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8月鉄スクラップ市況

輸出向け価格に引き上げられさらに上昇

 日本鉄リサイクル工業会(東京都新宿区)は9月1日、国内の鉄スクラップマーケット情報を発表した。7月後半から上昇基調にあった国内鉄スクラップ市況は、8月に入っても勢いは止まず、特にお盆休み明けには輸出向け価格に引き上げられる形でさらに上昇している。月末のH2炉前価格は関東で2万6000円~2万6500円、関西で2万4000円~2万5500円で前月比3000円以上値上がりしている。この値上りは、ベトナム向けを中心とした輸出価格の上昇に引っ張られた感が強い。コロナ禍の継続で流通量が十分でない中、限られた玉を輸出向けと国内需要家が取り合う形となり、ちょっとした需給ギャップが価格に強く反映する状況が続いている。

 H2の輸出向け成約価格は、ベトナム向けで一時2万8000円FOBを超えたと言われ、高値に抵抗を示していた韓国需要家も相場に追随する動きを見せているものの、さすがにこれ以上の高値は通り難くなってきたとの報道もある。一方でトルコ向けDeep Sea(欧米産の大型貨物船輸送)契約は依然堅調であり、湾岸の輸出業者も買い価格を下げる動きは見られない。国内市況は、強気感を維持したまま9月を迎えようとしている。


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