【特集】数字で振り返る「2025年度の国内自動車流通」 - グーネット自動車流通

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【特集】数字で振り返る「2025年度の国内自動車流通」

コラム 2026年04月27日
新車販売は微増も車両価格上昇や納期遅れなどの懸念材料も

 2025年度(25年4月~26年3月)の国内自動車市場は、新車販売台数(登録車+軽自動車)が前年度実績をやや下回る453万台水準で推移した一方、中古車販売台数は前年度実績を上回る650万台超、オートオークション市場も前年度を大きく上回る800台超に拡大、新車販売が停滞する中、中古車流通市場は活発に動いた。中古車輸出台数も25年暦年で過去最高実績を大きく更新、年度実績は確定前だが、同様に年度での過去最高実績を更新する見通しだ。新車販売は新車供給の遅れなどで「受注停止」の車種も多く、人気車種の長納期化で、中古車市場での相場高騰も見られた。年度末が迫る中、中東情勢の悪化による中古車輸出の停滞も見られるが、今号では25年実績を数字と「現場の声」をもとに振り返っていきたい。 (室田一茂)

【新車販売は「登録車」「軽自動車」で明暗分ける】

 日本自動車販売協会連合会(自販連)が発表した25年度の新車登録台数は前年度比3.5%減の284万5316台だった。「小型乗用車」が同2.1%増の83万1574台「普通乗用車」が同8.1%減の163万9641台「貨物車」(小型+普通)が同7.3%増の36万4778台という実績。全体の57.6%と構成比が最も大きい「普通乗用車」が大幅に失速したことで、総台数でも大幅減につながった格好だ。

「25年度としては結果的には前年度並みの推移だったが、悪いとも良いとも言えない状況。新型フォレスターが注目を集めたが、納期がかかり受注にも影響が生じた。これに限らず、車両販売価格の上昇で、高額車は敬遠される傾向にある」(関東地区のスバル販売協力店)という。新車納期が長期化する中で、受注が鈍っていることや高額車を敬遠する消費者マインドが新車市場の停滞につながっている様子だ。高価格帯の普通乗用車が鈍っていることで、登録車市場は厳しい展開を強いられている。

 一方で、全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が発表した25年度の軽自動車新車販売台数は、前年度比3.8%増の168万8466台だった。乗用車が同3.3%増の130万5436台、貨物車が同5.2%増の38万3030台と揃って前年を上回り、総台数は2年連続の増加だった。

 昨今、車両価格やガソリン価格が高騰する中で、一般消費者の消費マインドが弱まる中で、登録車ではコンパクトカーへ、また登録車から軽自動車へのダウンサイジングなどが強まる中で、軽自動車全体では、170万台に迫る高実績を記録した格好だ。

 軽自動車の新車を取り扱う中古車販売店では「軽乗用車の中でも特にハイトワゴン系のニーズが年々強まっている。ホンダ『NBOX』やダイハツ『タント』スズキ『スペーシア』などが主流。新車価格はベースでも200万円以上するが、登録車と比較しても割安感があり、ランニングコストも安いことからニーズも強まっているのでは」(近畿地区の中古車販売店)と見ている。以前であれば「軽自動車で200万円超」というと、購入を躊躇するユーザーも少なくはなかったが、現在は登録車、軽を問わず、価格帯が大きく上昇したことで、軽自動車の存在価値が高まっている。

【中古車登録台数は3年連続の前年度比増】

 自販連と全軽自協が発表した中古車販売台数(自販連=中古車登録台数、全軽自協=軽四輪車販売台数)は、前年度比0.7%増の650万7998台だった。このうち登録車は同0.1%減の363万570台、軽自動車は同1.5%増の287万7428台だった。新車販売同様に登録車が台数を落とした一方で、軽自動車は前年度実績を上回る推移だった。総台数では3年連続の前年度比増だったが、一進一退の状況が続いている。

 中古車登録台数は2021年度、新型コロナウイルス感染拡大の影響で半導体生産が滞ったことで、新車供給が鈍化したことなどを受け、中古車ニーズが高まり、364万6000台という高実績だった。22年度はこの反動減があったが、23年度と24年度、25年度は360万台超をキープしている。

 全国の中古車販売店では「年間を通じて例年通り、可もなく不可もなく極端な落ち込みもなかったが良くもなかった」(関東地区の大手中古車販売店)という。全国的に見ても、同様な声が多く聞かれた。九州地区の中古車販売店では「中古車小売りは低調に推移した一方で、AA出品により利益を確保できた格好。年度末にかけて、悪化するイラン情勢の影響で、AA相場も厳しくなっている」という。前年同様の推移を見せる中、年度末にかけては、中古車相場の下落を懸念する声が多かった。これまでは中古車小売りで長期在庫になっても旺盛な中古車輸出のおかげで、何とか利益を創出していたという構造的課題が存在する。

 こうした中で中古車小売りが好調な販売店も存在する。「昨年度の小売り販売実績は堅調に推移した。周囲では小売りが厳しいという声も多く聞かれるが、考え方次第。自社では販売車両を絞り込み、価格帯にもこだわった。車種と客層を絞ったことで着実に販売につながった」(関東地区の中古車販売店)という。厳しい時だからこそ、目先を変えた販売戦略が生きてくる。

 販売ターゲットを見定めて効果的な戦略を立てた販売店は外的要因に左右されづらいという特徴がある。こうした中、現在の国際情勢などを踏まえると「イラン情勢の悪化で塗料やエンジンオイルの供給も不足してきている。それに伴い、仕入れ車両の補修などにも時間を要することで、納期の長期化を懸念している。これは在庫回転率の悪化につながるので、26年度は25年度より落ち込むという販売予測をしている。また、ガソリン車よりもハイブリッド車(HV)、電気自動車(EV)に人気が集まると思うので、展示車の中心であるガソリン車の販売鈍化とHV・EVの価格高騰を懸念している」(関東地区の大手中古車販売店)とするように、あらゆる外的要因に対し、その結果発生すると思われる業界の動きを見極めていかなければならない。

【AA市場は近年まれにみる高水準の推移も年度末には懸念材料】

 国内の新車、中古車販売が一進一退の推移を見せる中で、25年度のオートオークション(AA)市場は、07年度以来、約20年ぶりに800万台超を記録する活況だった。出品台数は前年度比5.1%増の801万5618台、成約台数は同4.3%増の548万4415台、成約率は同0.5ポイント減の68.4%。成約率こそ、やや前年度を下回ったものの、出品、成約ともに高水準をキープしている。

 こうした状況についてAA会場では「25年度は年間を通じて波があまりなく、高水準に推移した1年だった。
懸念されていた中東情勢の影響は、年度末に若干の相場下落が見られた程度に止まっている」(中部エリアのAA会場)という感触だ。年度末3月26日開催で史上最多出品台数2万2287台を記録したUSS東京(千葉県野田市)など、全国の大手会場を中心に、この年度末は出品台数が大きく増大した。年度を通じて高水準で推移した一方で、年度末に記録的な出品台数が集まったことで、全国AA市場の総出品台数は前年度から40万台近く増大した格好だ。成約率こそ、前年度を下回ったものの、依然として70%台後半の高水準をキープしている。こうした中で目立つのが中古車輸出事業者によるAA出品の増加。「イラン情勢の悪化でドバイ経由での中古車輸出が停滞、他のハブ港を利用するという向きもある中で、買い控えの動きはある。輸出港のヤードに中古車が停滞しているので、本当に必要なクルマのみを仕入れる状況。在庫がダブついているクルマについては、AA会場に出品するような『逆流』も発生している」(中古車輸出事業者のAA仕入れ担当者)という。
そもそもAAでの仕入れを抑制している上に、過剰在庫や輸出の見通しが立たない中古車のAA出品の流れが年度末の出品増にも影響している。

 AA会場別の実績を見ると、上位に入るUSSグループ会場の出品増が際立つ。1位のUSS東京(前年度比9.0%増)、2位のUSS名古屋(愛知県東海市、同7.4%増)、3位のHAA神戸(神戸市中央区、同13.2%増)、4位のUSS九州(佐賀県鳥栖市、14.2%増)あたりの伸長率の高さが物語っている。成約台数においても、この4会場の数値は大きく前年度実績を上回っている。この4会場は各エリアで、中古車流通の中心的役割を押さえている。中でもUSS九州は成約率においても75%水準をキープし、活発な売り買いを展開している。

【中古車輸出市場は過去最多の170万台水準】
 活況のAA市場を年間を通じてけん引してきたのは、過去最多の170万台規模に膨らんだ中古車輸出市場に他ならない。日本中古車輸出業協同組合が発表した2025年1~12月の中古車輸出台数が史上最多の170万8604台(前年比9.1%増)を記録したことは本紙2月号でお伝えしたが、年度実績においても170万台を突破するか、現在のところは26年3月実績データが発表されていないため、正確なデータは何とも言えないが、170万台前後の高水準になる見通し。
 2月時点の11カ月間の合計台数はすでに前年同期比11.6%増の158万1563台に上っている状況。24年度の総台数が157万3357台だったが、3月を待たずに前年度実績を上回っている。2月の中古車輸出で際立ったのは、タンザニアの躍進だ。1月まで16カ月連続で首位をキープしていたアラブ首長国連邦(UAE)が前年同月比14.5%減と減少した中で、タンザニアは同116.9%増の1万8711台に上り、前月の3位からUAEとロシアを抜いて首位に躍り出た。3月の状況が分からないため、まだ分析は難しいが、中東紛争によるホルムズ海峡封鎖の影響も少なからず影響している点や昨年10月末に行われた総選挙後、国内情勢が安定化してきている点などが中古車輸入の増大に影響してるのかもしれない。

 直近では2月あたりからスリランカやマレーシア向けの高額車が停滞、相場下落傾向にあるとされているが、3月以降の状況ははっきりとしていない。

【26年度見通しは中東情勢などもあり依然不透明】
 
 国内自動車流通業界関係者は「26年度はイラン情勢による輸出への影響もあり、輸出ヤードに車が溢れているという話も聞こえる。それによりAA市場への出品増が予想されるが、値崩れや成約率の下落が心配」(関東地区のAA会場関係者)という声や「中東情勢、国内の新車供給がカギになってくる」(中部地区のAA会場関係者)、「今年度も中古車小売りの市況は良いとは言えない状況が続く予想。引き続き、市況を見ながら考え、工夫していきたい」(関東地区の中古車販売店)という受け止め方が一般的だ。
 新車の「環境性能割」廃止の影響で、年度末需要の新車が4月納車にスライドしている状況と、現在の供給過多の状況を考えると、5月の連休明け頃までは、国内の中古車流通台数は増大するものと見られる。ただ、不安定な中東情勢の長期化などが中古車輸出市場の需要減に大きく影響する可能性もあり、予断を許さない状況が続いていることは確かだ。

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【対象評価点】

4、4.5点

【抽出価格条件】

直近価格が500千円以上

【抽出台数条件】

毎月50台以上の流通が過去6ヶ月連続していること