRAV4やエクストレイルと同等に見てはいけません。それでは検査員はどのような点に注意しているのでしょうか。

そもそもフレーム構造とは?
 一見すると同じように見えるSUVとクロカン4WDですが、それぞれ異なるボディ構造を採用しています。RAV4やエクストレイルをはじめとするSUVモデルは“モノコック構造”を採用しています。これは、フレーム部分とボディ部分を溶接等の恒久接合で一体化することでボディ強度を向上させています。これにより軽量化が図れる為、現在乗用モデルの主流となっています。これに対してフレーム構造は、頑丈なメインフレームにボディを“積載する”ような構造となります。接合は、メインフレームとボディの間にブッシュを挟み込んでの“ボルト留め”となるので、隙間が必ず生じます(画像②)。この構造は、メインフレームを丈夫な構造にする分、重量もかさむため運動性能はどうしても落ちてしまいます。そのためオフロード走行での耐久性が優先されるクロカン4WDモデルに多く採用されているのです。

査定時の注意点
 では、査定時にどのような点を注意すればよいのでしょうか?
 そこでまず理解していただきたいのがボディを破壊してしまう『衝撃エネルギーの特性』です。
 ・強度の低い部位を破壊する傾向がある
 ・エネルギーが消滅するまで奥へ波及していく
 この2点の特性を踏まえたうえで事故で損傷している車体を観察してみましょう(画像③)。この車体は後方フルラップ衝突によって損傷したものですが、ボディ側の方が大きく損傷していることがわかります。
 ①メインフレーム部→鋼板が厚くて強度が高い
 ②ボディ部→鋼板が薄く、メインフレーム部より強度が低い
 こうしたフレーム構造の特徴と衝撃エネルギーの特性を考えると、まず注意しなければいけないのが“ボディ側”ということがわかります。フレーム構造モデルの車両でもボディ側は、モノコックボディと同じ構造。フロント、サイド、リヤそれぞれのエリアの外板部位に近い“先端部”を中心にチェックを進めていくようにしましょう。 

フレーム側でも注意すべき場所
 頑丈なメインフレーム側でも侮れない場所があります。それはボディをメインフレームに接合する“ボディマウント”です。ボディを破壊した衝撃エネルギーがメインフレーム本体まで波及しないよう、ボディマウント部分には“抜き打ち穴”のような衝撃吸収の為の加工が施されています。

 つまりメインフレーム側でもボディマウントは“強度が低い”場所になるのです。もちろん『ボディ側が損傷している』ことが前提にもなりますが、衝撃エネルギーの波及度合いを知る目安になります。クロカン4WDモデルは、メインフレーム部分に錆や汚れも多く見受けられ、判断に迷う機会も多く見られます。誤認を防ぐ為には、こうした要所を抑えたチェックも大切になってくるので、ぜひ参考にしてみてください。

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