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8月鉄スクラップ市況

秋も先行きに不安

 日本鉄リサイクル工業会(東京都新宿区)は9月2日、国内の鉄スクラップマーケット情報を発表した。

 8月の国内鉄スクラップ市況は、需要側は電炉メーカーの夏季減産に伴う鉄スクラップ購入減、また供給側では全国的な猛暑とお盆シーズンの回収減が相俟って荷動きは低調に推移した。
月末のH2価格は、関東で2万6000円~2万7000円、関西が2万4500円~2万5500円と関西で前月末比1000円程度の値下がりとなっており、東高西低の状態が続いている。

 建設用鋼材市況も陰りが伝えられる中で、電炉メーカーの減産基調は当面続くと予想され、鉄スクラップに対する需要の回復は遅れる気配が濃厚となっている。

 海外マーケットも、トルコ向け欧米産鉄スクラップは値下がりし、米国のベトナム向けDeep Sea(貨物船輸送)、台湾向けコンテナー契約も共に下落が報告されている。また、アジア向け日本産鉄スクラップの輸出成約は円高も影響して盛り上がりを欠く状況となっている。
 
 トピックスとしては、市中の鉄スクラップ購入数量を絞っていた高炉が、鉄スクラップの安値に注目して買い出動に動き出すとの情報もあるが、市況を押し上げるまでには至っていない。
 従来であれば相場が活況つく秋を迎えても、内需・外需共に先行きに不安を抱えながら月末を迎えている。

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