シーエーエー／シーエーエー開設25周年記念特集　前編　鈴木章郎相談役インタビュー　「シーエーエー創業そして死地からの生還まで」

オークション 2013年07月08日

役員室に飾られている経営理念と鈴木最高相談役

「私のこれまでの経験と知識を次代に引き継ぐことが最大の使命と考えております。また、これまで忙しくて出来なかった現場への訪問や対外的な業務を中心に中古車業界の発展に貢献していきたい」と抱負を語るのはシーエーエーの鈴木章郎（すずきのりお）氏。
　
同氏はシーエーエー開設20周年の年に社長職を辞して会長職に就任。今回25周年で会長職を辞して取締役最高相談役に就任した。同氏には創業からこれまでのシーエーエーの軌跡を２回にわたって語っていただく。

　中古車流通が劇的に変わろうとしていた今から30年程前に、情報や知恵を集めなければ時代に取り残されてしまうという思いで、中部エリアの小売店７社が毎週集まって勉強会を始めたのがシーエーエー発足の第一歩でした。
　当時のＡＡ会場は購買店（販売店）より出品店が優位な面も見られ、販売店による販売店のためのＡＡ会場が必要になると決意し、会場設立のための準備会社を昭和62年に設立しました。その際、創業役員は経営理念を『ＣＡＡは一貫して公平で厳正な運営を行い、会員の繁栄と中古車業界の発展に寄与する事を目的とする』と決定し、当時書き記した経営理念は現在も額に入れて役員室に飾っています。見た目はあまり良くないですが、この額の文字には当時の我々の決意が詰まっています。

　そして昭和63年に中部オートオークションを開設し、オープン当日には７３５台を出品いただくことができました。引き回しの第１号車を私が運転して、落札した時は最高の気分だったことを思い出します。その後、毎年のように会場増築やヤード拡張を繰り返し、平成５年に出品台数で当時の日本新記録である３３３０台を樹立しました。

　また、ネットの時代をいち早く見越して平成11年にはＣＡＡＮＥＴサービスで㈱オートサーバー殿と日本初の外部入札サービスをスタートし、さらに平成13年には私共からの提案で、日本初のライブオークションを㈱オークネット殿と提携してスタートしました。その後も、会員様からいただいた要望にお応えできるよう『ワンプライス』『初出品』など様々な新サービスを提供させていただきました。

　ネット戦略や様々な新サービスの開発と時期を同じくして、ＡＡの全国展開も進めてまいりました。最初の地は最も市場規模が大きい関東圏と考え、ＣＡＡ東京を平成11年10月に千葉県柏市にオープンし、当初は苦労しましたが、スタッフの頑張りと会員各社様のご協力により、なんとか軌道に乗せることができ、３年目には４１８５台の開催を行うことができました。さらに平成16年にはＮＡＳＡ（㈱中日本自動車総合卸センター）の株式を取得したことによりＣＡＡ岐阜をオープンし、続いて平成19年1月には、前年に株式を取得していた㈱アイ・エー・エーの商号を㈱シーエーエー東北に変更し、ＣＡＡ東北をオープンしました。

　平成15年当時、私はシーエーエーの経営に寝食を忘れるほど没頭していました。そしてある朝ひどい胸痛のため突然倒れてしまいました。病名は心筋梗塞で３回の大手術から死地を乗り越え、不屈の精神で復帰を果たすことができました。その後は会社の発展と健康管理の両方を心掛けるようになり、シーエーエーの未来像をこれまで以上に、真剣に考えるようになりました。

【次回号ではシーエーエーの大きな岐路となったトヨタとの提携から現在までを特集いたします】

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