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川崎大輔のアセアン市場まるわかり㉕

  • ファイナンスキャンペーンを行うタイ中古車ビジネス ファイナンスキャンペーンを行うタイ中古車ビジネス

新車から中古車へ、タイのファイナンス市場

 自動車が流通するには自動車ファイナンスは不可欠だ。自動車のような高価な商品を現金一括で支払える顧客は多くはない。日本での自動車ファイナンス利用率は25%~30%。一方、タイではおおよそ80%の利用率と高い。タイ自動車ファイナンスのプレ-ヤーは大きく3つのグループに分かれる。1つが商業銀行とその子会社が運営する銀行系の割賦販売会社、2つ目がキャプティブ販売金融会社、3つ目がノンバンクとなる。

 商業銀行系は個人顧客をメインに新車、中古車問わず、すべてのブランド、タイプの自動車へ自動車ファイナンスを提供。特定の自動車メーカーとの結びつきを持っていないため幅広い顧客に対してファイナンスの営業が可能だ。また、商業銀行として好利回りを確保できるためファイナンス市場の中で有利な立ち位置にいる。キャプティブ系の親会社は自動車メーカーだ。主に系列メーカーへの自動車ファイナンスを対象としている。グループメーカーの新車拡販と、ファイナンス収益の獲得を目指している。頭金の減額、ローン期間の延長、現金割引、カーアクセサリーサービスなどの顧客の購買意欲を引き出すキャンペーンを積極的に展開している。独立系はノンバンクの割賦販売会社を指す。彼らは一般的に独自のノウハウ、そして地場ネットワークを活用し、商業銀行などが参入しづらい中古車ファイナンスを中心としている。

 中古車ファイナンス市場の大きな特徴は、キャプティブ系がいなく銀行系も少ないことだ。中古車ファイナンスはリスクが高い。与信審査の他に、中古車査定ノウハウなどの専門的な情報・知識が必要となる。厳格な与信管理と担保としての中古車価格を査定できる技術・経験の両方がなければ中古車ファイナンスは厳しい。

 タイ自動車では新車販売のみを目指している。しかし中古車販売を含むアフタービジネスがこれからの主流になるだろう。市場規模で見ると、下流のアフタービジネスは新車販売などの上流マーケットの2倍以上となっている。銀行系もキャプティブ系も共に、今後は中古車ファイナンスを充実させていくことが生き残りの大きなキーポイントとなることは間違いない。

<川崎大輔 プロフィール>
大学卒業後、香港の会社に就職しアセアン(香港、タイ、マレーシア、シンガポール)に駐在。その後、大手中古車販売会社の海外事業部でインド、タイの自動車事業立ち上げを担当。2015年半ばより自らを「日本とアジアの架け橋代行人」と称し合同会社アセアンプラスコンサルティング にてアセアン諸国に進出をしたい日系自動車企業様の海外進出サポートを行う。2017年に株式会社アセアンカービジネスキャリアを立ち上げアセアン各国からの外国人整備エンジニアを日本企業へご紹介。アジア各国の市場に精通している。経済学修士、MBA、京都大学大学院経済研究科東アジア経済研究センター外部研究員。


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