日本鉄リサイクル工業会（東京都新宿区）は３月１日、国内の鉄スクラップマーケット情報を発表した。２月の国内鉄スクラップ相場は騰勢を強めて月末を迎えた。１月末にトルコ向け成約価格が50ドル以上急落した影響で月前半は国内でも高値修正が広がったが、トルコ向け価格が急回復すると月後半には再び上昇基調に転じた。月末の関東地区Ｈ２炉前価格は２万６５００円～２万７５００円程度となっており、前月末の価格を５００円～１０００円程度上回っている。

　海外では米国産スクラップのトルコ向けＨＭＳ成約価格が２８０ドル(ＣＦＲ)を超えるまでに急反発し、アジア向け商談価格も２８０ドル台(ＣＦＲ)へ切り上がった。Ｈ２の韓国向け輸出ＦＯＢ価格は２万８５００円と前月末比３５００円値上がりし、国内相場の上昇を牽引する図式となった。

　鉄鉱石スポット価格が92ドル台(ＣＩＦ)と２年６ヵ月ぶりの高値に高騰し、メーカーは鋼材再値上げの姿勢を強めていることから、鉄スクラップ相場の先行きに対しても強気な見方が増えており、先高観が指摘される中で３月を迎えている。