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溶接装着された部位の「交換歴」をチェックするには、隣接する部位との接合部分を確認することが基本です。しかし弊社が開催する査定検査研修を受講された方の動作をチェックしてみると、間違った接合部分を確認しているケースが意外な程多く見られます。そこで今回は比較的間違いが多く見られる部位を挙げて、正しい確認場所の理解を深めていただきたいと思います。
【ルーフパネル】
間違いが最も多く見られる部位です。ルーフパネルの交換歴は、修復歴車扱いとなりますので、その見落としはかなりの損失を発生させてしまいます。では、具体的にその確認方法を見てみましょう。
画像Aをご覧ください。「ルーフパネルの交換歴を確認をしている」と、思われた方は、実務において間違った確認をされている可能性があります。なぜ間違いなのか。それはルーフパネル周辺の構造を理解するとよくわかります。
【ルーフ周辺の構造】
ルーフパネル(画像②赤部分)はあくまでも「板」です。そのルーフパネルをボディに接合する為に存在するのが、「ルーフサイドレール(画像②青部分)」と呼ばれる部位となります。これは「枠」の役割を持ち、これにルーフパネルが接合されています。そのルーフサイドレールですが、サイド部分は、アウター側パネルとインナー側パネルで構成されています。そのルーフサイドレール同士の接合部分(溶接)こそ、画像①の場所になるわけです。「横転事故」を起こした影響で、ルーフサイドレールも交換や修正をした車両であれば、有効であるかもしれません。しかし、ルーフパネルの交換要因で多いのは落雪や雹等の落下物によるダメージです。そしてそのほとんどがルーフパネル単体の交換となりますので、画像①の場所だけを確認しても発見することができなくなってしまいます。
【ルーフはここを見る】
ルーフパネルとルーフサイドレールの接合部分は、前後(画像②A)と左右サイド(画像②B)に存在します。しかし、Bエリアはルーフモールを外さないと確認することができません。柔らかいルーフモールであれば外すことも可能ですが(画像③)、もし難しいようであればAエリアで確認することになります。ミニバンやSUVのようなリヤゲートを持つボディ形状であれば、リヤ側から確認することが可能です。しかし、セダンのように客室の前後がクローズドになっている形状では、天張りをめくるしか術がありません(画像④)。
【これからルーフ交換歴車は増える】
前述のとおり、ルーフが交換される要因としては、落雪や雹(ひょう)による被害が多くみられます。そのことから降雪地帯ではない地域では「この辺りは大丈夫だろう」と油断してしまう傾向があります。しかし近年の気象は、いつどこで雹が降ってもおかしくない状況です。実際に東京都内では、今年に入って雹が複数回観測されています。特に8月に発生した雹の被害はひどく、ボディ全体にダメージを受けた車両が検査現場でも多く確認されています。現時点ではダメージ現状ですが、数か月後には、それらを修理した車両が出回ることになりますので、査定時には十分ご注意ください。
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