【数字で見る】2020年自動車流通業界の動向 - グーネット自動車流通

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【数字で見る】2020年自動車流通業界の動向

コラム 2021年01月28日
コロナ禍で乱高下した国内自動車流通、年後半は高水準に転じる
自動車流通新聞第752号巻頭特集

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■新車販売は前年比11.5%減の460万台水準に
 2020年の新車販売台数(含軽、日本自動車販売協会連合会発表)は、前年比11.5%減の459万8527台だった。新型コロナウイルス感染拡大により、春先から新車供給が停滞したことで、5月の前年同月比44.9%減をピークに大きく台数を落とし、16年以来の500万台割れに大きく市場が後退した格好だ。一方で、年後半の10月以降は消費税率10%への引き上げがあった前年同月を大きく上回る2ケタ増の伸長を見せ、足元の受注動向も堅調な推移を見せているという。コロナ禍での自動車利用の拡大や各メーカーによる新型車投入とこれに伴う受注残の消化が毎月着実に進んでいる状況にある。

 コロナ禍による納車遅れなどによる市場へのダメージは4月以降、顕著に表われた。4月は前年同月比28.6%減と急減し、続く5月に同44.9%という前年同月から半減に近い大幅な減少だった。6月も同22.9%減という2割以上の減少を余儀なくされた。

 一方で7月以降の新車販売は大きく好転した。前年同期は消費増税前の駆け込み需要が顕著となったことから、ここ数年では目を見張る高実績だったが、これに対しても前年同月の8割台で推移した形だ。とりわけ9月は19年9月が前年同月比12.9%増だったが、これに対しても同14.3減程度に現状幅を止めた格好だった。
 10月以降は言及するまでもないが、前年同期の消費増税による反動減の影響もあり、10月が同29.2%増、11月が同6.7%増、12月が同10.2%増という続伸で年末を締めくくった。

 ある国産ディーラー関係者は「4~6月あたりは確かに厳しい市場環境だった。一方で夏頃からはユーザーの動きが活発化した。通年で見るとほぼ計画通りの水準に落ち着いた」と振り返る。また輸入車ディーラー代表者は「新車の納期が不透明となる中、第3四半期以降は在庫車への引き合いが強く、販売自体は好調だった。通年では80~90%水準で締めることができた」という。

 21年は「年始からまずまずの動き。受注残も登録に結び付いており、堅調な推移のまま、年度末に突入できそう」(国産ディーラー関係者)と確かな手応えを持って、新年をスタートした。

■コロナ禍でも比較的堅調に推移した中古車販売、夏頃をピークに大きな中古車需要が発生
 20年の中古車登録台数(日本自動車販売協会連合会調べ)は、前年比0.3%減の383万1028台だった。新型コロナウイルス感染拡大の影響から、5月こそ前年同月比18.0%減の24万6117台と大きく落ち込んだものの、7月と8月、そして10〜12月の3カ月連続で前年同月実績を上回るなど、コロナ禍においても中古車販売実績は堅調に推移したことがうかがえた。軽自動車においても全国軽自動車協会連合会発表による20年1〜11月の軽四輪車中古車販売台数を見ると、前年同月比4.0%減の279万9310台という前年同期実績に迫る内容だ。

 20年の中古車販売市場は、コロナ禍でも堅調な推移を見せたと言える。年間の総台数では、登録車、軽(1〜11月)ともに前年実績を割り込んだが、とりわけ夏前からの年後半は、概ね前年並みか、それ以上の堅調な実績が続き、コロナ禍で中古車への引き合いが強まったことを窺わせる実績だった。6〜8月の3カ月間はコロナ禍を追い風とするかのように、中古車需要が大きく増大した。10〜12月の前年実績超えは、前年同期の消費増税後の反動減が比較対象になったことに起因する。

 中古車小売り市場では「春先の相場、成約率急落時に仕入れた中古車が6月以降、飛ぶように売れた。利益幅も大きく、自社にとっては過去最高益といっても過言ではない好調な推移だった」(中国地区の中古車販売店)という展開に。「定額給付金のインパクトは大きかった。比較的低額な車両にニーズがあったものの、コロナ禍で見えてきた通勤手段の見直しにより、公共交通機関から自動車利用に移動手段のマジョリティーが変化したことも要因」(関西地区の中古車販売店)という、特需的といっても過言ではない動きが見られた。

 年後半も比較的堅調な推移を持続しながらの展開だったが、21年の初売りにおいても、上々のスタートを切った販売店も少なくない。「JU鹿児島の合同展示場である『JUカーパーク』では例年お正月から行う新春初売りイベントで、ほぼ例年並みの好成績だった。1月2日からスタートした初売りイベントは11日までに中古車113台を成約する活況だった」(JU鹿児島の新園康男会長・理事長)と振り返る。「自社の小売り拠点で開催した初売りは上々のスタート。中古車小売りは好調に推移している。一時はクルマ離れも囁かれたが、ここに来て改めて中古車が見直された格好」(トヨタユーゼック)と、大きな手応えをつかんだ初売りフェアだったという。

 21年も引き続き、堅調な推移の中での中古車小売り市場のなりそうだ。年明けからの緊急事態宣言発令などを受けて、改めてテレワークの実施や働き方の改革が求められる状況だ。

■コロナ禍で乱高下したAA市場、4月は成約率50%割れ、7月以降は超高成約率基調に
 20年の国内オートオークション(AA)実績(主催者発表速報値集計、プロトコーポレーション調べ)は、総出品台数が前年比7.1%減の710万7693台、成約率が同0.1ポイント減の63.8%という実績だった。前年実績に対して、出品台数が50万台以上の落ち込みとなったが、成約率は通年ではほぼ前年並みという状況だった。成約率は新型コロナウイルス感染拡大が市場全体に大きく影響した3〜5月の落ち込み幅が大きかった。コロナ禍で中古車輸出がほぼ全面的に停滞した他、緊急事態宣言発令に伴うAA会場への来場数の大幅減も影響した。一部会場では独自判断による無来場型AAに切り替えなど、会員の安全を第一に考えた苦渋の決断も多く見られたのもこの時期のAA市場だった。

 成約率が最も低下した4月は、前年同月比13.1ポイント減の49.2%と、50%を割り込む苦しい展開だった。コロナ禍で短期見通しも立たない状況下で、買いを抑える傾向が強まる中、出品台数自体はほぼ前年並みだったことから多くの中古車がダブついた格好だ。相場自体も低下したことから、先を見越して、この3、4月に仕入れを強化したバイヤーも多く見られた。

 ゴールデンウィーク明けまではこうした状況に苦しんだものの「4月、5月は低迷したが、6月から明らかに潮目が変わった。7〜9月は『神風』が吹いて、これまでのマイナス分を一気に取り戻せた。累計査定件数や買取り件数は前年に比べ、ややマイナスだったが、中古車相場高騰により、粗利は2けた増という不思議な1年だった。コロナ禍でも一部の加盟店では過去最高益となるケースも見られた」(中古車買取FC本部責任者)と振り返るように、一気に業界の潮目は変わり、「高成約率」「高成約単価」の売り手市場に転じた。

 「成約率は3月から急落したが、4月を『底』に回復基調に転じ、8月には前年実績を上回り、この流れが12月まで続いた。しかしながら、3〜6月まで前年実績を大きく下回ったことで、通年ではマイナスだった」(中部地区のAA会場)という流れがAA市場全体の傾向だった。

■2020年の中古車輸出市場
 日本中古車輸出業共同組合発表の中古車輸出台数を見ると、20年1〜11月の中古車輸出台数は、前年同期比25.6%減の96万4629台。12月は10万台を確実に割ると見られ、年間では110万台弱の水準に止まる見通しだ。20年4月まで22カ月連続でキープしていたアラブ首長国連邦(UAE)の首位が陥落、この頃から新型コロナウイルス感染拡大による仕向け国ごとの事情が大きく影響するようになった。それまでUAEに次ぐ輸出台数を維持していたロシアが5〜9月の間、首位をキープする格好となった。UAEの場合、受け入れ先の港の事情や再輸出国の輸入ストップなどがマイナス要因だったが、10月には再び首位に返り咲き、年末にかけて回復基調が見られる。

 こうした中、21年の中古車輸出市場の展望は「年間120万台程度まで回復すると見込んでいる。輸出上位国の顔ぶれに大きな変化はないと予測するが、コンテナ輸送が海上輸送のメイン手段である海外市場向け(主にUAE、チリ、南アフリカ)の輸出台数は減少する可能性がある。良質な中古車が市場に不足する傾向はますます強まり、国内小売り、中古車輸出ともに、事業者は勝ち残りをかける1年となると予想する」(中古車輸出コンサル事業者)という見方が一般的かもしれない。実際、コロナ禍で全世界が混乱の渦中にあった20年、いち早く本格的な経済活動を再開した中国が海外への輸出を活発化、コンテナ輸送の船賃を釣り上げていることも大きな懸念材料だ。

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【対象評価点】

4、4.5点

【抽出価格条件】

直近価格が500千円以上

【抽出台数条件】

毎月50台以上の流通が過去6ヶ月連続していること