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日野自動車/茨城県に新工場を建設、世界戦略の一環として本社工場を段階的に移転

 日野自動車は、茨城県古河市にトラック生産工場を新設し、来年春に操業を開始すると発表した。同社が1月20日に開催した「新春記者会見・アナリスト会社説明会」で明らかにしたもので、2020年までに本社工場(東京都日野市)から段階的に古河市の新工場に生産を移管する。
 
 同社はこれまでの国内市場中心の生産から、海外に軸足を置いた生産へとシフトする事業構造改革を進めている。2006年には海外向け生産が国内向け生産台数を上回ったほか、2009年にはKD(ノックダウン=主要部品を日本から輸出し現地工場で組み立てる)が4万5000台を記録し、CBU(コンプリート・ビルド・アップ=完成車生産)の3万7000台を上回った。今後もKDによる海外向け生産のウェイトがますます高まっていくことが予想されるなど、同社のトラック生産を取り巻く環境は近年大きな変革を遂げている。このような環境変化に柔軟かつ的確に対応していくために、古河新工場をKD生産工場の戦略拠点として稼動させる。

 同社では、2010年代半ばには生産台数が年間約23万台に達すると予測、このうち7割がKDによるものとみている。現在、本社工場にあるKD生産工程の移転に最優先に取り組み、来年春に移転する。その後「アクスル」などの重要コア部品の製造を段階的に移転し、2020年までに大型車や中型車の完成車組み立て工程も移転する予定。新工場の稼動とともに、同社では部品設計の共通化により製造する部品点数を大幅に削減するなどし、コスト低減を図る。

 同社は新工場を「最新技術を追求し『ものづくり改革』を具現化する場」「環境にも考慮した『革新ライン』を実現」『具現化したものづくり技術を世界に展開するマザー工場」という3点をテーマとして位置づけている。また、トヨタグループにおいてトラック事業を担うメーカーとして、環境対応技術の開発や普及、グローバル市場での競争力のある製品展開を模索していく。その一環としてディーゼルエンジンと電気モーターを併用した「ディーゼルハイブリッド車」の普及促進にいっそう注力していく方針。 
 
 新工場への投資額は約500億円。所在地は茨城県古河市名崎で、用地面積は65万9000㎡。これは、本社工場(30万㎡)の2倍強の面積。
 
 なお、移転完了時には本社工場は閉鎖されることとなる。本社や研究施設は日野市に留まるものの、約70年間にわたり地元の象徴として親しまれてきた工場を失うことへの地元の失望の大きさは想像に難くない。グローバルな競争で勝ち残るための苦渋の決断といえるが、工場跡地の活用方法、税収減、地元経済や雇用への影響といった大きな課題が企業城下町に重くのしかかる。

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